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江ノ島に行って恋活をする《湘南ウォーク・トリップ》


*この記事は、《湘南ウォーク・トリップ》にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:山田隆志(湘南ウォーク・トリップ)

 

新型コロナウイルスでどれだけダメ人間になったのだろうか。マスクにはいまだに慣れることができないが、多少はひげを剃らなくてもごまかすことができる。何よりも外出しないから圧倒的に人に会うことが減ってしまった。なので服にも気を使わなくてもよい。

 コロナになって良い面もあったのだろうけど、どんどんダメ人間になっていく。

 気が付けば、恋愛もあきらめてしまっているようだ。

 2年の月日が経ち、緊急事態宣言もマンボウも解除された。

 そして婚活パーティーも再開されるようになり、2年ぶりに婚活を再開してみたものの会話も盛り上がることなく、あえなく撃沈するようになった。

 それもそのはず、コロナのせいにしてどんどんみすぼらしくなっている。それじゃ女性も振り向かないわけだ。

 ちゃんと自分磨きをしなくてはいけない。コロナも明けたことだし、婚活をしよう。

 今年こそは素敵な彼女を見つけて、アフターコロナ後の旅行を満喫したい。

 「新垣結衣のような可愛い彼女がいいなあ」と自分のことを棚に上げて、のたまうのであった。

 まずは縁結びの神様のところへ願掛けに行こうと江ノ島の江島神社に行って、神様に何とかしてもらいに行くのであった。「その前に体形と身なりを何とかしろ!!」といわれそうだが、まずはできることから進めることにする。


 
 

 

ゴールデンウィークは快晴で暑くもなく寒くもない、なにか行動するには最高のコンディションだ。

 片瀬江ノ島駅を降りたら多くの人だかりで、ようやくコロナ前の活気が戻ってきたようだ。大変喜ばしいことではあるが、やっぱり人混みは慣れない。

 その人混みのほとんどは若いカップルだ。意識しないようにとわかってはいるけど、どうしても気になってしまう。江ノ島のような観光地には43歳のおじさんの行くべきところではなかったのか。

 江ノ島につくとやっぱり人だかりがすごい、名物の生シラス丼を食べてみたいのだが、見るからに並んでいるので、先を急ぐことにした。

 江ノ島の坂道をのぼるころ、唐突におみくじが置いてある。おみくじはお正月にしか引かないつもりでいたのだが、今日はそんな気分だったのだろう。なんとなく100円を支払って「恋みくじ」なるものを引いてしまった。

 「吉 待ち人は辛抱強く待ってればきたる」なるほど、吉だけあって期待を持たせることが書いてある。けど、こういってどれだけ裏切られたことか。この前なんか大吉を引いたはずなのに、彼女と別れることになったんだぞ。

 とまあ、おみくじで吉を出しているのに卑屈になっているんじゃ世話がない。

 途中には、「2人の永遠の愛を誓う南京錠」というものも売っていた。南京錠にお互いの名前を書いて括り付けるものだ。これからプロポーズして永遠の愛を誓って南京錠を括り付ければよいのか。そういえば、私は永遠の愛を誓ったはずなのだが、瞬く間に裏切ってしまった。今度はちゃんと南京錠に愛を誓い、しっかり括り付ける必要がある

 

人混みをかき分けて坂をのぼると「奥津宮」に到着した縁結びの神社ということもあり、さっそくお参りしよう。今年は本当に何とかしなくてはならない。奮発して100円出そう。100円支払ったんだから何とかしてくれ!!

 そして、絵馬がいくつも並んでいた。なるほど、すでに付き合っている人が羨ましい。

「たくやとしずか、いつまでも幸せに過ごせるといいね」

 なるほど、1年後どうなっているんだか。

いかんいかん、見ず知らずのカップルの絵馬を見て悪態をついているようじゃ世話ないな。いったい私は何をしに来たというんだ。

 「あや♡(スペース)」ん? これはなんだ?

 彼氏の方は何も書いていないぞ。絵馬というのは片思いバージョンもあるのか?何なら、私の名前を書いて吊る下げて置くのもありなのか?

 いやいや、さすがにこれは恥ずかしい。頑張って私にできるのは「今年こそ結婚できますように」ぐらいだ。

それにしても、最高のコンディションで江ノ島から見る海は最高だ。入り江で海を眺めてみたら波しぶきにかかってしまうのもまた思い出だろう。

 せっかく江ノ島に来たのだから「江ノ島シーキャンドル」で景色を眺めたいのだが、シラス丼も激込みでありつけなかった。さすがに腹減ったので、今日はあきらめよう。今度は彼女を連れて江ノ島シーキャンドルで永遠の愛を誓うことにしよう。

シラス丼にありつけることなく、今回のメインイベント「むすびの樹」についた。根っこがつながった二本の樹がある。私もこうなりたいものだ。今度こそ絵馬を書くか!!

 絵馬を書こうにも肝心な相手がいない。こういう時は相手の名前をどうするべきか?正直に気になる女性の名前を書くべきか?それとも欲望に任せたまま(新垣)結衣と書いておくべきか?

 なんでこんなどうでもよいことで悩んでいるんだ。

 他の絵馬はどうなっているのか?やっぱりのろけているのか?

 なんか必死な絵馬を見つけてしまった。

 「年収1000万、イケメンでスポーツマン」そんな奴はいねえよ

 他には、自分の名前のほかに4人の女の人の名前があるぞ!!全く何を考えているんだ。

 おやこれはなんだ?

 「年収400万、細マッチョでさわやか系のイケメン」と書いてあるし、電話番号も書いてあるぞ。

 私の年収も400万は超えているぞ、さわやかでイケメンというのはなんだ。私でもワンちゃんあるんじゃね?

 気が付いたらスマホを片手に絵馬の番号をプッシュしようとした……

 いやいやいや、それは流石にあかんだろう。怖いお兄さん出てきたらどうしよう。

 やっぱり、食事もせずに歩き疲れているから疲れているんだろう。

 神頼みの前に、自分を磨かないと。今年こそは彼女を見つけよう。

(終わり)


2022-05-05 | Posted in 未分類

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