メディアグランプリ

誰にでも必ず自分の居場所がある


 
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:CHACO(ライティング・ゼミ平日コース)
 
私には絶対にブレない考えがある。
誰にでもひとりひとり、自分の「居場所」があるということ。そして、人生はその居場所を探す旅であるということだ。
 
その居場所というのは、物理的な場所だけを意味するのではなく、環境であったり、周りの人たちであったり、それらの組み合わせであったりもする。
環境を変えるだけで、なぜかフッと楽になったり、ありのままの自分を出せたりしたことや、逆に環境が変わっただけで急にストレスを感じたことはないだろうか?
 
例えば、魚にとっては水の中が生きていくのにふさわしい環境だ。なのに、何を間違ったか魚が陸に上がってしまったらどうなるだろう? 苦しんで、苦しんで、しまいには死んでしまう。
そもそも魚が陸で暮らそうというのは、「場違い」な話である。魚にとっては水の中が居場所なのだから。
 
水の中で生まれて育ったけれども、成長するにしたがって「なんか違うな」と、水の中での暮らしに違和感を持ったら、カエルのように陸に上がればいい。
 
私はどうやら魚ではなくカエルに生まれたらしい。
高校生の頃、小さいころから育った田舎の保守的で閉鎖的な環境が、どうも性に合わなくなってきた。九州からは出られなかったが、福岡にある大学に行くことで息苦しさを解消しようとした。
ただ、ここでもまだある種の息苦しさがあり、今考えてみると「なんか違う」と思いつつも、当時は現実的に考えて卒業後はそのまま福岡で就職した。
念願の一人暮らしもしてみたが、それもなにか違った。職場でもみんな優しかったが、私の居場所ではなかった。
だんだん苦しくなってきて、ある時、ついに現実的に考えるのをやめてロンドンに行くことを決意した。私の居場所は日本ではないと、うすうす感づいていたからだ。今思えば、それまではいろいろ理由をつけて、日本でもそれなりに楽しくやっていけるはずだと自分に言い聞かせてきただけだった。自分に嘘をついていたのだ。
 
自分の居場所ってどんなとこ? 私は今の場所でそこそこ満足だ、自分の居場所なんて考えたこともなかった、という人もいるだろう。
私の経験からにはなるけれど、「自分の居場所」にいると人はどう変わるかというと……
 
まず、半端ない解放感を感じるようになる。
ありのままの自分を受け入れてもらえるようになる。
周りからどう見られるかを気にしなくなる。
自分に自信がもてるようになる。
なぜか物事がうまく運ぶ。
根拠はなくても、先の不安がなくなる。
人生で最高にモテる。
つまり、幸せになれる。
 
そんなバカな? と思うかもしれないが、私の経験上そうだったのだ。
1年間のロンドン暮らしの後、私はのちに8年間暮らすことになるドイツに行くことにした。
 
「なんでドイツに行ったの?」
 
と、よく聞かれるが、それは私にもよくわからない。「なんとなく」行きたかったから。
ドイツには留学してたの? とか、仕事で行ったの? なども聞かれるが、それも違う。
とにかくドイツに住むということを先に決めたので、ぶっちゃけ仕事はビザさえ取れれば何でもよかったのだ。
日本食レストランから日系企業の社内通訳まで、いろいろな職に就き、年間30日の有休をフルに活用して、ヨーロッパ中でビールの飲み歩きばかりしていた。やっと自分の居場所を見つけたと思った。
 
独身時代、こういうことを日本にいる友人に話すと、
 
「ヨーロッパっていいよね。私も住んでみたいな」
 
と必ずコメントされていた。え? なら住めばいいじゃん、と答えると、ほぼ
 
「私には無理。あなただからできるのよ」
 
という返事。
 
無理じゃないよ。私にもできたんだから誰だってできる。
みんなさ、理想の人探しのためにはいろいろ努力して女子力磨いたり、空気読んだり、ほんとの自分出さずに我慢したりするけど、そんなに頑張ったって、王子様って見つかんないじゃん。
それより、自分の理想の居場所を探すほうが人生にとってずっと意味のあることだし、「自分が自分らしくいられる環境」に連れて行けるのは、他人じゃなくて自分しかいないんだよ。
それに、自分の居場所にいれば、ふつうにしててもモテるから理想の人も見つかって一石二鳥!
 
私の場合は、それがロンドンという寄り道を経て、たまたまドイツだったのだが、人によってはアフリカかもしれないし、隣の町かもしれないし、別の職場・仕事かもしれないし、親や彼氏・彼女から離れることかもしれないし、別の家族かもしれない! どこかはわからないけど、誰にでも自分が本来いるべき場所が必ずある。
 
もし、あなたが陸に上がった魚のように、今の環境で息苦しさを感じているのだったら、さっさと居場所探しの旅をしよう。今すぐというわけにはいかないなら、今はその準備をすればいい。
今の場所を離れて自分の居場所を探すことは、わがままでも何でもない。魚は陸にいるべきではないのだ。魚がそもそも場違いな陸にいるのに、陸になじめないからといって自分を責めたり周りが責めたりしても、それはおかしな話でしかない……。本来いるべき川や海に戻りなさい、そっちの方があなたらしく生きられるから、と言いたくなるでしょう?
 
それは私たちも同じこと。それぞれの本来の居場所を見つけるともっと生きやすくなる。だから「無理」だなんて言わずに、居場所探しの旅は絶対にしたほうがいい。
 
 
 
 
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2019-09-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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