メディアグランプリ

子どもの習い事は贅沢な遊びくらいに思っていた方がいい


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記事:鹿内智治(ライティング・ゼミ特講)
 
 
「早く宿題しなさい!」
「やだ! 先にこれ遊んでからにしたい!」
「そんなこと言って、またやらないつもりだろ!」
 
最近、妻と頭を悩ませているのが、子どもが塾の宿題しないことである。
結構イライラする。
宿題があるのを分かっているのに、遊びを先にやろうとしているのを見ると、「もう! また始まった!」なんてイライラしてつい怒ってしまう。
 
宿題が終わらなくて焦ってやっているのを見ると、「だから、早くやれって言ってんじゃん!」と余計腹が立つ。いくら怒っても、数日経つと焦ったことは忘れてしまうようである。
 
最近あまりに宿題をやらないので、宿題やらないこの子がおかしいのか、未就学なのに公文に通わせて宿題をさせている自分がおかしいのか、どっちが問題なのかよく分からなくなっていた。
 
そんなとき、内容を大きく違うが、他人事とは思えないニュースが飛び込んできた。
「中学受験をする息子を殺害した父親に実刑判決が確定」
というニュースである。
 
実刑判決が確定してから知ったのだが、被告は自分と同じ私立中高一貫校に合格させるため、日ごろから暴言を浴びせ、暴力も加え、刃物で脅してまで勉強をさせていた。犯行の数日前には、包丁でモモを刺していたそうである。
最後に胸を刺して殺してしまったという痛ましい事件である。
 
親として子どもを刺すなどとうてい理解できない。
普段一緒に遊んでいるときに子どもは最高の笑顔を見せてくれるし、仕事から帰ってきたから見る子どもの寝顔は幸せを感じさせてくれる。まるで天使のようだと本気で思う。
 
そんな子どもをどうして?
 
ただ、子どもが勉強しないことに苛立つ気持ちは分かってしまうのだ。
子どもに期待してしまう気持ちは分かる。
お金と時間をかけて、小さいうちから勉強をして良い学校に入れれば、そのあとは楽に進学できるかもしれない。
良い学校に入っておけば、その分良い教育が受けることができて、就職の幅が広がって子供どもやりたいと思ったことを実現しやすいかもしれない。
 
そう思うのは親には当然だと思うし、私もそう思う。
 
でも、そんなときは冷静になって、子どもの視点から考えてみる必要がある。
子供からしたら、正直言って、余計なお世話である。
 
親は必死になって、転ばぬ先の杖の使い方を覚えさそうと子どもに言う。
でも、転んだことのない子どもが、その杖をほしがることはほとんどない。
子どもからしたら、いらないし、だって転んだことないし、本当に必要かどうかも分からない。
勉強はやった方がいいのだろうなと思うかもしれないが、それが何に役立つは分からない。
親から押し付けられたものは、どうも好きになれないのが、子どもの本音だと思う。
 
痛ましいニュースを知って、改めて、習い事について考えてみた。
習い事はどれも子どものためと言いながら、親としての自分のためではないかと思うのである。
 
もしかすると、自分は勉強のできる子の親になりたいのかもしれない。
真っ当な人生を送る子どもの親になりたいのかもしれない。
 
子どものためと言ってやっている習い事はどれも、大半が親である自分が安心するためにやらせているかもしれないと思うのである。というか、それが事実だと思う。
 
うちでは、塾の他に、療育にも通っている。
そこでは、国語、算数、友達とのコミュニケーション、体育などを教わり、複数の先生から多角的にフィードバックをもらっている。
コミュニケーション力が高まり、自分の思いを伝える力が付いて、他のお友達とも遊べるようになって、たくさん褒めてもらって、子どもの教育に良いように思っていた。
 
でも、あきらかに、そのサービスでメリットを得ているのは、私だった。
子どもは何のためだかよく分からないけど、楽しいからとりあえずやってる。
親はそんな子どもの成長している姿を見て、先生たちから、優しいフィードバックをもらって安心する。「大丈夫だ。この子の将来は大丈夫だ」と子どもの将来に対する安心感を得るために通わせているのだ。
 
そういった安心感を得ることが悪いと言っているのではない。
そういったサービスを利用しているのは、「子どものため」ではなく、自分のためだと思うべきと言いたいのである。
 
「子どものため」を言ってやっていると、子どもは望まずに、親に認められたいと思って無理やりにでもやってしまう恐れがある。
それが過度になってしまった結果、あの痛ましい事件であり、同じ状況は実はどの家庭でも起こり得る恐れかもしれないのだ。
 
「子どものため」と言うのは実は危険な考え方だし、「子どものため」と思っていると余計に将来を心配に苛立つことが増えることと肝に銘じようと思う。
親としてイライラしない対処法して、「私が安心するために塾に通わせるのだ」と思うように気を付けよう。
 
 
 
 
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2019-09-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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