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メディアグランプリ

自分の言葉で、結果は変えられる


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:岩井聡史(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「岩井、お前だけ残れ」
高校に入り、陸上部に所属した初日の部活動。
初日の活動の終わり、先生に呼び出しを受けた。
僕は呼び出しを受けた理由に心当たりがあったから、背筋に汗が流れるのがわかった。
「お前、そんなんで速くなれると思ってるのか」
先生の言う「そんなん」とは、僕の練習中の発言だ。先輩と一緒に走ることになった僕は、少しおちゃらけたキャラを演じるため「ハンデとかもらえないんですか?」と言ってしまった。
僕の言葉は、インターハイを狙う強豪校にいる部員の言葉ではなかったし、周りの意識を低下させる言葉だった。
それからというもの、皆のやる気を落とすような言葉は部活中は絶対に使わないようにした。
やる気を失う言葉を使わないようにしたのは、先生に怒られたことによって、僕に強豪校の部員としての意識が目覚めたから、というわけではない。
ただでさえ速くない僕が先生に怒られて、完全にビビったからだ。
しかし、一回目の部活で怒られたことが印象的だったのか、僕は完全におちゃらけたキャラとして他の部員から扱われるようになった。
先生も僕をそういうキャラであるという認識でみるようになり、「岩井、もうバテたのか?」と聞いてくれるようになった。
もちろん、その質問は「まだ走れるだろ?」という答えを期待してだと僕にもわかった。
だから、僕もおちゃらけたキャラという自負があったので「こんなんでバテるわけがないです。まだまだ余裕です」と言った。
でも、そういうとき僕には余裕なんて1mmも残っていなかった。
練習が辛くて仕方ないので、顔は完全にバテた顔だったが、言葉だけ強はく先生に言い放った。
そうやって練習を続けていくと、僕にはある変化が起きた。
他の部員よりも明らかにタイムが伸びていったのだ。
そうして僕は3年の夏に4×400mリレーでリレーのメンバーに選ばれ、県大会、地方大会、そしてインターハイへと勝ち進んだ。
同学年の部員数が男女合わせて20名、僕が3年だった頃部員数が70名近くだった部活のなかでの抜擢は本当にうれしかった。
それも、入部したときは最も遅い部員の一人で、入部初日に怒られた自分が選ばれたと思うと余計感慨深かった。
もちろん、僕のタイムが伸びたのは、先生や部員の皆、そしてあらゆる面で支えてくれた家族の存在が大きい。
けれども、何が僕を大きく変えてくれたのかを考えると、それは自分の言葉だった。
どんなにキツい練習でも先生に「まだ走れます」と言い続けた。
どんなにバテていても先生に「まだバテていません」と言い続けた。
どんなに足に乳酸がたまっていても先生に「まだ足は動きます」と言い続けた。
僕は本心から言い続けたわけではなかった。
僕の言葉は、ただの意地だったし、から元気だったし、本心は休みたいと思っての言葉だった。
それでも一度僕の口から出た言葉は、僕の耳に入ってきて、まだ走れるという暗示を僕に与えていた。
その暗示が僕を言葉通りに突き動かした。
もちろん、言葉を口に出すことは、周りへの意思表明にもなるので覚悟を決めることにもつながる。
成功するには環境が重要である、ということが書かれた自己啓発書やビジネス書を見かけたことがある人は多いだろう。その言葉には、大なり小なり、皆も共感する言葉だと思う。
僕も高校のときは、熱心な先生、一緒に辛い練習を乗り越えてきた仲間、生活面からサポートしてくれた家族という環境に恵まれていたからこそ、インターハイまで辿り着いた。
でも、環境は自分の外部のものだ。
だからこそ、環境を自分の思い通りに変えることは難しい。
簡単に変えられる環境があるとすれば、それは自分の言葉だろう。自分が言葉を発すれば、それは口から出て、耳に入ってくる。つまり自分が発した言葉は一瞬ではあるが、外部のもの、環境となるのだ。
「まだ走れます」と自分で言えば、その言葉は外部から耳に入ってきて、自分はまだ走れるのだと自分に暗示をかける。
「まだバテていません」と自分で言えば、そのその言葉は外部から耳に入ってきて、自分はまだバテていないのだと自分に暗示をかける。
「まだ足は動きます」と自分で言えば、その言葉は外部から耳に入ってきて、自分の足はまだ動くのだと自分に暗示をかける。
そうやって自分が言葉を発し続け、自分の環境を形作り続ければ、結果は出る。
簡単ではあるが、言い続ける根気と自分に対する覚悟が必要になる。
それでも、どうにかして環境を変えたい人は、ぜひ実践し続けてみてほしい。
 
 
 
 
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2019-09-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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