スローフードな整体がいい
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記事：なりたいもん（ライティング・ゼミ平日コース）
一人ごはんや忙しいときは、「ファストフード」店で済ませてしまいます。
ファストフードはまさに短時間でできる料理という意味なので、店に入ってオーダーするとすぐに食べられます。
これとは別に「スローフード」というのがあります。食材の吟味も含めて、ゆっくりじっくり作られる料理だそうです。
美味しいものを食べたいとき、味だけでなく食事を楽しみたいときは、「スローフード」店に行きます。
ファストフードやスローフードがある料理店と健康産業は似ているなと思いました。
健康産業とは、医療行為ではなく健康管理や健康促進などを目的とする財・サービスを提供する産業こと。例えば、指圧、マッサージ、整体などの民間療法や、健康食品や健康機器の製造・販売、健康相談サービスなどです。
なお、整骨院や鍼灸院は治療院なので健康産業ではないのですが、保険治療外の民間療法を取り入れているお店は健康産業とも言えます。
健康産業が料理店と似ていると思ったのは、例えば中華料理店がメニューや料金、店舗の造りによって、ファストフード店や庶民的なラーメン屋、そして高級店といった棲み分けされているように、健康産業店も棲み分けされていると思うからです。
まずは立地。
従来の整骨院などは住宅地に多かったのですが、最近の健康産業は駅前、商店街、繁華街に出店するところが多くなりました。ファストフード店や料理店と同じような立地です。
次に、時間と料金。
リラクゼーションサロンや整体院は10分当たり千円の店が多く、この値段が標準価格のように認識されていて、庶民的な料理店のイメージ。しかし最近では、その半額くらいの店があり、こちらはファストフード店のイメージになります。
他に、1回1万円以上や10分2千円以上のリラクゼーションやヒーリングサロン、整体院もあります。こちらは高級感やプライベート感のある店舗や、特別な療法や施術効果をうたった店に多く、店舗や施術を吟味しているスローフード店のイメージです。
店の選び方も料理店と似ています。
日常的なのか特別な席なのか、立地、料金、メニュー、そしてクチコミなどの評価・評判で選びます。でも、料理店と違うところがあります。
それは、メニューです。
料理の場合、和食、洋食、中華など食べたいもので選びます。健康産業店の場合は、施術で選びます。しかし、施術には色んな療法や手法があるので、名前を見ただけでは内容が分かりにくいので、施術後の期待される効果で選ぶことになります。
棲み分けされているということは、期待される効果も分かれているということです。
治療院には「治る」こと、リラクゼーションサロンには「リラックス」、ヒーリングサロンには「癒し」、そして整体院には「改善・緩和」となります。
治療院の「治る」こととは、病気や怪我がよくなって、もとの健康な状態に戻ることです。病気や怪我に対する処置だから保険適用になるのです。
整体院の「改善」とは良い方に改めること。「緩和」とは辛い・厳しい状態を和らげたり緩めたりこと。言葉の通りに考えれば、施術を受けた時に痛みが和らいだり、コリがほぐれたり、ゆがみがなくなったりすれば良いということです。
料理店とは違い、目的とする効果を得ることが店選びのポイントになります。
私が以前、腰痛が酷くて歩けなくなった時に受けたのが、整形外科、そして「治る」を目的とした整骨院です。整骨院は、短時間で保険適用料金というファストフード感覚で、週に2回くらい通いました。
しかし治らなかったので、民間療法の整体院に行きました。ここでは、しっかりカウンセリングして施術してもらい、日常生活で気をつけることやストレッチなどで「辛くならないようにする」ことの大切さを教えてもらいました。まさに、スローフード店のような整体院でした。
これがきっかけで、「リラックス」でも、「癒し」でも、一時的な「改善・緩和」でもない、「辛い症状が楽になる」「辛くならないようにする」整体があることを知りました。
健康ブームや高齢化に伴って、健康産業は拡大しています。
リラクゼーションや民間療法を取り入れる整骨院も驚くほど増えて、棲み分けがあいまいになっているように思います。
痛みやコリなどが生じたて辛くなった時に、ファストフード感覚で、手軽に施術を受けられるようになるのは良いことだと思います。
でも私は、「辛い症状が楽になる」「辛くならないようにする」スローフードのような整体院も必要だなと思います。
病気や事故による怪我だけでなく、仕事や家事、育児や介護などでも身体がゆがんでしまって、痛み・こり・しびれなどが生じたりします。また、疲れが溜まったり、加齢により思うように動けなくなったりします。
私はそういう方たちが「辛い症状を楽にして、元気な自分を取り戻したい」「辛い症状にならないようにしたい」を叶えられるスローフードな整体を目指します。
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