メディアグランプリ

違和感の正体がわかりました。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【10月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:水野雅浩(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「違和感の正体がわかりました」
 
入社半年になる新卒たちに健康マネジメント研修を行ってきた時のことだ。ある受講者のアンケートにこんな一文から始まる感想文が書かれていた。
 
私は、健康マネジメスクールの代表として、企業、行政、大学などでビジネスマン向けに仕事のパフォーマンスを上げる健康習慣の講師をしている。今までは経営者や管理職がメインだったが、近年では新卒向けの健康マネジメント研修の依頼が増えてきている。
 
新卒向け健康マネジメント研修が増えている背景には理由がある。主な理由は、少子高齢化だ。現在は高齢化が進み、2025年には労働人口の中央値が50歳になると言われている。若手の採用が難しくなっている。この貴重な人材を大切に育てていかなくてはならない。ビジネス研修に加えて、健康マネジメントの研修が加わったという訳だ。
 
そもそも、なぜ、健康マネジメントが仕事の成果を高めることに、つながるのだろうか?
 
仮に、「高い仕事の仕事の成果は『心・技・体』によって支えられている」 とすると、かつての私は「心」「技」にばかり重きを置いてきた、典型的な日本のサラリーマンだった。
 
「心」つまり、志、モチベーション、気合、根性などだ。心を掻き立てるような成功哲学の類の本も貪るように読んでいた。次に、「技」。 資格を取得したり、MBAの学校に通ったり、いわゆるスキルを磨くことは一生懸命だった。
 
しかし、心・技と同じような熱量で土台となる「体」、つまり健康に気を使ってきたかといえば、全くそんなことはなかった。特に、新卒の20、30代は親からもらった健康に頼り切っていた。毎日、朝は糖質まみれの菓子パンで済ませていたし、昼は背油たっぷりの豚骨ラーメン、夜は21時頃にテイクアウトの牛丼がルーティンだった。飲み物はコカ・コーラが基本だったが、なんの疑問に思わなかった。週末のあるかないかの休みは疲れすぎて、運動をしたことなどなかった。
 
今思うと、当時の毛細血管は糖質と脂質がこびり付き、枯れた葉っぱの葉脈のようにカチカチになっていたはずだ。もし、あの生活習慣を40代でも継続していたら仕事のパフォーマンスが下がるだけではなく、脳や心臓に疾患を患っていただろう。
 
だからこそ、新卒向けの健康マネジメント研修では、親からもらった健康という資本を消費していくのではなく、健康資本を元手にお金と時間を投資していこうという考え方を伝えている。
 
例えば、お金と時間を5%健康に投資すると仮定してみよう。
計算しやすいように、仮に手取りが20万円とする。20万円の5%は1万円だ。
1万円を健康に投資するとしたらどんな健康投資ができるだろうか?
 
私が実践しているのはこんな投資だ。
朝、コンビニで150円のトマトジュースを購入。
昼、定食のランチに100円をプラスして、ほうれん草のおひたしを追加。
夜、晩御飯に、50円の納豆を追加。
1日合計300円の健康投資だ。
 
これを31日実践したら、9,300円。
1万円以内に収まる。
 
“You are what you are”という格言がある。「あなたは自分が食べたもので出来ている」 という意味だ。食べるものが変わると肌は艶を取り戻し、疲れにくくなる。体は古い殻を脱ぎ捨てるように劇的に変化していくそんな体験ができるだろう。
 
時間も24時間の内5%投資をしたらどうだろうか。
24時間の5%はざっくり60分だ。
 
60分をフルに使うことができなくても、分割することは可能だ。
朝20分、日光を浴びながら、ウォーキングをしてみる。
夜20分、ゆっくり肩まで湯船につかってみる。
寝る前20分、TVを見ながらできる範囲でストレッチをする。
 
睡眠の質が高まり、翌朝はエネルギーに満ちて一日を迎えることができるはずだ。
 
健康への「投資」をしたら、「回収」がセットだ。
回収の基準はたった一つ。
風邪を引かないという事。
 
それは、春、夏、秋、冬の四季を通して、風邪を引かないという事。
また、北海道に出張で、翌日に沖縄だろうが風邪を引かない、という事。
 
つまり、年間通して、高く安定した免疫力をキープするという事。
これは、そのまま、仕事のパフォーマンス高く安定してキープすることにつながる。
 
「測れないものはマネジメントできない」
経営学者のピーター・ドラッカー氏が唱えた言葉である。
 
5%の時間とお金の健康投資をして、1年間風邪を引かないという結果を回収しよう。そして、もし、それでも体調を崩してしまったら、投資を10%に調整しよう。これこそが、仕事のパフォーマンスを上げ、人生100年時代を生きる健康マネジメントの考え方だ。
 
「違和感の正体がわかりました」
という新卒のアンケートはここに結びついてくる。
 
彼の上司はドラッカーよろしく「KPIをチェックしろ」「PDCAを回せ」と連呼する。しかし、その上司は太っていて、よく風邪を引くのだという。
 
「違和感の正体」は、上司の仕事はマネジメントするが、健康はマネジメントしない、という「一貫性のなさ」から来ていた。
 
私同様、40代の上司は、「24時間働けますか?」というCMに心を燃やして育った世代だ。「私定時で帰ります」というドラマに共感する20代とは価値観が明らかに異なる。
 
確かに、価値観は変わったが、説得力を持つものはいつも変わらない。
それは、一貫性だ。
 
部下は、上司の背中を見ている。
 
さあ、40代、50代の管理職は、ベルトの上に乗ったお腹にそっと手を当て、健康マネジメントを決意しよう。今日から始める5%投資は仕事のパフォーマンスを高めるだけでなく、企業の未来を担う新卒たちの行動変容にもつながるはずだ。
 
 
 
 
***
 
 
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 
http://tenro-in.com/zemi/97290
 

天狼院書店「東京天狼院」 〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F 東京天狼院への行き方詳細はこちら

天狼院書店「福岡天狼院」 〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階

天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN 〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5

【天狼院書店へのお問い合わせ】

【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


2019-09-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事