メディアグランプリ

マーケティングは寄り添い力


 
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:slowman(ライティング・ゼミ『天狼院書塾』《現塾生公式グループ》)
 
「どうしたの、暗い顔して」
と取引先の奥さんが声をかけてくれた。
最近しっくりくる文章がかけない。本当は人を集められる文章が書ければいいのだけどなかなかそう上手くいかないと考えていたんです、と奥さんに言ったら
「そんなことないじゃないの。 この間書いてくれた求人の文章のおかげでお金をかけずに人を雇えたんだから」と励ましの言葉をかけてくれた。
 
そう、そんな実績がもっとたくさんあるなら多少胸を張ってでも言えるのだろうが、そんなに実績のない今
「私、ライターしているんです」とは言い難い。
ライターと名乗れなくてもいい。人を集める文章を書けるんです、人が読みたいと思う文章が書けるんです、と言えるようになれればとは思う。
しかし、そんな実績もないのにどうして
「私は、よい文章をかけるんです、お客さんも、求職者もあつまりますよ!」
なんて言えよう?
そこまで面の皮が厚ければもう少し商売も上手くいっているだろうに。
 
「今度さぁ、違う職種の人も入れたいのよ。 その職種の文章を書いてみるからさ、今度添削してよ」
落ち込んでいるように見えるのか、私を元気づけようとしてくれている奥さんの気遣いが余計に心に沁みた。
 
そもそも私は文章をなんで今書こうとしているのか? と言えば
一番の理由は、自分で起業しようとお客さんの取り込みをしていた時に、依頼があったのが求人募集の文章作成とプレスリリースの企画と文章作成であり、そこでフィーをもらうことができたので稼げたことをただ続けようとしているからだけである。
 
もともとはマーケティング関連のサービスを売ろうと思っていたのが、異業種交流会などで説明しても聞いてもらえる法人がいなかったときに、人材派遣会社から同じように人集めの求人をやってみない? と声掛けしてもらったのがはじまりだったのだが。
 
これも、人手不足が当たり前のようになって、多くの企業が広告出しても人が来ないと言っているところで「求人応募できますよ」と人材派遣会社から連絡があっても怪しまれるのがオチだった。今までしたことがないテレアポセールスまでして取り組んだが1件すらオーダーを取ることができなかった。
 
とは言えそこは企業である、個人事業主の私とは格が違う。私が上手く売り上げを取れないと分かると、知人のツテをたどって紹介セールスを始め、求人募集の説明から文章作成まで自分が担当することで30件近くは取り組めた。結果として、職種に左右されるが7割くらいからは反応が出たのだが、いろんな要素が絡む話であるので、自分の自信につなげられるまでには至っていなかった。
 
これもおかしな話だ。マーケティングで売れる仕組みを作りますよ、求人で募集者増やせますよ、と言いながら、自分の顧客集めができずに悩んでいるのだから。
そんなことをつらつら考えていた時に冒頭の取引先の奥さんからの言葉を聞いたのだった。
 
「もしかしたら、文章を書くとかマーケティングとかなんて、仕事にすべきではないのかもな」
と思い始めていたその時だった。
 
「今度一緒に求人の話を聞きに来てくれないか? 大きな案件につながるかもしれないんだ」
そう言いながら部屋に飛び込んでこられたのはこの取引先の社長である。言い換えるとこの取引先の奥さんの夫。
 
私は断る理由なんてないので二つ返事でOKした。
そこに訪問するのは来週の水曜日。
「どんな話になるのかはまだわからんのだが、求人に困っているという話はもう聞いているので、その時は話をしてほしいんだ」
 
当日、この社長と一緒に訪問して話を2時間ばかり聞いた。本当に求人に困っているようだった。しかし求人がかなり特殊なので果たして私が対応できるのか、と及び腰になってしまってと奥さんに言ったら
 
「何言ってるの。あなたが私たちに言ってくれたりしてくれたりしたことでウチの会社が好転しているでしょ。あなたができないわけないじゃないの」
と発破をかけてくれた。
 
有難い。そう思ったのだったが、ふと疑問が湧いた。
 
なぜ、奥さんは、なぜ、社長は、私を鼓舞して紹介しようとしてくれたのか?
文章がそんなに上手くもない、マーケティングの仕組みづくりも十分な提示をしていない私を?
 
「結果が出ればそれに越したことはないけれど、あなたは、ウチの社員でないのにずっと昼夜構わず寄り添って私たちの仕事をてつだってくれているでしょう。 そんなあなたに合う仕事が当社に来たのに、どうしてあなたに紹介しないままにできるの?」
奥さんのまなざしが真剣だった。
 
そんなつもりではなかった。ただ、多少でも力添えになればと思っていたくらいだったが、そんな風に思ってもらえていたことが何よりも嬉しかった。
 
もう退路を断とう。
せっかく前進できる道筋を広げてくれた奥さんと社長の恩に報いるためにも。
 
文章が上手く書けない、マーケティングの実績が、というのがあまり関係のない会社もあるようだ。寄り添える力、とでも言うべきなのか分からない。そして、私に備わっているのかもわからない、が、相手のことを思う気持ちに勝るテクニックや実績は存在しないのかも知れない。
 
次の面談で話が決まる。その日を手帳に書き込んだ。
 
 
 
 
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2019-09-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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