メディアグランプリ

ブルーベリーソーダーはホットジンジャーエールを期待させる


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:いわちゃん@理系エンジニア(ライティング・ゼミ特講)
 
 
僕は博多にあるお洒落なカフェにいる。
 
田舎育ちの僕にとって、おしゃれなカフェの呪文のようなメニューは鬼門だ。いつだったか、僕はコーヒーを飲みたくて、エスプレッソを注文した。店員が、小さいですけどいいですか? と聞いてくる。僕は頭に?が浮かぶも注文した。そして出てきたのは、とっても小さいカップに苦い飲み物が入って出てきたのだ。きっと可愛い店員さんはこいつ分かっていないのだろうな、と思って親切に声をかけてくれたに違いがない。
 
僕にとってカフェのメニューの注文は鬼門なのだ。
 
そのわりにはついつい頼んだことがないものを頼みたくなる。男というのは変なところで冒険したくなるのだ。
 
僕はカフェに入ってメニューを見ているとあるものが目に入った。それはブルーベリーソーダーという飲み物だ。これは初耳だ。はて、どんな飲み物だろう? と思うも名前からしてブルーベリーとソーダーの組み合わせだと想像がつく。
 
ちょうど暑くてお店に入ったこともあり、いつもはジンジャーエール、もしくはアイスコーヒーというところを、このブルーベリーソーダーなるものを注文してみた。
 
そして、僕は席に座ってまっていると、想像を180度裏切るものが出てきたのだ。それは、ホット用の紙コップに入った飲み物。そして、ホット用の蓋がかぶさっている。中身は分からない。そして、一緒に出されたのが白い陶器の小さな小皿。店員さんが一言説明あったが、僕の頭はこれは何だ? と店員さんの声は耳に届かなった。
 
僕は瞬時に判断した。
ブルーベリーソーダーというのはホットの飲み物で、おそらく、皮つきのブルーベリーがこの蓋の中に入っている、そして、その革をこの小皿に出しなさい、ということなのだと。
 
判断した割には、頭に?が浮かぶ。確かに、ホットジンジャーエールなるものもある。僕は居酒屋でジンジャーエールを頼むとき、ホットのジンジャーエールが出来ないか? と聞くこともある。作り方によっては炭酸が抜けることもあるが、ホットのジンジャーエールは美味しい。裏メニューとして、ホットジンジャーエールを出してくれるお店は良い店だ。料理も美味しい。だってこの美味しさが分かる店員さんがいるお店だから。だから、僕は、ブルーベリーソーダーのホットなるものにも抵抗がなかった。
 
凄い、ここのカフェはホットでブルーベリーソーダーを出すのか。
さすが、都会のカフェは違うぞ。僕は改めて自分を田舎者だと感じた。
 
僕は心躍りながら、蓋を少しだけ開けてみる。部屋が薄暗いから良く中が見えない。だが心なしか緑色に見える。そして、そこにはティーパックのような白い袋がプカプカと浮かんでいた。僕はすぐに蓋を閉めた。見てはいけないものを見てしまった気がした。
 
え? これは何?
 
こんなティーパックが浮かぶソーダー、もしくは炭酸ジュースは飲んだことがないぞ。
 
あ、そうか。
もしかしてティーパックの中にブルーベリーの元が入っているのかな?
そうかこの小皿はブルーベリーのティーバックを出しなさい、ということか。
 
でも、緑色なのはなぜだ?
 
僕は蓋が閉まったコップを目の前に、コップと睨めっこをしていた。
 
この飲み物はどうやって飲むのが正解なんだ?
 
これだから都会のカフェは得意ではないのだ。平気で飲み方が分からない飲み物を出してくる。
 
本当は好きなように飲めばいいのに、ついつい正しい飲み方、正解の飲み方を求めてしまっている僕がいる。
 
しかし、それは杞憂に終わったのだ。
とても簡単だった。
 
僕の目の前の人に店員さんが、ブルーベリーソーダーです、と言って運んでいったのだ。
その目の前の人は、あれ? 頼んでいないよ。それはそうだろう。だって、頼んだのは僕なのだから。
 
どうやら僕の目の前にあった飲み物は、僕の目の前に座っていた人が注文した緑茶だったらしい。ここでも僕は衝撃を受けた。小皿付きの緑茶を見たのは初めてだからだ。
 
そして、僕の目の前に運ばれてきたブルーベリーソーダー。
 
これも期待を裏切ってくれた。
なんと、ソーダーの中に、ブルーベリーと果肉が入っているのだ。ソーダーが甘い。だんだんとブルーベリーと果肉の味がソーダーの中に染み込んでいく感じがある。
時間がたつと炭酸が抜ける感じはあるが、甘みが増す感じがあるのだ。
 
僕は思った。これで420円は安いぞ、と。
 
きっと僕が今まで飲んだ420円の飲み物の中ではきっとコスパがいい。
最後まで飲み干すと、氷とブルーベリーと果肉が残った。
 
ストローが普通のストローなので、これらは最近はやりのタピオカドリンクみたいにストローで飲み干すことが出来ない。
僕はコーヒーの混ぜ棒を使って、すくい上げながら最後の1つまで美味しく頂いた。
 
きっと僕はまた同じものを注文するだろう。
それほどまでに僕がしる400円台の飲み物でここまで、ここまで見た目も楽しませてくれて、味も楽しませてくれる飲み物はそうそうない。
 
そして、これは僕がいつも通りにアイスコーヒーやジンジャーエールを頼んでいたら、この体験は出来なかった。いつもと違う選択をしてみることでこの体験が生まれたのだ。
日常とちょっと違う選択をしてみること。すると、人生が楽しくなるちょっとしたヒントが生まれるものだ。
 
日常とちょっと違う選択をするコツは簡単だ。
それは自分の感覚を大事にすること。ちょっと気になるなー、というちょっとした違和感を大切にしてみること。
 
日頃のちょっとした違和感を大切にしながら、選択しを豊かに増やしながら、ちょっと勇気を出して行動するとき、きっと毎日がより楽しいものになるに違いない。
そして、420円のコスパでこのブルーベリーソーダーを提供できるお店なのだ。ぜひ、今度はホットジンジャーエールなるものに挑戦してもらいたい。これからの寒い季節、ホットとジンジャーは身体を温めるいい組み合わせになるに違いない。きっと密かな隠れファンが増えること間違いなしだ。
 
 
 
 
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2019-10-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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