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こうして、虜になりました

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【10月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:小田桐紗矢香(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
この度、お掃除代行サービスの定期契約をいたしました。
 
「家の掃除なんてやろうと思えば自分でできるし、わざわざお金を出して人に頼むなんて意味がわからない」
ちょっと前までそんな風に考えていた、この私が。
 
そもそも家事代行サービスを利用して”家事を外注”することが、自分にとっては主婦失格というか、敗北宣言をしているみたいで抵抗があったし
「我が家のような一般家庭には家事代行サービスなんて贅沢なもの。無縁です」なんて確固たる信念を持っていた。
 
共働きでも、小さな子供が居ても、「家事はしっかりこなしたい派」だったにも関わらず、お掃除代行サービスに興味を持ったのほんの些細なきっかけだった。
 
私は、毎朝4時に起きて1日分の家族の食事をまとめてつくっている。
まだ日も登らぬ薄暗い時間に一人でキッチンに立ち、眠い目をこすって料理を始めようとするのだが、まず、目に入ってくるのはあまり清潔とは言えないキッチン。
シンクの水垢や作業台の汚れ、コンロや壁の油跳ね、床に落ちた野菜くず。
毎日掃除できたらなんてことなくても、ちょっと放っておくだけで“手を煩わす困ったヤツ”になっている、かつての調理の残像たち。
目につくたびにうんざりする。
放っておいても他に掃除をする人はわが家にはいないわけで、結果、数週間に1度は私が掃除をするしかなかった。
そんなものだと思っていた。
 
けれど、あるとき
 
「あのう、これ、ストレスなんですけど 」
 
という心のつぶやきが聞こえた。
 
え?
思わず胸に手を当てて心の声に耳を澄ます。
 
「掃除は、自分でもできる。
できるんだけど、やりたくない。
<汚れが目に付くこと>と<そもそも毎日なかなか掃除できないこと>
これ、かなりのストレス感じてるよね、私? 」
 
ええ、そうです。ぶっちゃけ面倒です。
 
その気持ちに一度気づいてしまったら、もう気づかないふりができなくなってしまった。
 
とにかく毎日キッチンに立つのが嫌。
汚れたキッチンを見るのが嫌。
それを自分で掃除するのは、もっと嫌!!
 
こうして本音と向き合い初めて「お掃除代行」という選択肢が浮かんできた。
 
周囲に話を聞いてみると、予想に反してお掃除代行サービスを利用している人は多かった。
また、ある家事代行サービスに登録してみたところ、常に予約でいっぱいで希望の日程でのスタッフさんとのマッチングができなかった。
なるほど、私が思っていたより、家事代行サービスって需要があるんだ。
なんだか、これまで「家事は自分で!」と抱えていたのがどうでもよくなってきたぞ。
 
そんなとき、会社の同僚の知り合いで、個人で家事代行のお仕事をしているYさんとお会いする機会があった。
Yさんはとても気さくな方で、我が家の状況について相談すると
「一度お試しで伺いましょうか?」
と言ってくれた。
 
それならばと思い切ってYさんに依頼することに決め、とんとん拍子に初回の日程が決まり、いよいよ初めて来ていただくという日になった。
 
Yさんをお迎えするにあたり、さすがにありのままの我が家をお見せするのは気が引け、事前に片づけと多少の掃除をしておくつもりだった。
けれども、私のうっかりにより、事前の片づけも掃除もできないままYさんが我が家に入ってくることになってしまう。
この惨状をそのままお見せするなんて……と躊躇しつつも、どうしようもないので覚悟を決めて玄関でYさんをお迎えする。
「本当に散らかっててお見苦しいんですけど……」
「大丈夫、色んなお宅見てますから」
 
うわ、お掃除代行ビギナーにこれ以上心強い言葉があるだろうか。
 
あとはお掃除をしてほしい箇所と、掃除道具の場所をざっくり伝えると
「わかりました! 」
と言ってすぐさま作業に取り掛かってくれた。
 
家族じゃない人がわが家を掃除してくれているという状況に、なんとなく落ち着かなくて
作業中のYさんに色々話しかけたりしてしまったけど
「ゆっくりしててくださいね~」
と黙々と手を動かしてくれた。
 
排水溝の掃除なんかも
「汚れててすいません!!! 」と罪悪感でいっぱいの私に
「仕事ですから」
と笑顔で答えるYさん。
 
なんだこの安心感。
 
Yさんは、炊飯器の横に落ちているカピカピになった米粒をふき取り、照明にこびりついた埃を落とし、冷蔵庫を拭き、部屋中を移動しながら落ちているごみを拾って捨て、ついでに洗濯物を畳んでくれた。
それ、そのままにしてはいけないとわかっちゃいたけど、いつしか日常風景になってしまってたやつ。
 
流れるような動作にすっかり魅了され、迷うことなくその場で次の予約をした。
 
次に来ていただいたのはたまたま我が家が旅行中の日程で、
旅行から帰宅するなり、家の中の空気が違うことに驚いた。
部屋が片付いていることやあちこち綺麗になっていることはもちろん
大げさでなく、お掃除してもらった箇所全体から清々しいオーラを感じたのだ。
 
その次は、家族全員が在宅の日。Yさんに作業をすすめていただいている間に
家族で人生ゲームを3ターンも楽しめた。
これって、すごく有意義な時間の使い方なんじゃ?
 
それにキッチンや部屋が汚れていても、次のお掃除の日まで放っておける解放感といったら。
 
「どうしよう、この感覚、やみつきかも」
 
かくして私の生活からお掃除代行サービスは欠かせないものになった。
 
もちろん毎回コストはかかるわけだから、そこがネックと言えばネックだけれど
スマホの便利さを体感してしまったら二度とガラケーには戻れないように
お掃除代行ライフは、わが家にとって、いや私のストレス削減にとって最大のソリューションとなったのである。
 
 
 
 
***
 
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2019-10-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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