40代にはちょこっとマラソン
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:つちやなおこ(ライティング・ゼミ日曜コース)
「はー! 爽快!」
高校以降、運動らしきものをしていなかった私が、最近ちょこっとマラソンにはまっている。どこと道を決めることなく、家の周りの住宅街から鴨川から御所まわりまで、様々な道を走って疲れたら戻る。あまりに疲れすぎたら帰りはバスを使ったりもする。いつでも走れるよう、最近は常にスニーカーだ。そして気がむけば、歩くのではなく、ゆるくゆるく、走り出す。
現在、40代、人生の折返し地点だ。
子育ても少し落ち着いてペースをつかみ、自分の時間もできてきた。仕事ももう15年ともなれば要領よく進む。
30代はとにかく周りのことに時間を取られていた。子どもだったり、仕事だったり、周りの走りに伴走しながらだんだんペースをあげてきて、そこにふっと訪れる中継点の今。さて、とまわりを見回し、自分の人生の後半を考えて、少し立ち止まっている。一旦立ち止まって水をのみながら、これからどのペースでどの道を走るのか考える時期にきているのだろう。
「どのペースでこれから走ろうかな?」
これまでのように週4で働く? それともこれからを考えてフルタイム? ゆっくり考えるために一度くらい主婦をしてみる?
「どの道を走ろうかな?」
このままでいく? がらっと変えてみようかな? 好きなことが仕事になったらいいな。
「で、そもそも、今、どのマラソン大会に参加しているんだっけ?」
めざすゴールはどこなのか? 現在地不明だ。
自分がこれからどうしたいのか?
他に合わせた生活を送ってきて、こんな当たり前のことが、はっきりせず、今、もがき中だ。40代に限らず、そんな人も多いのではないだろうか。
そんな中で、とにかくちょこっと走りだし、現在進行形で見えてきたものがある。
この1年、ほぼ3ヶ月単位でいろんな講座を受講してみている。心理学だったり、ピラティスだったり、大学の講義だったり、そしてライティングゼミもその一つだ。
どの講座に参加していても共通しているのは、とにかく何かこれというものに集中的に打ち込んでみると、何かふっと状況が前に進むことがあるいうこと。そして、全く違うことをしている方が、意外と自分の本質的なことに気付くことがある。
もちろん新しいことを知るのはおもしろい。でもそれだけではなく、参加してみると必ず人との出会いがある。その人たちの未知の世界を見て、いくつかしかなかった選択肢が少しずつ増えていく。それが楽しい。
たとえば今取り組んでいるライティングゼミ、自分の課題に取り組む中で自分の思いもしなかった考えに気づく。投稿されるたった2000字で読者メリットのあるコンテンツにしようと考え抜かれた記事を読むと、新しい価値観に気づき、とてもお得だ。さらに、著者のFBをのぞかせてもらったら、様々な職種の方がいてどのような活動されているのか知ることもできる。今、一緒に書いている人たちが、より心地よい居場所を求めて、結構、転職されていることにも驚いた。もう今は終身雇用の時代ではないということ、お恥ずかしながら、初めて実感した。何よりそこで生き生きと活動されている様子をみて、これからに希望をもらっている。気持ちが上がり、じわーっと効いてきているのを感じている。
それは最近はまっているちょこっとマラソンに似ている。周りの風景を見まわしながら、知っている道、知らない道をこれまでにないペースで走ることで、見て、出会って、爽快で、発見がたくさんある。
もしかしたらコースを間違い、他の道に迷い込んでいるかもしれない。でも、そもそも、どこで折り返すのか、いつも明確に決めていない。それなら行けるとこまで自由な道でいってしまい、家にたどり着いた時の爽快感。嫌なことも忘れてすっきり! 爽快だ。
まだ若い頃、ゴールはとにかく何ものかになることだった。そのための最短の道筋があって、そこへ向かって努力し、その何ものかになることだと思っていた。
でも、この歳になってまわりを見回してみると、何ものかになった人がすべて同じ道を歩んで来ているわけではないことがわかってくる。むしろ、ちょっと変わった道を歩んだからこそ、個性輝く何ものかになっていることも多い。そう、決まった道なんて実はないのだ。
何ものかになるということは、自分オリジナルの道を作ることなのかもしれない。
40代の今なら、そう思う。
私達は日々に追われながらも、その中でその人らしい小さな決断をしている。何かをすれば、必ずその人らしさが現れ、進む道はどれもオリジナルだ。景色に癒されながら、どこかへがむしゃらに走っていれば、その軌跡がオリジナルの道となって何ものかになっていくのかもしれない。そこがまた居心地が悪いと思えば、違う道を走ればいいのだ。
1年前は、自分の立ち位置もわからず、とにかく周りに遅れをとっているようで、早く答えを見つけなくてはと焦っていた。でも、いきなりフルマラソンは走れなかった。じゃあとちょこっとマラソンのように、ちょっとずつ前に進みだした。決まりのない、そして自分に心地よいオリジナルな道をゆるやかに走る。ゴールがその走っている道自体をつくることだとすれば、何をしてもEverything is OK だ。そうやって走り続けていれば、いつかフルマラソンにエントリーできる日がくるかもしれない。そんな日がくることを楽しみにしながら、日々、ちょっとずつ距離を伸ばしていこう。
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