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メディアグランプリ

告白は大人になるための通過儀礼である。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:滝波俊平(ライティング・ゼミ特講)
 
 
僕の大好きなマンガは、こんなナレーションから物語がスタートする。
「人を好きになり、結ばれる。それはとても素晴らしいことだと誰もが言う。だが、それは間違いである!! 恋愛は戦!~中略~ 好きになったほうが負けなのである!!」
 
「かぐや様は告らせたい」というタイトルのこのマンガは、上のナレーションから想像できるように、男女関係においては告白した方が負けである、という価値観を持った主人公たちが相手に告白させようと全力を尽くす、というところから物語が始まる。
 
昔の僕もこのマンガのナレーションのような考えを持っていた。
「告白をしたら、相手に自分の好意が明確なことばで伝わってしまったら、自分の立場が弱くなるだけじゃないか。そんなことできない(というか相手が自分に好意を持ってなかったとき地獄みたいなことが起こるだけ……)」
でも、それは浅い考えだった。
その浅さに気づくきっかけは、ずっと気になっていた人に人生で初めての告白をすることになったことだった。
 
僕は今、大学3年生だ。
1年前に考えに考えた末、元いた関西の大学から、関東の今いる大学に編入することに決めた。他のすごい人達と比べてしまえばあまり大したことはないのかも知れないけど、まぎれもなく、自分の人生の中では一番大きな選択だった。
知り合いもほとんどいない。何が起きるかも分からない。望んだことに近づけるのかすら分からない。その土地のこともほとんど知らない。そんなないないづくしで決めたことだった。
いろんなことを考えたのだけど、どうしても整理できなかったことが何個かあって、その中の一つが同じ大学にいた、一人の女の子のことだった。その子とは、高校も同じで、大学も同じになったのは奇跡だった。
(狙ったわけではなく、たまたまそうなった)
その子は、人並みよりは可愛いんだけど、ほかの人に比べて特にきれいだとか可愛いとかではなかった。けど、よくわからないけどほかの人とは何か違う特別なものを持っていて、なんとなく気になるのだった。
そして、不思議なこともよくおこった。大学が一緒になったというのもそうだけど、大学に入ってから、ぼーっとそこら辺を歩いていたらなんかその子と遭遇するのだ。あまりにもその回数が多かったので、僕はストーカーとかサイコパスとか思われてるんじゃないか、とか心配になるくらいだった。
 
一度だけ、引っ越しの前に二人で食事をしたことがある。
このときに、いろいろな話をして、お互いが似たような境遇で育ってきたんだなと僕は感じた。育ってきた場所、読んできたもの、受けてきた教育。そんなところが面白いくらいに似ていた。たぶん、頻繁にエンカウントしていたのは、流れている時間のリズムとかペースがそっくりだったからなんだろう。
 
そのことに気づいてから、どうしようか本当に迷った。
 
向こうも同じことを思ってくれてるのだろうか。でも距離感もよくわからない。友達でもないし、ましてやお互いのことを~さんとか~くんで呼び合っているレベルだし。
 
でも、世の中にきれいとかかわいいとか思う人はたくさんいるけど、こんなに縁を感じる人はほかにいない。これは時間が解決してくれることじゃない。
 
引っ越し先で、ようやくそれを決めることができた僕は、もう遅いかも知れないけど、電話で告白することにした。
結果とかその内容はここには書かない。けれど、その告白後感とでもいうものはとても心地よいものだった。
今までの僕は、自分から告白なんて絶対しなかった。付き合う時も向こうから言ってくるのを待っていた。その結果、相手がどうにか興味を持ってくれないと文字通り話にさえならなかった。
今、そのことを思い出して思うのが、自分から告白するということには大人になるための要素が詰まっているということだ。
 
僕は、大人になるということは自立しているということだと思う。
 
そして自立に必要なのは、有名な7つの習慣でいうところの、はじめの3つの習慣を身に着けていることだ。
それは、「主体的である」「終わりを思い描くところから始める」「最優先事項を優先する」の3つだ。ここで改めて、告白するときに、何が起こっていたかを見てみると、
(1)相手が何かしてくれるのを待つのではなく、自分から好意を与えようとする。(=主体的である)
(2)”好きな相手と付き合う”という状態を理想像として思い描いている。(終わりを思い描くことから始める)
(3)この人以上の人はいないことを自覚して、リスクをとる。(=最優先事項を優先する)
そう、告白ができるということはもう立派に自立できているということだったのだ。
告白ができた僕は、引っ越し先で自分が望んだように生きようと日々励んでいる。いろんなことが怖くなくなってもきたし、面白そうなことにかたっぱしからチャレンジできるようになってきたし、苦手なことは今回はやめておこうと判断できるようにもなってきた。
僕は、告白を通して一歩大人に近づいたのだ。
そう、告白は大人になるための通過儀礼である。
 
 
 
 
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2019-10-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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