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キャンプで鍛える危機管理能力


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記事:松永 恵(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
今、キャンプがブームだ。
近年は『第2次キャンプブーム』と言われており、え、第1次があったの? とびっくりした。
そんなブームだったっけ、と置いてきぼりにされた感が否めない。
 
自分がキャンプっぽいことを始めたのは、1999年、初めて苗場スキー場で開催された『FUJI ROCK FESTIVAL’99』かと思う。
(フェスのキャンプはキャンプじゃない! という方もいるかもしれないので、キャンプっぽいこと、と事前に断っておく)
ご存知ない方にざっくり説明すると、フジロックは毎年夏に開催され、世界200組以上のアーティストが参加する、国内最大規模の音楽フェスティバルだ。
 
1999年当時、学生でもありもちろんお金もなく、チケット代、交通費で散財し、3日間の宿泊は必然としてキャンプサイトでのテント泊を選択した。
楽しかったフジロックの思い出は割愛するが、初のキャンプはサバイバルだった。
 
まずシュミレーション不足。
購入したばかりのテントを仲間たちと組み立て始めたが、当然組み立ての予行練習などしていない。素人が立てたテントは、強度も不安定で何回か崩壊した。
テントの立地に選んだ場所は、傾斜のキツイ坂の真ん中。テント内の荷物が全て足元に転がっていった。
全て事前に頭の中で組み立ての手順や立地場所の条件をシュミレーションしておけばよかった。
 
さらに、圧倒的に準備不足だった。
テントを支えるロープを固定するため、ペグという棒を固い地面に打ち込む必要がある。ペグという存在は知っていても、地面に打ち込むという想像が抜けていた私に、トンカチを持ってくるという考えはなかった。(地面が柔らかく、手で刺せばいいと思っていた)
ただの常識不足でもあるが、トンカチの必要性を痛感した。
 
そして知識不足。
テントの下に引くシートをグランドシート、という。
これは雨が降った時に底からの浸水を防いだり、地面からの湿気もシャットダウンしてくれる優れものだ。(テント本体の汚れや石による穴あきも防いでくれるよ!)
そんな優れたシートの存在など知らない。
雨が降ったので隙間からおもしろいほど雨の侵入を許した。地面からの湿気がダイレクトに伝わり、テントの床は横になると震えるほど冷たかった。
「そんなこと知らなかった」「そんなこと聞いていない」
後からいくらでも言えるが、それは自分が事前に調べて知ろうとしなかったからである。
 
失敗はあげればきりがない。完全にキャンプを、自然を舐めきっていた。
 
ここでやっと「危機管理能力」の話。
音楽フェスのキャンプなど本当のキャンプとはかけ離れているかもしれないが、山での体験は過酷で厳しかった。
想像力があれば、全て回避できたことばかりだった。
 
その時にぞっとした。
これが生死に関わることだったら、無知で愚かだった、などと言っていられるだろうか。
「そんなこと知らなかった」と誰かに文句を言えるだろうか。
自然に対し、危機管理能力が必要だったのではないだろうか。
 
今はインターネットがある。スマートフォンでその場でググれば、何でも調べられるし、無敵な気がする。
けれど事前に考えてシュミレーションしていれば、ある程度の行動は予想の範疇で乗り越えられる。知識として調べて知っていれば不足な事態にも備えられるし、準備をしっかりしていれば、忘れ物もなく慌てることもない。
キャンプで何回も失敗を繰り返すことで、この危機管理能力はどんどんブラッシュアップし、鍛えられていった。
 
色々な場面で、危機管理能力は生きてくる。なんとなく日常の場面にも応用できる。
 
社会人の皆さんにはお馴染み、「プレゼンテーション」、略してプレゼン。
営業先や取引先、社内や上司に対して理解や納得を得るために、だいたいは自分の企画やアイディアを、資料に落とし込んで発表するのことが多いと思う。
 
提案する資料を一人でプレゼンしてみることで、話す速度を掴み、限られた時間内で提案するシュミレーションをすることができる。
事前にデータを分析し、補足することで、資料をさらにブラッシュアップさせることができる。
資料やデータ準備、参加する人数の確認、会議室の予約、用意するイスの数など、準備を抜かりなく行うことで当日慌てずにすむ。
 
もし明日地震が来たら……。もしあの看板が今ここに落ちて来たら……。
私はいつの間にか、日々そんなことを考えるようになった。
シュミレーションし、知ること。備えること。それで少しは冷静に行動できるかもしれない。
 
私はキャンプから危機管理能力を学んだ。けれどキャンプ場で、山で、体験する朝日や星空は、ため息が出るほど美しい。
キャンプは大変だが、最高の体験ができる瞬間がある。
 
どうか皆さんも一度、自分の力でキャンプを体験してみてほしい。
気付いたら、危機管理能力が磨かれているかもしれない。
 
 
 
 

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2019-11-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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