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社会人に必要なコミュニケーション能力とは?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:鹿内智治(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「いつまで待たせてんだよ」
「ラテが冷めちゃうだろ」
 
コンビニのなかで、コーヒーを入れる機械の前に立ち、私はイライラしていた。
妻の分と自分の分のホットラテを入れるつもりだった。
1杯が入れ終わり、2杯目を入れようとした。
そのとき、「ビーーーー」という音がなったのだ。ミルクが切れたのである。
ちょっと待って。すでに1杯入れている。冷めてしまう。
「すぐにミルク入れますので」と店長があわてて交換作業を始める。
手際はあまりよくなくて、さらにイライラしていた。
「申し訳ないです。お待たせしちゃって」と言われば、「大丈夫です」とひとまず返す。
でも、待たされるのが苦手な私は、内心全くそう思っていない。
たった200円のラテごときに何をイラつくのと思われるかもしれないが、ラテはやっぱり温かいうちに飲みたいのである。
数分後、セッティングが終わってボタンのランプが付いた。
「申し訳ありませんでした」と店長の声を聞きながら、ボタンを押した。
ぼーっと待っていると、店長がやってきて声をかけてきた。
ちょっとくどいなと思っていると、「これどうぞ」と言って、あるものをくれたのだ。
チロルチョコ3つだった。
 
「え! いいんですか!」
 
得したと思った。思わずにやけてしまった。何より気づかいが嬉しかったのだ。
チロルチョコは1個20円。3つでもたった60円。
うちが3人家族なのを覚えていたのかもしれない。
嬉しい。いつの間にかイライラしていたことは忘れていた。
店長に好感を持つようになっていた。
たった60円で良い気分にさせられてしまったのだ。
この店長は、コミュニケーション能力が高いと思った。
コミュニケーション能力とは、相手の喜ばす力なのだと改めて思ったのである。
 
社会に出るといろいろな能力が大切だと言われる。
論理的思考、技術力、説得力などあるが、社会人を10年ほどやってきて、やっぱりコミュニケーション能力が大切だと思う。
 
会社の先輩にお客さんから絶大に信頼されている人がいる。
その人は、お客さんとの打ち合わせのときに、その能力を発揮する。
その人がやっていることは、どんなときもお客さんの立場になって発言をして、お客さんがうまく表現できないようなことも的確に言葉にして説明をする。
打合せの間は何度も「そうなんですよ」「そうそう」という共感の言葉をお客さんから引き出して、満足そうな笑顔も引き出している。
先輩がいるとお客さんは安心していて聞いていられるようで、あれこれ言わなくて助かるとよく言われる。それが信頼につながっているのだ。
この先輩もコミュニケーション能力が高いと思う。
 
自分の考えてることや言いたいことを分かってくれる人がいると思うと人は安心する。
安心させる力もコミュニケーション能力に通じるところがあると思う。
 
自分も安心感で選んでいることがある。
それは、美容師さんだ。
ここ数年、ずっと同じ美容師さんを指名している。
どうして同じ人を指名するかと言えば、言った通りの髪型にしてくれたり、カットが丁寧だったりすることもあるが、何よりも話していて安心するのである。
私の場合、人と会話をする場合、一方に話したり、一方に聞いたりするのは苦手で、お互い考えていることを交互に言い合うのが好きである。どんなことを考えている人か知りたいし、自分もどんなことを大切に思っているか伝えたいと思うタイプである。そんなこと一度も伝えたことはないのに、毎回そういう流れを作ってくれて、楽しくおしゃべりしならが、1時間があっと言う間に過ぎるのである。
子育てのこと、旅行のこと、仕事のこと、幅広いテーマで話せるのが楽しく、また話したいと思っていつも指名するのである。
コミュニケーション能力が高い人は、また会いたいと思わせる力があると思うである。
 
そんなコミュニケーション能力はどうやったら、高めることができるだろうか。
年収、ステータスにも直結しそうなコミュニケーション能力はどうやったら伸ばせるのか?
 
それは、経験と想像力ではないかと思う。
「まずは、良い顧客であれ」という話を聞いたことがある。
何かというと、仕事ができるようになるには、お客さんとしての経験をたくさん積むということであるということである。
どんなことが心地よくて、どんなことが不快かをお客さんの立場で経験することなのだろう。
そして、想像力。
いつも同じ場面や状況に出くわすことはほぼない。
お客さんは今何を考え、何をしてほしいと思っているのかを理解しようとする想像力が何より欠かせない。それは経験からにじみ出るものでもあると思う。
社会人である以上、これからもコミュニケーション能力を高めることは常に意識したい。
 
 
 
 
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2019-11-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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