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非日常の旅が日常に与えてくれるもの


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:有村奈津美(ライティングゼミ日曜コース)
 
 
私は旅をするのが好きだ。
 
よく、どうしてそんなに旅が好きなの? 旅のどこがいいの? と聞かれることがある。こういった質問をされても、パッとは答えが思い浮かばず、綺麗な景色や美味しいご飯、新しい人との出会いなど、なんとなくありきたりな答えを返してきた気がする。
 
先日、お風呂に入っていて、旅の良さは「日常の幸せに気づけること」にあるのかもしれない、とふと思った。
 
旅をする、それは私にとって「今」をじっくり味わうことを教えてくれる。
 
なんとなく気になる、面白そうと思ったところを目的地にし、チケットを買い、電車や飛行機に乗って、目的地に向かう。その間、これから訪れるところはどんな場所だろう? どんな人と出会えるのかな、など想いを馳せる。目的地に着いたら、好奇心の赴くまま、右にいったり、左にいったり。狭い路地を見つけたら、ぐんぐん入っていくこともあるし、道端にある草花やかわいい雑貨に目が止まり、立ち止まってカメラのシャッターを切ることもある。
 
朝起きて、太陽の光を浴びて、今日もいい天気だなぁ、なんて思わず呟いたり、沈んでいく夕日や変わっていく空の色をぼんやり眺めて、きれいだなぁってうっとりしたりある。お腹が空けば、近くを歩き、良さそうなお店に入りご飯を食べる。そこにいる人とたまたま仲良くなって、オススメの場所を聞いたりして、それが次の日の目的地に変わったりもする。興味の赴くまま歩いていると、ずいぶんと遠くまできていることもあるし、今日はなんだか疲れたなと感じたら、真昼間でも宿に帰って昼寝をしたりもする。
 
こんな感じで、自分の今の「知りたい」「見たい」「聞きたい」などその時々の心の声に従って行動している。
 
そんな自由気ままな旅のスタイルを楽しんでいる私だが、普段の東京での生活はまるっきり反対だ。
 
周りの景色に意識を払うよりも、携帯やパソコンの画面とにらめっこしている時間の方がはるかに長い。何度もなるアラームを止めて、やっとかっと朝起きると、今日の予定をカレンダーで確認して、バタバタと家を出る。流れる時間の早さに合わせて、歩くスピードは自然と速くなるし、電車が数分遅れただけで、イライラしてしまうことさえある。行きたいご飯屋さんは、ネットの口コミを必ずチェックするし、目的地に向かう最短ルートはGoogle MAPで調べる。
 
そんな生活をしていると、何が起こるか。
だんだんと、今この瞬間に意識を集中できなくなってくる。
 
多くの時間を費やし、携帯でチェックするSNSは自分じゃない誰かのタイムラインを追いかけ、数分遅れた電車に乗っているときは、次の乗り換えのことで頭がいっぱいだ。自分の目でお店を探すよりも、携帯の画面の中に答えを求める。夜眠るときには、今日あった良いことや自分の体が今どう感じているかよりも、明日やらなければいけないことを考えていたりする。そうやっているうちに、だんだん自分の中の心の声が薄くなって行くのを感じるのだ。そして、また失われた心の声を取り戻すために、旅に出る。
 
旅は非日常。だからこそ、日常のストレスから思いっきり解放され、エネルギーをチャージする。そして、また日常に帰ってきたときに気持ちを切り替えて頑張る、そんな良さも旅にはあるかもしれない。
 
でも、私が思う旅の良さは、普段の生活の中に散りばめられた小さな幸せに気付ける力が戻ってくることではないかと思っている。
 
特に海外から、日本に帰ってきたとき、
あっ、シャワーからお湯が出るって幸せ。
日本のトイレってこんなにきれいだったんだ。
携帯を席に置いたままトイレに行けるなんて……。
和食ってやっぱり最高―!
など、普段はあたりまえで何も感じていなかったことに対して、幸せを感じることが多々ある。これはあくまで一例だが、日常が異なって見えることはよくある。
 
数分遅れでイラッとしていた電車も、こんなに定刻通りに毎日公共交通機関が動いているってすごいよなって思うこともあるし、ふと空を見上げて、最近空が暗くなるのが早くなってきたな〜なんて空の色の変化に敏感になったりすることもある。携帯とにらめっこしている顔を上げてみると、仲良さそうなおじいちゃんおばあちゃん夫婦が電車で話していたり、可愛い子供が公園で遊んでいたりする。
 
自分の家から一駅歩いてみると、こんなお店あったんだ、この通りの雰囲気好きだな、こんなところに川が流れている! とかそんな発見があったりする。
 
ここまで書いてきて思ったのだが、「旅をする」というのは何も海外のどこか遠くに行く必要はなく、ほんの少しの心のゆとりと好奇心を持っていれば、毎日の生活を旅しているように暮らせるのではないだろうか。
 
私の日常ってなんかつまらないな、最近少し息苦しいな、と感じている人がいたら、携帯をそっと置いて、気の赴くままに散歩してみることから試してもいいのかもしれない。
 
***
 
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2019-11-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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