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最近気になるあの人のやけに身軽なその理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:砂口智子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
最近、会社で気になる人がいる。
その人は違う部署の30代中頃の男性で、3人の子持ち。
あるプロジェクトで一緒に仕事してから仲良くなり、今でも通路で会えば雑談する仲である。
その人が気になる理由は、勿論LOVEじゃなくLIKEでもない。
INTEREST、所謂興味があるというやつである。
 
その男性こと、Mさんは何かと身軽に見えるのである。
見た目のことではない。
男性ばかりで競争が激しい職場であるにも関わらず、彼は常にひょうひょうとしている。
勝手なイメージだが、社内でバリバリ活躍している人ほど、自由に会社に意見し、
自分の働くスタイルを確立している様に思う。
だが、Mさんはどちらかというと、活躍しまくりのエースというよりかはのほほんとしていて、
上司からも心配されている様なタイプ。
とてもいい人だと思うが、同じチームのときはひやひやするほどマイペースだった。
 
特に、Mさんが育児休暇を取った時には驚いた。
会社に男性の育児休暇の制度があれど、個人采配の部分が大きく、中々替えの効かない業種な為、
育児休暇をとる男性は社内でも見たことが無かった。
まさに自由。身軽。そんな言葉を体現しているようだった。
一体彼がそこまで身軽な理由は何なのだろう……? 私は気になって仕方がなかった。
 
そんなある日、通路で件のMさんに会った為、軽く世間話をした。
その時の私はとにかく仕事の多さに参っていて、ぶっちゃけた話、転職を考えお金の勉強をしていた。
まさか会社の人に転職考えています! なんて言えるはずもなく、
最近お金の勉強始めたんですよね~ と軽いトーンで雑談を始めた。
 
「え? そうなの?!」とMさんのテンションが急に上がった。
「うん、お金の勉強はめっちゃ大事。いいとこに目を付けたね」
「僕はブログで副業やってる。世間にアウトプットすると、自然にインプットも増えるし」
「勿論、ブログだけじゃ生きてけないけど、今の会社じゃなくても稼ぐ方法があるって気付いたよ」
「ブログじゃなくて投資でもなんでもいいけど、他にお金を稼ぐ手段があればきっと心が楽になるよ」
今まで見たことがないほど、淀みなくMさんは話した。
 
話の途中までは、ブログで稼ぐなんて、胡散臭いような危ない匂いを感じ苦笑いしながら聞いていた。
しかし最後まで話を聞くと、Mさんの身軽な理由はここにあったんだと分かった。
 
「今の会社じゃなくても、稼ぐ方法があるって気付いた」
それが会社に依存しない、彼の隠された秘訣だったのだ。
 
その言葉は、私に矢の如く突き刺さった。
その頃の私は、転職を考えるほどに、多くの仕事を抱え、悩み、疲れ果てていた。
原因の半分は、単純に上司からの無茶ぶりだったけれど、
残りの半分は、会社に見捨てられない為に、上司のいう事に従い続け無駄なものまで抱え込んでしまっていた私の心の弱さにあった。
私はここでしか生きていけないのではないか?
その恐怖心が冷静な判断を鈍らせ、会社への依存心を高めていたのだ。
 
思わず、息を吐いた。
なるほど、そりゃ身軽なはずだ。
ガツガツしない働き方も育児休暇の取得も、会社に精神的に依存していないからこそ選べたのだろう。
そのなんと自由で美しいことか。
会社に振り回され、日々仕事の出来で感情を揺さぶられていた私には、とても眩しく感じられた。
 
その話を聞いてから、私も少し行動を変えてみた。
まだ時間があるからと必要以上にこだわったり、手が空いてるからとお手伝いをすることをやめた。
期待に応える、評価されるということに距離を置くことにしたのだ。
結果、定時で帰れる日が増えたし、周囲が残業していても気にせず家に帰れるようになった。
「今の会社じゃなくても、稼ぐ方法がある」そう呟くと自然と冷静になれて、
仕事の内容を俯瞰して、取捨選択出来るようになった。
今までパンパンに張りつめていた日々が、まるで呪いが解けたように軽い日々に変わった。
 
人がもっと豊かになりたい、もっとお金を稼ぎたいと思ったとき、
まずは単純に周囲の期待に応え、周囲より抜きんでることによって評価を得て、
その報酬をもらうことを想像するだろう。
しかしそれは大きな鎖なのだ。その会社のローカルルール内で戦う、ボードゲーム。
実際の戦場はそこだけではない。隣を見れば別のゲームが始まっている。
その戦場でしっかりとチカラを出せるならば良し、水が合わないならば戦場を変えるも良し。
そしてコツコツと進めてきたゲームを途中でゼロにする必要もないのだ。
大事なのはルールに支配されないこと。
私たちは自分の好きな働き方が出来る戦場を選ぶことが出来るのだ。
 
Mさんのおかげで、私はまだ同じ会社で自由に働けている。
これからMさんに倣って、ブログでも始めてみようかな。
その思える心のゆとりがあることが、今とても嬉しい。
 
 
 
 
***
 
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2019-11-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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