過去が一番新しい
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【12月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:なつめみゆ(ライティングゼミ平日コース)
「歴史ってなんのために学ぶの?」
「大きくなってから何の役にも立たないやん」
そんな風に思った経験はありませんか?
当時高校生だった私は、毎日過酷な受験勉強に追われていた。特に夢があるわけでもなく、思い焦がれるほど進学したい大学があるわけでもない私にとっては、「何のために勉強しているのか」全くわからなかった。それでも進学校に身を置いており、親からの重圧もあり、仕方なく1日10時間くらい勉強をしないといけない日々。憂鬱で仕方なかった。
目標がないながらに国立大学を目指していたため、テストの科目は5教科9科目あった。その中で一番実用性を欠いていた科目がある。それが世界史や日本史といったいわゆる歴史科目であった。
紀元前から遡り現代に至るまで約3000年分の間に起こったことをひたすら時系列に沿って暗記していくという勉強。他の科目に比べ、頭を使うというよりかはたくさん覚えていた方が偉いというような一際特殊な科目なのだ。
例えば、日本の江戸時代には徳川家による支配が行われ、1時代に将軍が16人もいた。入試問題では、「第何代目将軍の名前を答えよ」とかいうすごくマニアックな問題が出題される。
将軍の名前を覚えるこの科目は果たして将来役に立つのか?
そう疑問に思い、社会科担当教師になぜ歴史を学ぶのかと質問してみたことがある。その教師は、
「歴史を学ぶと人生が豊かになるんだ」
と答えた。
当時の私の頭の中にははてなマークが3つくらい浮かび、なんて論理性を欠いた説明なのだと到底理解できなかった。
でも、今になってやっとわかったことがあるんだ。
これからの時代に必要なのは、「過去を知ることだ」と。
来たる新時代は、あらゆるモノ・ヒト・コトがインターネットで繋がるIoT時代。ここでカギとなるのがビックデータといわれる膨大なデータなのである。
なぜかというと、未来に起こり得る出来事を予測するためには過去に遡る必要があるからだ。
AIに人間の仕事が奪われるなどといわれているが、そのAIも過去の人間の行動パターンを学習している。読み込んだ人間の情報をもとに、同じような事象が起こった時にはこのように対処しようなどといった応用が効くようになるのである。
要するに、全ての事柄過去に起因している仕組みなのだ。
AIにはできない仕事いわゆる人間が必要とされるのは、クリエイティブ領域のみといわれている。言い換えれば過去から学ぶこと以外の新しく生み出すことだけということだ。
史上初のベスト8を成し遂げたラグビーや、快挙を果たした男子バレーボールや、最近の日本は空前のスポーツブームだ。やはり自国の代表チームが頑張って勝ち進んでいるのを見るのは誇らしく、国民全体に一体感が生まれる。
様々なスポーツで代表選手達が、なぜ勝ち進めたのか考えたことはあるだろうか?
それは、相手を徹底的に分析し、蓄積したビックデータをもとにどのような戦略を練って挑めば勝つことができるのかを見出していたからである。
「この選手はこのようなプレーが得意であるから、こういう対処をしよう」
「ここが弱点だから、それを突くプレーをしよう」
など、効果的な戦略を容易に準備することができる。過去に遡りさえすれば。
過去はきっと変えられない。だから過去から学ぶことはたくさんあるのだ。
クリエイティブになるには、過去に遡るという真逆のことをしてからなのではないか?
さあ、AIに負けている場合ではない。
今日から皆さんも始めませんか?
夢が欲しいならば今夢を追っている人から刺激を受ける、叶えたい目標があるならそれを達成した人から学ぶなど、自分の先を行く人間から新しい何かを得て、自分にいかしていくことがきっと、IoT時代のミッション。
結局、「人は人からしか学べない」のである。
天狼院のライティングゼミも然り。自分の記事を人に読んでもらうためには、既に人から読まれている記事を書く人から学ぼうとすることがきっと大切なのだ。それをもとに自分に合った戦法を用意する。過去を知って自分の未来にいかされるのだ。
これだけデータが重宝される時代が来る理由は、きっと歴史を学ぶ理由と同じだ。
高校生の私が理解できなかった「歴史は人生を豊かにする」という教師の答えは、日本の未来を考える上で、自分の人生を考える上で、過去の出来事や人物から学び活かすために必要な学問だと伝えたかったのだと思っている。
過去を知れば未来に少しだけ近づける。
だから過去は一番新しい。
そう自分に言い聞かせて、毎日できるだけたくさんの人と話し、本を読もうと心がける。
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