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リピートしたくなる歯医者とは?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:井村紗緒里(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「ほら、これ全部溜まってた汚れです」
「うわぁ……」
信じたくなかった。これが今まで自分の口の中にあったなんて。
 
先日、歯医者でクリーニングをしてもらった時のこと。
歯科衛生士のAさんが私に見せてくれたのは、目をそらしたくなるような物体が載った脱脂綿だった。
 
さらにそのあとAさんは、
「ここ、穴が開いてるのわかります? ここにこういう汚れが全部溜まっちゃうんですよ」
と言って、右奥歯のあたりをライトで照らし、鏡で見せてくれた。
「うわっ、ほんとだ……」
自分では見えない場所なので、どういう風になっているかもわからなかった。
なかなか出てこない親知らずの上に歯肉が覆いかぶさって、確かに穴のようになっている。
なんだかいつも物が挟まるような気がしていたけれど、こんなことになっていたとは……。
「このワンタフトブラシというブラシできれいにできます。やり方を教えますので、やってみましょう」
普通の歯ブラシとは違って、5ミリくらいしか毛束のないブラシが穴に入っているのを確認する。
 
Aさんはこうやって私にいつも歯のケアの仕方を教えてくれる。
Aさんのおかげで、私には武器が増えた。
なんだかゲームとかに出てくる武器屋のようだ。
普通の歯ブラシに加えて、歯間ブラシと、フロス。
それに今回ワンタフトブラシが加わった。
自分を良くするための武器が増えるのはとてもうれしいことだ。
でも、習慣化しなければ意味がない。
私にとってはこの習慣化がくせ者だったのだけれど、Aさんはそれさえも武器にして見せた。
 
2か月前のこと。
歯がなんだかしみるような気がして、この歯医者を訪れた。
結局虫歯ではなかったのだけれど、汚れが溜まっていたのでクリーニングもすることになった。
Aさんはクリーニングのあと、「歯ブラシだけでは汚れがとりきれないので、歯間ブラシを使いましょう」と言って、使い方を教えてくれた。
「歯間ブラシを歯の間に入れて、片方の歯に沿わせて1,2,3,4,5回動かします。もう片方の歯にも沿わせてまた1,2,3,4,5」
最低でも毎日1回はこれをやりましょう、と言われて、晩ごはんの後に家でやってみると、めんどうくさいし時間がかかる。
すぐにさぼるようになってしまった。
 
継続して様子を見るため、次の予約は1か月後だった。
「歯間ブラシ、使ってますか?」とAさん。
「すみません、あんまり……。週に何回か、です」
「なぜ、できないんですか? 毎日やりましょうって言いましたよね」
Aさんは真剣だった。
大の大人が、久しぶりに本気で怒られてしまった。
はずかしかったけれど、本当のことを言った。
「時間がかかってしまって、後回しにしてしまって……」
「そしたら、もう一度いっしょにやりましょう! 慣れればすぐにできますから」
そういって、今度はAさんに手を握られながら、おさらいをした。
「はい、1,2,3,4,5。早くなりましたね!」
小さい子どもみたいではずかしいけれど、そう言われると今度こそできそうな気がしてきた。
「もし歯磨きの後だと忘れてしまうのでしたら、歯磨きの前にするようにしてみてください」
そう言われて、目からうろこが落ちた。いつもやることの前にするようにすれば、忘れずにできる。
それでもときどきできない日もあったけれど、慣れれば今度は口の中がきれいで気持ちいい。
 
そうしてさらに一か月後。
今度こそ、胸を張って「歯間ブラシ、使ってます!」と言えるとおもっていたら、今度は冒頭の汚れ警報。
歯磨きマスターへの道は険しい。
ワンタフトブラシの使い方を教わり、帰りに1本購入してから、家路についた。
 
歯間ブラシをさぼってしまった時には想像もつかなかったことだが、私はまた1か月後にあの歯医者に行くのが楽しみになっている。すっかり、リピーターになってしまったようだ。
それは、歯科衛生士のAさんが、患者のことを考えて、本気で指導してくれたからだと思う。
Aさんは別に、1か月に1回クリーニングだけしていてもよかったかもしれないのに。
 
だから、私にとっての良い歯医者の条件は、本気で歯のケアの指導をしてくれる歯科衛生士さんがいること。
歯医者とは、虫歯になったら行くだけの場所ではなく、歯を守るための武器を授けてくれる場所でもあるのだ。
最近歯医者行ってないなー、という方は、ぜひ一度歯医者でクリーニングをしてもらってみてはいかがだろうか。
久しぶりならきっと、とても気持ちがいいと思う。
悪くないと思ったら、帰りに1か月後の予約をするのがおすすめだ。
1か月に1度やれば、ずいぶん変わってくる。
もし熱心にケア指導をしてくれる歯科衛生士さんがいたら、大当たりだと思って間違いない。
 
 
 
 
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2019-11-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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