メディアグランプリ

お米と牡蠣と首里城


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:Ayako. S(ライティングゼミ・平日コース)
 
我が家には2ヶ月に一度、5キロのお米が届く。
しかも今の時期なら新米でびっくりする程美味しい。
宅配便で届くから、スーパーから重い思いをして持ち帰る必要もないし、ちょうどなくなった頃合いに届くから、ストックが冷蔵庫にあふれることもない。
実は実家が米農家。というわけではなく何かというと、ふるさと納税の返礼品だ。
私は今年、初めてふるさと納税を申し込んでみた。
 
「佐々木さん、お米好きです?余ってるんですけど、もらいません?」
きっかけは友人だった。
 
曰く、最近始めたローカーボダイエット(炭水化物抜きダイエット)のせいですこぶる米を食べる機会が減ったらしく、どんどん積み上がっていっている状態らしい。
それにしても米が食べきれない程あるとはどういうことかと思ったら、定期的に届くふるさと納税で申し込んだお米だということだったのだ。
 
定期的に届くふるさと納税??
その頃の私はふるさと納税の仕組みをまったく理解していなかったが、とりあえずありがたくお米を分けてもらいつつ、意外とふるさと納税って浸透してるのかな……という感想を抱いた。
年末になるとやたら多くなる、ふるさと納税のCM。気になりつつも手続きが面倒そうな思いこみがあってずっと敬遠していたのだけれど、ちょっと興味がわいた。
 
私の両親は島根の出身で、祖父母や親戚もそっちに住んでいる。子供のころは夏休みになるといつも帰省していたので、実際に住んだことはないけれども「ふるさと」と言われてしっくりくるのは長年住んでいる埼玉ではなく島根だ。
 
過疎が激しく、スタバできると大ニュースになる島根。ふるさと納税をするなら、もちろんそこだろうと思って町名から調べてみる。が、牡蠣、いか、さざえ…場所が場所だけに魚介類の加工品がほとんどだ。選択肢がなかなかに狭い。狭すぎる。
範囲を島根全体に広げてみたらようやく、シャインマスカットやイチジクなどの他の特産品がでてくるようになった。でもそうすると今度は商品が多すぎて迷ってしまって選べない。。
 
しかも、試しに普通の購入サイトで一般購入した場合の値段と比べてみると、そこにはふるさと納税で買うよりだんぜん安い値段が並んでいる。
やっぱりいまいちふるさと納税の仕組みが分からない。
何がどうなったらこれがお得なの。
 
「ねぇねぇ、ふるさと納税やってる…?どうやるの?」
行き詰った私は、手当たり次第に友人や家族に聞いてみた。
 
「平たく言うと、税金の控除がうけられるから実質の負担が2000円でその商品がもらえるってことだよ、詳しくはこれ読んで」と、とあるふるさと納税のサイトのURLを送ってくれたのは同僚だった。
「しかもふるさと納税のいいところは、普通に消費するものを選べば家計が助かるってところなんだよ。私は伊豆の干物の詰め合わせを頼んで、全部冷凍して少しずつ食べてるよ!」
家計が助かる……なんとなく、返礼品が牡蠣やシャインマスカットなどの嗜好品で固定されていた私には衝撃だった……だからお米だったのか!と。
 
そこからは簡単だった。
返礼品は私もお米。場所はやっぱり島根県内の市町村。一度にたくさんは食べられないし保存もできないので5キロ。複数回にわけて定期的に発送してくれるところを調べたら、これが意外とあった。
最終的に5キロ6回を二か月に1度発送してもらえるところに申し込んだので、この先1年間は米に困らず暮らしていけることになった!これが2000円……驚異的だ。
 
そろそろお米がきれるかなーという絶妙のタイミングで佐○急便さんが持ってきてくれる。しかも費用は格段にお得。さらにふるさとにも貢献できる。ふるさと納税でお米の選択は、流行りのサブスクリプション型サービスの最高峰じゃないだろうか。こんな制度が何年も前からあったなんて。。それを見逃していたなんて。。
 
ずっと手続きが面倒そうというイメージだけで敬遠していたけれど、やってみると思ったより簡単で、去年さんざんCMをみた時に、乗せられて申し込んでいればよかったと後悔した。
案外周りにやってる人も多かった。おすすめの返礼品を教えあったりできるのも面白い。
今年はじめられただけでも大きな一歩かもしれない。
 
ふるさと納税は収入によって控除を受けられる限度額が決まっていて、私はお米の他に田舎の特産品の牡蠣も申し込んだ。ブランド牡蠣として最近有名になってきているその冷凍牡蠣は、名前だけは知っていたもののずっと食べる機会がなかったので到着がとても楽しみだ。ちゃんと身近な自治体に貢献できると思うと嬉しい。
 
ふるさと納税の申込時、利用者は寄付の使い道を選択することができる。アンケートに回答するような形式で、過疎化の対策、離島の活性化など、申し込み先によって様々だ。時々返礼品目的で申し込むのが果たして本当に良いのかというニュースもあるけれども、自分が支援したいところに寄付できる仕組みは本当にいいことだと思う。
 
10月31日に発生した首里城の火災は数年前まで那覇に住んでいて、今も仕事で頻繁に沖縄を訪れる私にとって、とても衝撃的なニュースだった。首里城が燃え上がる様子は現実とは思えなかった。現在、ふるさと納税のクラウドファンディングで集まっている寄付金は受付サイトが開設されてからたった2日で1億円突破、11月13日時点でなんと5億円を超えたそうだ。
まだ少し余裕がある今年の分と、来年の分は、私が勝手に第二の「ふるさと」だと思っている沖縄に寄付をして、首里城の再建に貢献したいなと思っている。
 
 
 
 
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2019-11-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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