書くことは削ること
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【12月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:深谷百合子(ライティング・ゼミ日曜コース)
半年ほど前のことだ。
ライティングゼミを受講していた知人が、講座を主催している天狼院書店のwebに掲載された自分の記事を紹介してくれた。
「2000文字って原稿用紙5枚じゃん。うわぁ、大変そうだ」
毎週課題の提出に奮闘する知人の姿を見ていて、ずっとそう思っていた。私にはとてつもなく長文に思えた。
けれども、webに掲載されたその記事は、2000文字という長さを全く感じさせなかった。すらすらと一気に読めてしまったのだ。内容も面白かったし、心地の良い軽快な文章だった。そして何よりも心を動かされたのは、自分が得た学びを記事という形でアウトプットしているということだった。
「こんな素敵な文章が書けるようになりたいな。ライティングゼミって何だか面白そうだ」と思った。そして、毎週2000文字も書けるのかどうか定かでもないのに、ほぼ衝動的にゼミの申し込みボタンを押していた。
実を言うと、それまで私は文章を書くことには積極的ではなかった。
日記も小学校の宿題で書いた以外は、書いたことがない。紙に書いて後に残るというのが、何となく嫌だったのだ。
自分からSNS等で何かを発信することも、あまり好きではなかった。
けれども、人生も半分を過ぎて、新たなステップに踏み出そうとしている今、人生の棚卸と言うのだろうか、これまでの自分を振り返って、「自分」をテーマに何かを書き留めておきたいという気持ちは秘かに持っていた。そんな時に、ライティングゼミと出会ったのだ。
もし日記を書く習慣があったならば、日記帳に吐き出していたであろう、私だけが知っている色々な気持ち。それを記事として書いてみようと思った。
今まで自分に起きた出来事を思い出し、その時自分は何を感じていたのか、ひとつひとつをもう一度噛みしめながら振り返る。
自分の心の奥底にあった澱のようなもの。ずっと蓋をしてきた気持ち。「自分の中のダークサイド」と言ってもよい。それらを文字にして吐き出していった。
そうして思いのままに吐き出していくと、すぐに1000文字は超えた。意外と書けるものなんだと思う。でも、今書いているのは日記ではない。記事だ。
記事は誰かに読んでもらうためのものだ。自分の中の心の澱を吐き出して、「すっきりした」だけではいけない。私はその時の経験から、何を得たのか。何十年経った今では、どう感じるのか。それらをメッセージとして伝えたい。
そこから、私の「削る作業」が始まるのだ。
それは、自分が吐き出した心の澱のかたまりの中から、自分なりの結論を浮き彫りにしていく作業だ。
「その出来事は、その後の自分にとってどんな意味があったと思う?」
「その時の私に言葉をかけてあげるとしたら、何と言ってあげる?」
「色んな経験をした今だからこそ分かることって何だろう?」
そんな風に自問自答しながら、自分なりの答えを書いていく。そうしている内に、自分にとっての結論がぼんやりと見えてくる。そして、そのぼんやりと見えてきた輪郭に沿って、さらに削り出していく。自己啓発の講座で得た学びも取り入れながら、書いては削り、書いては削る。それを繰り返して、やっと自分なりの結論が浮かび上がってくるのだ。
そして、そこで得た結論や、そこで得た学びを一つのメッセージに磨き上げる。
それは、私にとって、封印してきた気持ちが解き放たれる瞬間でもある。今までもやもやしていたけれども、結論がはっきりすると、「あの時のあの経験が有ったからこそ、今があるんだ」と素直に思えるようになるからだ。
ただ、そんな風に自分なりの結論を見つけたとしても、自分の心の中で思っているだけでは誰にも知られることはない。口に出せば、話した相手には伝わるが、形には残りにくい。でも、記事は形として残る。そして、もしかしたら、それを読んだ誰かの心にも残るかもしれない。同じような経験をした人ならば、何かを感じてもらえるかもしれない。それが発信する楽しみになる。
そうしていつしか気づくと、記事を書くことにすっかりハマっている自分がいた。
以前は全然興味のなかったブログも書き始め、自分なりのメッセージを発信している。そして、全く面識の無い人から嬉しいコメントがついたり、書くことを通じて、新たな人間関係ができたりしている。4か月前には想像すらしていなかったことだ。
そういえば、ライティングゼミのタイトルって「人生を変えるライティング教室」だったっけ。確かに私自身、書くことを通じて自分の人生を見つめ直すことができた。それはたぶん、記事という形態をとることで、自分自身を客観的に見つめ、メッセージという結論を見つけることができたからだろう。
私はそこから何を得たのか? それを見つけるために、今日も書きながら削る作業を続けている。
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