ライターを名乗ったら、ライターになった
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:オノミチコ(ライティング・ゼミ日曜コース)
「オノミチコです。会社員です。ライターです」
いま、自分を名乗るときに「ライター」という言葉を使っている。
これまでは名乗りたくても名乗れなかった。
書くことを仕事にしているわけではないし、仕事どころかブログを書いているわけでもない。ツイッターのフォロワーが多いわけでもない。
そんな私が「ライター」を名乗るなんておこがましい、そう思っていた。
私は会社勤めのかたわら、パラレルキャリアを模索している。
パラレルキャリアとは、その名の通りパラレル(平行)なキャリアのこと。
働き方改革のあおりを受けて、副業(もしくは複業)やパラレルキャリアという言葉を目にすることが多くなったが、その解釈は人によってさまざまだ。
個人的な感覚としては、副業というと金銭的な収入源の意味合いが強く、パラレルキャリアというと必ずしも収入につながるとは限らないという印象だ。
その意味で、私は「副業」ではなく「パラレルキャリア」という言葉を使っている。
そんな私が「ライター」を名乗るのは、だいたいが自己紹介の場面。
パラレルキャリアを目指す人が集まる勉強会や、働き方を考えるセミナーでは必ずといっていいほど交流の場があり、その都度、自己紹介を求められる。
私はこの自己紹介が苦手で、いつも「会社員です」とか、「パラレルキャリアを始めようと思っています」とか、相手の印象に残りそうもない挨拶を重ねていた。
文章を書いている自分。
ゆくゆくは「書く」ことを生活の中心にしたいと思っている自分。
けれど、ライターと名乗るほどの実績も自信もない自分。
そんなどっちつかずの自分の状況はそのまま自己紹介に反映されていた。
ある日、パラレルキャリアのイベントを数多く主催している友人から
「ライターを目指すなら、文章を書いて、ライターって名乗っちゃえばいいよ」
と言われた。
あるイベントでは、「自分をタグ付けすることで自分が何者なのかがわかる」と聞いた。
なるほど、タグ付けか。
ツイッターでもインスタグラムでも、今はタグ付けが重要な時代だ。
タグによって情報がまとめられ、つながっていく。
そこでもまた几帳面な自分が顔を出す。
「タグ付けってことは、名乗るってことと一緒じゃない?」
でも、ふと考える。
漫画家と呼ばれる人の何人がマンガを描くことだけで生活しているのか。
バンドマンと呼ばれる人の何人がバンド活動だけで食べているのか。
ダンサーと呼ばれる人の何人がプロのダンサーなのか。
そう考えると、名乗ることは必ずしも「それを生きるための生業としている」という意味になるとは限らないのではないだろうか。
とはいえ、人の意識とは急には変わらないもので、ここまできても自分を「ライターです」と名乗ることには抵抗があった。
しかし、天狼院のライティング・ゼミに参加し、課題投稿がwebに掲載されるようになると、そろそろいいかな、という気持ちが芽生えてきた。
最初は「天狼院のライティング・ゼミで書くことを勉強しています」と言っていた。
それが「天狼院のライティング・ゼミに参加していて、このあいだwebに掲載してもらいました」になった。
「仕事とは別に、文章を書いています」と言うようになった。
そうだ、ライターって別に仕事じゃなくてもいいんだ。
職業欄に書くわけでも、仕事を聞かれて答えるわけでもない。
ただ、自己紹介で、自分が何者であるかを説明するために、「書く人=ライター」というタグをつけるんだ。
そう思ったら、文章を書いているということを堂々と言えるようになった。
言っているうちに書くことそのものにも自信がついてきた。
いま流行りのnoteを始めた。
noteを始めたことをFacebookに書いたら、友人がフォローしてくれた。
イベントのレポートをnoteに書いたら、イベントを主催した友人がシェアしてくれた。
友人が「(文章を)書ける人だよ」と私を紹介してくれるようになった。
私は「書く人」つまり「ライター」になった。
もちろん、名乗るようになったからといって収入につながったわけではない。
職業欄は以前と変わらず「会社員」だ。
ただ、自分がどんな人物であるかを説明するために使う材料が増えた。
材料が増えたおかげで、つながる人が増えた。
自分をタグ付けする、という意味がようやくわかった。
先日、あるセミナーに参加した帰り道、エレベーターが一緒になった人と挨拶がてら簡単な自己紹介をした。
「オノミチコです。会社員です。あと、ライターです」
相手はwebマーケティングの仕事をしている人だった。
ちゃんと書けるライターさんは貴重だ、と彼女は言った。
私は彼女に誤解をさせてはいけないと思い、「ライターとはいっても、まだお仕事にはなってないんです」と慌てて付け加えた。
すると彼女は言った。
「書ける人を探してるの。今度ゆっくり話を聞かせて」
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