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メディアグランプリ

同じ動きにみる西洋医学と東洋医学

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:ますだはやと(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
突然だが、やってみてもらいたい動きがある。
一般的に「前屈」と呼ばれる動きだ。立った状態から上半身を前に倒していき、手を床のほうへ伸ばす。僕が小学生のころには体力測定でやった記憶がある。
手が床につかない人はカラダが硬いと感じるだろうし、手のひらまでつく人は柔かいと感じるだろう。何かを競うわけではないので一度やってみてほしい。
 
次に、条件をつけて同じ前屈を行う。
壁や柱にカラダの背中側をつけて立つ。かかと、お尻、頭の後ろがつけば大丈夫だ。
その状態から先ほどと同じように前屈をしてみてもらいたい。
 
実行中。
 
どうだっただろうか?
うまく前屈できた人がいたら教えてほしい。
 
難しかったはずだ。前につんのめってしまい、うまく前屈できないのではないか。
この結果についてあなたはどう思うだろうか?
僕はこの実験を初めて行ったときに「おお!」とひそかに感動した。ちょっとしたことなのになんて大きな違いがあるんだ、と。
「なぜ?」に答えるとすれば、骨盤の位置がわずかに後ろに動くからだ。
壁や柱などない場所で、骨盤に注目して前屈して確認してほしい。誰か近くにいれば人の前屈動作を見て確認するほうがラクだろう。
 
バランスを崩さずに前屈を行い、その姿勢を保つ。
カラダに大きな不自由のない人には問題なくできる動きだ。
しかし、骨盤がわずかに後ろに動くための空間がないと前屈姿勢は成立しない。
これは考えようによっては過激な内容に思える。いくら床に手が届くほどのカラダの柔らかさがあっても、一部のわずかな動きが邪魔されるとその力を発揮できないのだ。極端にいうと無意味なのだ。
 
僕は理学療法士になるため西洋医学の教育を大学で受けた。
何かしっくりこない感覚があり、東洋医学の方法も実践的にだが学んだ。その過程で学んだ違いは、この「前屈」という動きの見方の中にも表れているように感じる。
 
「科学とは、予測と制御である」
科学を教えている教授たちの本を読んでいると見かける言葉だ。
前屈を行い、床まで手が何センチメートル離れている。たくさんの人で実験を行うと約8割の人が一定範囲におさまる。そこを正常の基準として、はみ出たら異常とする。
 
床に手が遠く届かない場合、多くの人が太ももの裏に突っ張りを感じる。そこにはハムストリングスと呼ばれる筋肉がある。解剖で明らかにされている。正常の範囲へともっていくためには、突っ張る筋肉をストレッチしてやる必要がある。
逆のパターンもある。正常の範囲を超えて床よりも手が届いてしまう場合だ。多くの人が突っ張る太ももの裏が伸びすぎている。正常の範囲へともっていくために、筋肉を縮める筋トレのようなことが必要だ。
 
もちろんそんな単純ではないが、西洋医学は大ざっぱにいえば一番影響あるいは関連度の高そうな部分からアプローチするのが効率的だという考え方だと思う。話の筋はわかりやすい。
 
「カラダはつながっている」
東洋医学でよく言われる言葉である。
前屈の例にもよく表れている。床に手が届くか、そしてカラダの前への折れ曲がり具合などに注目してしまいがちだが、カラダ全体が動いているんだ、と。動いている部分は氷山の一角で、水面下にあるより大きな氷が重要なんだ、と。
わかりやすい話の筋が示される訳ではないが、見てわかる、体験してわかるのが特徴だろう。論理的というよりはたとえ話が多い。
 
多くのたとえ話を読んで影響されたのかもしれないが、いつも頭に浮かぶたとえ話がある。
北極点のはるか上空から地球を見るとする。北半球しか見えない。
「夏は8月ですよ」と言う。
南極点のはるか上空から地球を見る。南半球しか見えない。
「夏は2月ですよ」と言う。
このような2人がいた場合、2人は間違ってはいない。必要なのは第3の視点だ。赤道上空あたりから地球を見て、北半球も南半球もコインの裏表みたいなもので同じ地球だよ、と言ってくれる人がいればいい。
 
もしも前屈の動作を真正面から見たらどうだろう。骨盤が後ろに動くことなど見えはしない。真後ろから見ても同じだろう。左右から見て初めて骨盤が後ろへ動くのがわかるわけだ。逆に、前屈する人の頭上から見たら床と手の距離はわからないはずだ。
このようにカラダも地球も見る角度によっては、北半球あるいは南半球しか見えないことが起こり得ると言えるだろう。
 
西洋医学と東洋医学の関係も北半球と南半球のようなものではないか。
どちらも同じカラダの見方であり、大きく2つにわけたときの呼び名でしかない。両極端な方法を学んで思うのは、これらに優劣はなく得意分野があるだけじゃないかということだ。
言葉にしたときに強いのは明らかに西洋医学だろう。だからといって東洋医学が劣るわけではないはずだ。
「AはBである、BはCである、よってAはCである」と矛盾がないように思えても、それだけでは言いきれないだろうという心構えはあってもよい。そんな風に考える。
 
 
 
 
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2019-12-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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