サラリーマンの僕が見つけた、自分の人生を選択して生きる方法
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:中野ヤスイチ(ライティング・ゼミ日曜日コース)
「しっかりと休みの計画立てているか」
僕はこの何気ない質問を先輩に聞かれたとき、何も答えが出て来なかった……。
一人暮らしで、独身だったからだろうか。
休みの日は遅くまで寝て、軽く仕事して、家の掃除する事ぐらいしか、当時は頭に浮かんで来なかった。
「あまり考えた事なかったです」と素直に答えた。
その時、先輩の顔が曇るのを感じた……。怒りにも近い表情だった。
「おいおい、本気で言っているのか、人生無駄にしているぞ」
この言葉にハッとさせられた。
本当に一度も考えた事がなかったし、人生を無駄にしているなんて、考えた事すらなかった。
「年の終わりには、次の年の休む日を決めている」
「自分の有給の日数、知ってるか」
と先輩に立て続けに言われた時。
返す言葉も無かった。自分の有給の日数をまったく覚えていなかった……。
なんとなく、休日と祝日の間が空いた日に有給を取得して連休にする、お盆、年末年始に有給を取るだけだったから。
「もっと、自分の人生を大切にしろよ、社歴とか関係ないからな」とハッキリ言われた。
その一言を言われてから、僕は有給休暇の日数をしっかりと数えるようになった。
有給が消化できずに残った場合、何日が繰り越せるのか、それ以外にも有給をすべて消化してしまった場合に、どうしても休まなくてならなくなった場合、どうしたらいいかも調べた。
それから、僕は新しい手帳を買った時に、まず始めに実施することは、祝日が飛び飛びになっている所を有給で埋めて連休にした。
入社2、3年目なら、おそらくそれぐらいでは有給をほとんど消化できない。
そこから、お盆、正月を除いて、有給を使って休みを計画する。
僕がはじめて計画したのは、屋久島に行く事だったと思う。
自分で休みを決めて、事前に屋久島行きの電車のチケットだけを取って、向かった時のワクワク感は今でも忘れる事がない。
ずっと仕事が入るんじゃないか、ずっととソワソワしていた……。
入りそうになっても、屋久島に行くんですと言って、すべて断って、行くことができた。
屋久島に行って、社会人になって、サラリーマンになって、自分で自分の時間を好きに使っている感覚を味わった瞬間。もうやめられない。
と思ったのは、束の間だった……。
屋久島から帰ってきて、サラリーマンの日常生活が戻ってきた。
すると、自分で自分の時間を好きに使う感覚はどこに行ったのか……。
仕事がより忙しくなり、忘れさられていた。
事前に有給取得していた日に急ぎの仕事が入ってしまった時などは、有給申請を取り消して、仕事をしてしまっていた。
それも、ほぼ無意識のうちにやっているから、恐ろしい。
気が着いたら、繰越できる日以上に有給が残っていて、自然に消滅していた……。
まるで、自分らしく生きる事を放棄している社畜のような生き方だった。
それを繰り返していくうちに、僕は仕事に対するモチベーションがどんどん下がって行き、
体も壊しがちになり、最終的に仕事をやめる事にした。
そう、仕事を辞める事を決めてから、残った余った有給を思いっきり使うと決め、トコトンやりたい事の為に、スケジュールを組んだ。
それでも、有給は消化できずに、余ることになってしまった……。
会社を辞める時にやっと気がついた事がある。
すべての有給を消化する事は想像している以上に難しい。
その事を知り、新しい会社に入った後、仕事を早く覚えなくてはならないプレッシャーからだろう。気がついたら、休みの日にも仕事をしている自分の姿があった。
そんな時、今の自分にはわかる。
昔の自分に戻りつつあるぞ、このままでは同じ事の繰り返しだって。
その次に取った行動は、無理やり有給を取得するルールを作る事だった。
僕には、幼稚園に通う息子がいる。その息子が通う幼稚園が土日にイベントがあると次の週の平日休みになる日がある。
その日を僕は有給取得日にする事に決めた。
そのルールを決めてから、ついにその日がやってきた。
その日に何をするか、考えに考えて準備して迎えた。
今回は、家族3人で宿泊付きの温泉旅行に行く事にした。
自分でルールを決めて、有給休暇を取得する日を事前に決めて、その日に何をするか、できれば事前に予約しないと行けないような所を選んで準備する。
その日が来るのが、日を追うごとに待ち遠しくなっていく。
その日を迎えて、温泉旅館に向かい、ゆっくり温泉に入り、おいしい料理を食べて、無事に家に帰った瞬間。
夢が覚めたように、会社の携帯に多くのメールが届いている事に気がつく。
今までの自分なら、嫌だな、また仕事が始まると思ってしまうだろう。
でも、今の自分は違う。
サラリーマンの僕でも、有給休暇という与えられた権利を自分の意志で使う事で、
自分の人生を選択して生きる方法を見つける事ができたから。
あなたにも、自分で自分の人生を選択して生きる方法を見つけてもらいたい。
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