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家計簿は未来へのガイドブック


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:中村夏子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
「そんなことに時間かけるくらいなら、掃除でもしたら?」
結婚当初、オットは私に呆れていた。
私が家計簿にかかりっきりになっていたからである。
 
結婚して家計簿を買ってきたのはいいが、分からないことが山盛りだった。
可処分所得って何?所得と収入って違うの?
 
オットの口座に振り込まれた金額は、「手取り」であって、給与ではない。税金と社会保険、任意で加入した、会社が団体で入っている生命保険、それに加えて、労働組合活動費、が既に引かれている。
 
私が購入した、羽仁もと子案「家計簿」は収入からスタートである。なので、給与明細の一番最初に出てくるオオモトの数字を家計簿に書き留める。
次に税金、社会保険。
手書きして初めて、住民税と厚生年金の高さに驚く。
 
何に使われているのか分からないが、共済費、組合費、個人闘争費とバンバンひかれていく。
やっと、そこから口座に振り込まれた金額になる。
 
今度は、我が家の固定費がある。家族の生命保険、新聞、wowwow、マンションの家賃、携帯電話代、オットの会社でのお弁当代。ドスン、ドスンとお金は減っていく。
 
ここから、毎日使ったものは全て当座帳に記入し、月末には費目ごとに分け、集計し一覧表にし、月の決算をする。
 
何故決算までするのか?
 
私がお金にルーズだからである。
我ながら、「私1人でお金を管理したら、きっと破綻する」そんな予感がした。
 
夫婦になり、20年、30年たって
「なんでうちにはこんなに貯金がないんだ?」
と言われるのは確実である。
 
ならば、どうするか?
オットにも把握していただこう。めんどくさいけど。
 
家計の状態を2人で共有しておきたいのだ。
年をとってから、私一人を責められるのだけは避けたい。
 
「今月は、これだけ食べたよね。これだけお出かけしたよね」
まだ記憶のある今月のことを思い出しながら、今月使ったお金について報告する。費目の一覧表を見ながら、時間はそんなにかからない。5分から10分だ。
さらにそれとは別に、高額出費という一覧表も作る。5000円以上の買い物は全て、書き出す。まあ、毎月いろんな出費がある。
 
家庭生活とは、経済活動なのである。
オットが収入を得ることも経済活動だが、家庭は消費活動だ。どちらも大切。車の両輪だ。
 
その月の家計を振り返ることで、他人であるオットのお金そのものに対する価値観と、お金の使い方に対する価値観を知ることになった。こういうことにはお金を払うことをいとわない。だけど、こういうのは無駄と考える。など、他人と暮らすうえで非常に参考になった。
 
「へえ、この人こんな風に考えるんだ」
と新鮮な驚きがあった。
 
最初に書いたように、可処分所得さえ分からなかった私も、1年、2年たつうちに、お金の流れ、というものがわかり始めた。「貯金もできそうだ」と思い出した。そうなると、今度は、予算を立てられるようになった。
 
一年間の決算を集計して、月平均を出し、来年の月あたりの予算を立てる。我が家では、12月31日に家計簿を締め切るので、予算は1月1日夜、夫婦で検討する。
 
もちろん、中だるみもする。我が家は10月家計が膨れる。子どもの誕生日と地域の大きなお祭りとイベントが多いからである。
それも予算に織り込むのだ。
 
そんな家計簿も13年ほどになる。
ライフステージは、ビックイベントの目白押しである。
 
オットが結婚当初勤めていた会社を辞め、新しい会社に再就職した。
不妊治療に膨大なお金がかかった。
マンションを購入した。
住宅ローンを組んだ。
子どもが生まれた。
オットが定年退職した。
 
毎月月末に、10分程度の話し合いの場を持っているおかげで、これらのビックイベントにもお金の話し合いが容易にできて、すぐに核心につけた。
 
結婚当初、私が家計簿と奮闘している姿を見て、呆れていたオットも
これらのビックイベントの際に私が
「お金はこれだけあればいい」
とサッと提案する様を見て
「このためにやっていたのか!エライ!」
と感心していた。私の努力が報われた瞬間である。
 
前年の同月に、どう暮らしていたか、とすぐ家計簿が出せる。12年前子どもがまだ生まれていなかった、11月はどんな暮らしだったのかも、すぐに出せるのである。
そう、未来の自分が困ったときの為に、事前にガイドブックを書いているようなものだ。
 
もし、今、家計簿をつけようか迷っておられる方がいたら、何の迷いもなく、家計簿をつけることをお勧めする。自分が1月最低限にいくらあれば暮らせるのか、数字で把握しておくことは、なによりも精神安定剤になる。そして、自分にとって譲れないものは何か、と自分の価値観を見直す作業にもなる。
 
ケチるために、家計簿をつけるのではない。
「やりたいことを実現するためには、経済的な面ではどうしたらいいのか」
と考える時の、これ以上のガイドブックはないのである。
 
済んでしまった過去の買い物を帳簿につけることは、意識が過去に向いているのではなく、意識は未来に向いているのだ。
 
 
 
 
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2019-12-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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