テレワークという当たり前
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記事:前田明日香(ライティング・ゼミ日曜コース)
いまの会社では、世間でいうところの「テレワーク」という制度が整っている。
上司から許可を得れば、いつでもどこでも月の取得上限数以内は、会社以外の場所で仕事ができる。台風などの天災、業後すぐに用事があるから現地近くで、あるいは旅先で。
そんな自由に働ける制度と職場の雰囲気、インフラ面の整備がされている。
私も好きな舞台を見るために土日に県外へ行き、月曜はそのままコワーキングスペースで「テレワーク」をして、フレックスを使って夕方の便で福岡へ帰ってくる―という働き方を毎月のようにしている。無駄に有給休暇を取得しないで、時間のやりくりをして、趣味と仕事の両立ができる。台風や豪雨などの悪天候は、前日に「テレワークをするなど、身の安全を確保するように」というアナウンスも上司から出る。おかげで悪天候により交通網が麻痺して、駅へ入るために数時間並ぶ、という事態に巻き込まれることも少ない。
ペットの犬が大手術をしたときは、水飲みの介護くらいなら、仕事の片手間にしてあげられる。業後すぐに動物病院へ連れて行くこともできて、あの時は本当に「テレワーク」があって助かった。
もちろん「テレワーク」をするデメリットや条件はある。
公共の場で仕事をするなら、PC画面を他人から見られないようにしなければならない。
さらに、「テレワーク」をするなら予定している作業と完了した作業を、定量的に上司へ報告をしなければならない。
コミュニケーション効率は、対面に比べるとやはり落ちる。チャットツールもビデオ通話ツールも使用するし、コミュニケーションは普段から活発だ。それでも対面で「五感」を使ってコミュニケートするよりも、伝達効率は下がってしまう。特に細かい仕事の話をチャットツールで延々と繰り返していると、数時間を費やしていたり「何で出社してるときに回してくれないんだ!?気が利かないな!それ今ツッコむこと!?」なんて憤ることもある。
オンラインの会議へ自宅から参加すれば、大事な場面でペットの犬が鳴き出して、笑われてしまうということもある。
デメリットといっても、あくまでも「テレワーク実施時」の小さな「不便さ」で、実はいくらでも改善はできる。そして当たり前だが得られる恩恵の方が、はるかに大きい。
今や、私にとって「テレワーク」と、それによって得られる恩恵は「当たり前」なこととなっている。今更他の会社へ転職して「テレワーク」のない環境でやっていける自信がない。
私は「テレワーク」で1番重要なのは「成果さえ出せば細かいことは言わない」という会社と自分との信頼関係だと思っている。
細かいこと……。
思い返せば、転職前はOfficeソフトを駆使してドキュメントをひたすら作成し、それらを印刷していた。お昼休みは決まった時間のみで、好きな時間に取りにくかった。病欠などで休むときは、電話連絡が必要だったし、当然ながらフレックス制度もなかった。厳しい上下関係、ひたすら上司を立てる。言いたいことは言えない、意見も出せない。暇でも定時まではしっかり会社にいなくてはいけない。
そんな職場環境だったが、今は真逆だ。
オープンな意見交換が可能で、仕事はとてもやりやすい。Officeソフトなんて会社で使用することはほとんどない。プリンターなんて年に2度くらいしか触らない。お昼は1時間であれば、好きな時間に行ける。この会議、やる必要あるのか?この作業、やる必要あるのか?と思えば「やる必要あるんですか?」と言える。議論ができる。無駄なことはしないでいい。集中して仕事をすればいいし、上司と腰を据えて話す機会もある。余計な気遣いをしないでいいので、飲み会も「酒を!飲むぞ!うまいものを!食うぞ!」という会なのだ。本当に。
めんどくさければ「行かない!」でいいし、何のあと腐れもない。
フレックス制度もあるので、コアタイムは確実に勤務すれば「今日は早く帰りまーす」だけで15時には退社できる。
ここにあるのは、ただ純粋に「効率的に仕事をして、成果を上げる」という本質だけで、余分な「しきたり」が削ぎ落されている。
「テレワーク」は何も特別なことではない。今なら、いくらでも導入事例があるだろうし、メリットもデメリットも考慮できるはずだ。
社員は仕事をして、成果を上げて、評価をしてもらう。
会社は社員が安心して、安全に、仕事ができるように制度を整える。
お互いに気持ちのいい関係。「テレワーク」はそんな互いを気遣う「当たり前」な制度だと思う。世の中のたくさんの企業が導入して、天災で通勤が困難になる人が少しでも減ると、世の中に少しは余裕ができそうだな、と「テレワーク」をしながら夢想する。
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