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メディアグランプリ

はっきりと断らなかったことから始まった私の未来

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:石塚 勝巳(ライティング・ゼミ冬休み集中コース)
 
 
「来年から消防団に入ってもらえないかな」
 
 

私が消防団に初めて誘われた時の言葉だった。声をかけてくれた人とは、お互いの子供が同級生であることから知らない仲ではない。これを聞いたときは「どうせ冗談で言っているのだろう」としか思っていなかった。だから、笑ってごまかしていた。顔を合わせるたびに誘われるが、笑ってごまかすということが続けていた。
 
 
そもそも仕事で都内まで通勤しているから、有事が起きた際に何も役に立てない。ましてや、人の命に関わる大きな仕事だ。こんな生半可な気持ちでやって良いわけがない。やってはいけないのだ。そう思っていた。きっと、断る理由、やらない理由を探していたのだろう。だから、この時の私は正式な依頼が来たとしても断る気でいた。
 
 
でも、断れなかった。正確に言うと断る勇気がなかった。断ることでその人との関係が悪くなることを怖れていた。だから、はっきりと伝えられなかった。煮え切らない態度をしていれば、そのうち諦めてくれるだろうとも思っていた……。時間だけが過ぎ、結局、入団の書類にサインし、入団することになってしまった。
 
 
どんな人たちがいるのか、どんな活動をしていくのか、まったくわからない……。正直、私に務まるのか、ただ漠然と不安が募っていくばかりであった。ものすごく後悔していたし、断れなかった自分自身に嫌悪感すら覚えていた。
 
 
それから、数日が経ち、班のメンバー全員との初顔合わせがあった。自己紹介とともに率直に不安な気持ちを伝えた。
 
 

「活動は出られる範囲で構いません。みんな仕事を持っている中で活動をしているのだから、出られない日があっても仕方ありません。無理しないでみんなで協力しあっていけば良いのです。機材の扱い方も動き方も最初わからなくて当然です。やりながら覚えていけばよいのです」
 
 
このように言葉をかけてくれたのは、班長だった。ほかのメンバーの方も頷いて、同調してくれた。この言葉とメンバーのみんなが共感してくれていたことでだいぶ不安な気持ちは軽くなっていた。そして、気さくな人たちばかりだった。もうちょっと、頑張ってみようかなって思えるようになっていた。
 
 
それから、2年間が過ぎた。
有事に備えた訓練も恒例となっている活動も有事の出動も、いろいろ経験した。
上手くできたことも失敗したこともたくさんあるし、大変だと思ったこともある。
でも、終わった後は楽しかったと思えるようになっていた。
 
 
「あー、消防士さんだ! かっこいい! がんばって!」
通りかかった少年が叫んで少し恥ずかしかったが、正直嬉しかった。
 
 
消防活動を通じて、つながりもできた。このつながりが今では財産である。誰かが困っていれば、協力するするし、私が困っていたときには助けてもらえる。そして、何より仕事中は都内にいるため、家族に何かあってもすぐに駆けつけられない。そんなとき、地域の方々に助けを求められるのは心強い。子どもたちの未来を守りたい。だからこそ、私は消防活動を含め、地域のために貢献したいと思えるようになっていた。私の中でいつの間にか使命へと変わっていた。
 
 
あのとき、断っていたら今はどうなっていたのだろうか。きっと、できない理由を並べて逃げていたかもしれない。なんでも楽しもうと思えていないかもしれない。
 
 

どんなにハードルが高そうだと思っていても一回そこに飛び込んで見ると景色は一変する。
 
 
飛び込んでみても必ずしも成功するわけではない。でも、行動しないところには何も生まれない。失敗をしたら「失敗」したという事実は変わらないが、「失敗」の解釈は変えられる。「失敗」してもそれはきっと自分自身を彩るスパイスになる。だからこそ、何でも飛び込み楽しむ。
 
 
自分の未来は自分が決める……。すべての未来を自分の意志で切り開いていく……。このような人生を送れたらどんなにかっこいいことだろうか。でも、最近わかってきたことがある。創りたい未来を流れに身を任せてみることで見えてくるものもあるのではないだろうか。選択できる未来の範囲の中でしか行動していないだろうか……。
 
 
どんな未来も創っていくのは自分。どんな未来を創りたいのか。いまどんな経験をしているのか……。そのためにどんな行動をしていくのか。舞い込んだチャンスを手に入れられるか。
 
 
やってみないとわからないことなら飛び込んで見た方がいいのではないだろうか。すべては、自分考え方次第。流れに任せることで視野が広がることもある。受け入れて、行動してみよう。

 
 
 
 
***
 
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2019-12-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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