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服がほしけりゃ、断捨離すればいいじゃない!


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記事:倉嶋麻里(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「片付けるっていっても、もの置く場所ないんだよねえ」
「このタンスの中、ここ数年ほぼ使ってないでしょう。なら捨てちゃっていいじゃん」
 
新型コロナの流行をきっかけに、今年3月、約3年ぶりに私は実家に戻った。
 
私の家族は、今の時代には珍しく6人家族だ。
家は東京近郊の一軒家。
とは言えここまで構成員が多いと、当然1人1部屋なんて夢のまた夢だ。
 
私と母は6畳ちょっとの部屋を2人で使っている。
長らく別生活をしていた私の荷物を全部持ち込むとなると、当然勃発するのが
「ものの置き場がない」問題。
 
というわけで、お世辞にも広いとは言えない都内のアパートの一室に暮らしてきた中で「シンプルかつミニマムな暮らし」なるものに目覚めていた私は、いそいそと自分の服を整理し、ゴミ袋3つ位の量を破棄、或いはリサイクルに出した。
 
といっても、これくらいでは全然足りないのはお察しのとおり。
溢れ出した服たちが居場所を占領するのがどうも気に入らず、ついつい私が
母に言ってしまったのが、冒頭の言葉だ。
 
あまり考えずにさくさく処分できる私とは異なり、
ものを捨てられない彼女にとって思い出の品を捨てるのは辛いことだ。
 
やはり、行きてきた年数分、手にしてきた服も多ければ、
思い入れのある服も多い。
 
一般に言えることだと思うが、
断捨離というのはエネルギーを必要とするものだ。
 
新型コロナで在宅時間が長くなった昨今、断捨離する人が大量発生した。
巷では、燃えるごみの量が激増しただけでなく、一時古着回収が滞った自治体もあったらしい。
 
その理由は、なにも物理的に時間が有り余っているから、だけでなく
休日の自由な時間に旅行や趣味などに没頭していた気力を持て余した人たちが
家で打ち込めることを見つけた結果でもあるだろう。
 
そんなこんなで、特に何もなく数ヶ月が経った今朝。
 
なんと、母が突然、ごみ袋を持って、古着回収に出そうとしているではないか!
 
「まりちゃん、これ全部捨てようと思うんだけど、一応着られるものがあったら見てみてくれない?」
 
そんな、服の流行や形はすぐに変わっていくものだし、今更着られるものなんてないだろう。半ばそう決めてかかって中身をあけたそのとき。
 
……。
おどろいた。
 
古着屋さんで並んでいるみたいなかわいい古着が、意外とでてくるではないか!
ほしいと思っていた可愛いブラウスに、おばあちゃんが買ってくれたという
爽やかな夏用スカート。
 
今までシンプル主義を貫きすぎて、毎日のコーディネートがマンネリ化していたこの頃、
カジュアルな服がほしいけれど、買いに行くのもためらわれる……。
ちょうどそんな時に、服は向こうからやってきてくれたのだ。
 
肩幅が大きいジャケットなど、どうしても今の形に合わないものもあったけれど、
彼女が結婚前や直後に着ていたという四半世紀以上前のブラウスやスカート等、組み合わせ次第でおしゃれに着こなせそうなものが驚くほど出てきた。
 
流行りは繰り返す、というのはよく言ったものだ。
とある説によると、流行りはおおよそ20年毎に繰り返すらしい。
というのも、前もってアパレル業界の人がその年の目玉となるものを発信した結果が
流行というもので、
その人達が若い頃や青春時代に求めていたスタイルをアレンジしたものを、
業界の立場で発信するという流れがあるかららしい。
 
どうりで、今着てもしっくりくるのか。
 
就職した時に、おばあちゃんに買ってもらった品。
裁縫得意な知人に仕立ててもらったセットアップ。
 
そんなエピソードを聞きながら見ていると
ただのタンスの肥やしに見えた服たちに、一気に命が吹き込まれたように思えた。
 
これを着て会いに行ったら、おばあちゃんびっくりするだろうな。
そんなことを思いながら、一つ一つ自分が着られるものをピックアップしていった。
 
断捨離。
それは、暮らしをシンプルにし、過去のものへの執着を断ち切ること。
でも、断捨離とは、ただものを「捨てる」だけではない、と私は思う。
 
それは、持ち主とものにまつわる思い出をめぐることであり、
時に、忘れかけていた素敵な服と出会えるまたとないチャンスともなる。
 
断捨離というと、自分の持ち物を整理することがほとんどだろう。
けれど、もし機会があれば、親子、家族など、親しい人と一緒にやってみてはいかがだろう。
 
きっと、ワクワクする素敵な瞬間があるはずだ。
 
 
 
 
***

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2020-08-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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