メディアグランプリ

ずっとずっと不満だった、あなたの食事に


記事:南園 貴絵(絶対麗度デトックス・ライティング)
 
 
「お母さんのご飯美味しくない!」
今から17年くらい前、そんなことを吐き捨てた覚えがある。
それ以降、わたしは母のお弁当を食べていない。
25歳で一人暮らしをするまでは、週に何度か母の作ってくれた夕食を食べていたが、ひとり暮らしを始めてからは数ヶ月に1回となり、結婚してからは年に1~2回となった。
 
そして、ここ数年は母の手料理を食べた記憶がない。
実家で夕食を食べるときには、母は決まって「きえちゃんの口には合わないから、今日はあなたの好きなもの買ってくるわね」と言って、出来合いのものか、○○の素で味付けをするようになった。
 
わたしはあまり記憶にないのだが、どうやら母の料理にいつもケチをつけていたらしい。
少なくとも母はそう思っていたようだ。
 
たしかに中学生の頃、友達の家では「ビーフストロガノフ」とか「ポトフ」とか、当時のわたしは聞いたこともないような料理が食卓を彩っていたと聞き、強い憧れを抱いたが、我が家ではせいぜい溶かすだけのルウを使ったビーフシチューが出るくらい。ポトフなんて食べたことはなく、冬にはストーブの上で何時間も煮込まれた「おでん」ばっかり食べていた。
それまで、ファストフードもほとんど食べたことがなかったので、友達と店に行っても、注文の仕方もわからなかったし、食べられるメニューがわからなかった。……というより、食べられるメニューがほとんどなかった。
 
名古屋市内の高校に進学し、電車通学となり、行動範囲とお小遣いが一気に増えた。バイトもするようになり、自由に使えるお金が増えたことで、友達とコンビニやスーパー、ファミレスに寄る機会も増え、家では食べられないようなものをたくさん食べた。
 
そして次第にわたしの味覚は変化していき、母の食事だけを食べていた頃には考えられないほど、食品添加物まみれの日々を過ごした。
仕事で疲れたからと、帰宅途中にコンビニに寄って炭水化物ばっかりのお弁当を買って帰ったり、休日にはビールを飲みながら抱えきれないほどのスナック菓子だけを食べて過ごすこともあった。
そうかと思えば、昔から商品の『原材料』を見るのが好きで、できるだけ食品添加物を使用していない食品を買い、健康に気を遣っている気分に浸っている日々もあった。
 
そんなわたしがこの5月からインパルスと天狼院書店のコラボ企画である「絶対麗度ビューティー・レコーディング」に参加するようになり、野菜の摂取量を増やすために泣きついたのが、ほかでもない母だった。
 
10年以上前から、母が週末に朝市(近所の農家さんが自慢の採れたて野菜を持ち寄り、売っている)に欠かさず通っていることは知っていた。そして、ここ数年はお気に入りの農家さんが出している野菜を買い占めるくらいたくさん野菜を買っていることや、農家さんが家まで売りに来てくれることも聞いていた。
 
両親の食事は、朝食はたっぷりの野菜。父のみトーストとコーヒー付き。昼・夕食は基本的に野菜たっぷりの和食を中心としたおかずと味噌汁、魚が主で、肉は少し。自分で煮た大豆と漬物は欠かせないらしい。そして午後のコーヒーには、豆皿に入るだけのナッツを食べる。
 
手の込んだ料理、という印象は全くないが、自分達のライフスタイルに合わせた無理のない食事。料理ばかりに時間を割くことができないから、忙しい朝でも野菜がいっぱい摂れるようにしている工夫も教えてもらった。
 
あれほど不満に感じていた母の食事。
あらためて聞いたら、すごく眩しく見えた。
そして、また母が自分の手料理をわたしに食べさせてくれるようになった。
 
17年前に父は狭心症を、12年前に母は乳癌を患っている。
今は元気に過ごしているが、それぞれ入院・治療を経てきた。きっと、それぞれの命と向き合った時間、考えても考えきれないほどの時間を過ごしてきたのだろう。
健康にもより一層気をつけるようになり、食事を見直し、運動量を確保するためにふたりでウォーキングも始めた。毎朝、血圧や体重をはかり、その日の体調や行ったラジオ体操・筋トレなどの記録もノートにつけているという。
 
「あれ? それって、今わたしがやっている絶対麗度のビューティー・レコーディングと同じやん!」
その飾り気のないノートを手に取り、思わず笑ってしまった。
まさか、こんな身近に実践している人がいたとは思いもよらなかった。
 
ファストフードやおしゃれな名前の洋食に憧れて、母の作る食事を毛嫌いしていたころのわたしには到底わかることのない幸せが、そこにはある。
 
絶対麗度ビューティー・レコーディングに参加して、食事の内容を見直し、食品添加物の摂取を抑えて野菜やたんぱく質の摂取量を増やしたことで、今、少しずつあの頃の味覚を取り戻しつつある。
 
食事や睡眠、活動量の現状を知り、自分で少しずつ改善できる方法を模索するという、この3ヶ月の取り組みはかけがえのない体験となり、確実に自分自身を変えてくれた。
体重や体型の大きな変化はみられないが、これから変わるための土台作りが完了したところだと思うので、この先変化があるはず!
 
少なくとも、積極的に散歩する、ビューティートレーニングを継続するといった体を動かすことを継続できていることは大きな変化であり、自信をもてるようになったところである。
 
それでもやっぱり、また母の手料理を食べられたことがこのプロジェクトに参加して一番嬉しかったことであり、感謝してもしきれないことだろう。
 
 
 
 
***
 
この記事は、株式会社インパルス様とのコラボ企画「絶対麗度ビューティー・レコーディング」内カリキュラムである、「デトックス・ライティング」です。心の毒を吐き出すことで、メンタルを整えます。

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2020-08-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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