メディアグランプリ

人は夕焼けグラデーションのように変わる


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:佐藤純平(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
河川敷で、ぼーっとしながら1人夕日を眺めているのが好きだ。
別になにをするでもなく、ただただ、ぼーっと。
なんてことのない風景が広がっているだけなんだけれど、なんか安心できる。
散歩して少し休憩してる、おじいちゃん。
子供たちと一緒に野球の練習をしてる、お父さん。
子供と一緒に犬の散歩をしてる、お母さん。
 
そんな人たちを見て、なんの関わりもなく、交わることもきっとないのに、こんなことしてる人なのかな? こんな性格の人なのかな? こんな状況なのかな? と勝手に妄想している。
 
しばらくぼーっとしていると、空がだんだんと青から赤に変わっていく。
気づかないほどゆっくりとゆっくりと赤が広がっていく。
まるで空に赤い絵の具を一滴垂らしたみたいに、じんわりと染まっていく。
 
「綺麗だな」
そう思っていたら、ふと人間が変化するスピードは夕日と一緒なのかもしれないなと思った。
忙しなく流れる日々の中で、ぼくらもゆっくりとゆっくりと変わっている。
ただそれに普段はなかなか気づけなくて、あるタイミングで変化を実感できるのかもしれない。
 
「変わりたい!!」
そう思っているときはついつい焦ってしまうことが多い。
大学生を卒業して、会社員として働いていたときに、ぼくはかなり焦っていた。
毎日同じ時間に、同じ電車に乗って、同じ職場で、同じ人たちと……。
そんな生活に飽き飽きしていたし、このまま40年間もここで働くのは無理だと思っていた。
この状況から抜け出すために、変わらなくちゃいけないなと必死になっていた。
 
色々なイベントへ参加をしてみたり、たくさんの人に会ってみたり、有名な自己啓発本を読んでみたり、インターネット上で名を馳せている人たちから教材を買ってみたりした。
情報をたくさん手に入れて、その中で目ぼしいものにチャレンジしてみた。
副業みたいなものも実践してみた。
でも、なかなか大きな成果を出すことはできなかった。
情報だけを手に入れて満足していた。
どういう風に変わりたいかもわかっていなかった。
ただ、がむしゃらに変わるんだと決めてあれやこれやと手を出していた。
結果が出ないのは当たり前だった。
 
会社員生活3年目を迎えた頃、その後どうするかも全く決めていないにもかかわらず、仕事を辞めることにした。
とにかく何か現状を変えたくて、何か行動しなくちゃって思っていた。
たぶん焦っていた。
 
貯金はある程度あった。
1年間は生きられるぐらいはあった。
でもそれも数ヶ月で使ってしまった。
というのもイベントや本、セミナー、教材などなどにお金をこれでもかっ!! と注ぎ込んでいたからだ。
完全に焦っていた。
やけくそになっていた。
ガラッといっぺんに今の現実を変えてくれる何かを探していた。
パッと魔法のように一瞬で変わることはできないだろうかと考えていた。
結果お金だけが減って、成果はなに一つ出やしなかった。
 
貯金がもうそろそろ底をつくんじゃないか? と思われるときに、新しく仕事を始めた。
でもその仕事も1年ぐらいでやめてしまった。
その後も新しい仕事に就くものの、半年から1年ぐらいでやめてしまった。
副業も引き続きやっていたが、相変わらず新しいものに手を出してはやめての繰り返しだった。
変わりたい!! けど変われない!!
そうずっと思っていた。
 
そんな状態が数年続いた後、フリーランスのライターとして活動できることになった。
それでも自分はまだ変われていないんじゃないかと思っていた。
どう変わりたいかもまだわかっていなかった。
でも今まで経験してきたことが少しずつ役に立ってることに気づいた。
イベントや本、セミナーで得た知識を人に教える機会ができた。
様々な仕事を経験したことで、物事を多くの視点で捉えることができた。
成果が出なくてもあきらめず挑戦し続ける強い気持ちを持つことができた。
 
そんなことを考えていたら、自分は少しずつ変われているのかもしれないと思うようになった。
ガラッといっぺんに変化したわけでもないし、パッと魔法のように一瞬で変化したわけでもない。
ただ自分でも気づかないぐらいゆっくりと、夕焼け空のグラデーションのように変化していた。
それにあるタイミングで気づくことができた。
1秒1秒全く同じ自分は存在していないのだろう。
 
自分は変われているだろうか。
このままでいいんだろうか。
そんな不安を抱えているときに、河川敷でぼーっと夕日を眺めていることが多い気がする。
大丈夫。
気づいてはいないけれど変化はしている。
それに気づけるタイミングはきっとくるはずだ。
 
 
 
 
***
 
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2020-08-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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