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情けは人のためならず

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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:寺井 由佳(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
新型コロナウィルス騒ぎで世の中自粛ムードが盛り上がってきていた4月上旬、私はあるFacebookグループに招待された。友人から何の説明もなく招待され、最初は意味がわからなかった。グループの説明を読み、ようやく意図を理解した。簡単に言うと、コロナの影響で通常の販路で売れなくなっている商品をネットで販売しようというものだった。商品のほとんどは、賞味期限が近づいていたり、旬が限られているもので、このまま販売できないでいるとただ廃棄せざるを得なくなるものばかりだった。それを訳アリということで、通常販売価格の40%割引くらいで販売していたのであった。
 
私は当初、支援の気持ちと、お得感で気に入った商品をいくつか購入した。
 
一番最初に購入したのは、野菜だった。無農薬野菜であったこと、毎日消費するものだからあっても困らないと思い購入した。よく考えてみると、送料がかかるので商品の割引分はちゃらになってしまうくらいの金額になった。そういう意味では、あまりお得とは言えなかったかもしれない。しかし、せっかくの野菜が廃棄されてしまうのが心苦しかった。丹精込めて育てた野菜が廃棄されていく姿を目の当たりにする生産者さんがいたたまれなく思われ、生産者さんを支援しているつもりで購入していた。出展される商品は、当初、生鮮食料品が多かった。そのころ、外出自粛ムードが高まり、飲食店への客足が鈍っていた。お客さんが減った飲食店は、当然、材料が不要になるため発注が急に減ってた。そういう飲食店に卸す生鮮食料品が余ってきていたのである。
注文した野菜が段ボールで届いたとき、私はとても心が温かくなった。段ボール箱の内側に手書きで感謝のメッセージが書かれていたのである。通常のオペレーションと異なり、発送の手間が増えているだろうに、一つ一つの箱にメッセージを書かれたのかと思うと感動して目がうるっとした。それと同時に、私は反省もした。購入した最初の動機が、”お得”という理由だったからである。お得感がなかったら買っていなかったかもしれないと思い、自分が情けなくなった。生産者の方は藁にもすがる思いで出品されているのを軽く受け止めていたからである。段ボールへの手書きのメッセージや、同封してあったプリントされた野菜の説明書から、野菜を子供のように愛し、育ててこられたように感じたのである。生産者さんの思いがあふれているように感じられた。本当に大変な状況なのだろうということもあらためて感じたのである。そして、現在購入できる状況にいる自分の環境に感謝し、そのことに気づかせてくれた生産者さんに感謝の気持ちでいっぱいになった。
 
次に購入したのは、ユリの花だった。ユリの花がもともと好きだったこと、ちょうどお花が自宅にない時期であり、しかも50%割引になっていたので購入することにした。野菜のときと同様に、こちらもお得感が決めてになっていたと思う。その商品は、少し茎が曲がっていたり、花が不揃いという理由もあり、他のものより割引率が高くなっていたのである。自宅に飾る予定だったので、多少不揃いでも何の問題もなかったため購入することにした。しかし、購入の最終段階になって少し躊躇した。支払金額が算出されたとき、商品よりも送料の方が高かったのである。それでも綺麗なお花が届くのがイメージできたので購入することにした。
ユリの花が届いたとき、私は生産者さんに申し訳ない気持ちでいっぱいになった。ゴルフバックが入るくらいのすごく大きな段ボール箱に立派なユリの花が綺麗に梱包されていたのである。ギフト用で注文したのではなく、自宅用で注文したにも関わらず、包装紙に包みリボンもつけてラッピングされていたのである。こちらは、パンフレットと手書きのメッセージが書かれた紙が同封されていた。そこからも、本当にユリの花を愛し、楽しんで育てられていることが伝わってきた。生産者さん自身もユリの花が大好きで、ユリの花を育てて生きていることが幸せというようなことが書かれていた。その思いがすごく良く伝わる紙類であった。それを感じた自分も幸せな気持ちになった。そのような素敵な生産者さんと出会えたご縁に感謝の気持ちでいっぱいになった。
 
きっかけはコロナ支援であったが、私自身が学ぶことが多かったように思う。今回の経験により、自分を見つめ直す機会になった。情けは人のためならず。辞書では、「情を人にかけておけば、巡り巡って自分によい報いが来る」という意味が記載されている。辞書で表現されているような目に見える自分へのよい報いがあったわけではないが、十分、自分のためになった出来事であった。結果的にはやはり、情けは人のためならずであったように思う。
 
 
 
 
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2020-08-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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