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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:奥村洋介(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「ありがとうございました」
ガソリンスタンドからマイカーで道へ出た。
挨拶されたとはいえ、ガソリンを補充したわけではない。
2年車検をガソリンスタンドで終わらせ、家に向かったのである。
ガソリンスタンドは、ガソリン販売だけでなく車周りのことをいろいろやってくれる。
家の近くのガソリンスタンドでも車検を受け付けてくれるのである。
 
4年前までの車検は、トヨタの販売店に出していた。
「メーカー系列の販売店であれば技術が確かだろう」と思っていた。
郵便ポストに入っている車検のチラシは、安い価格の業者の紹介である。
確かに安いが、どれも聞いたことがない車検工場である。
車は命を載せて走っている。
走ってる最中にタイヤが外れた事故を聞いたことがある。
山道など人気がない場所で事故でも起きたら取り返しがつかない。
「安全の為のコスト」だということで、多少高くてもメーカー系列販売店に出していた。
 
系列販売店にとって車検の売上は大きくないようである。
営業マンのノルマ達成額に入らないのであろう。
新車を1台売る売上と比べると、系列販売店は車検獲得に力が入らない。
それもそのはず、見積りや請求書を見ると10万円の内税金が6万円ほどかかる。
見積通りの数字だと、車検工場の取り分は10万円から6万円を引いた4万円。
この4万円の中には部品代も入る。
工賃は、2万円にも満たない。
車検の扱いは、新車販売の売上に比べると1/100くらいである。
 
もちろん車検を行うということは、将来の顧客と定期的に連絡をする機会である。
車の買い替えのタイミングには、馴染みの販売店へ最初の一報を入れるだろう。
営業マンも、新車の提案する機会があるため、車検の存在意義はあるのだろう。
 
しかし前回の車検の後に事件は起きた。
車検を出した後に1週間もしないうちにエンジンの調子が悪くなった。
始動後10分くらいすると、電力不足の亀さんマークがパネルに表示される。
車を動かすのには支障はないが、亀さんマークが出てくると気が気でしょうがない。
いつ止まるのかドキドキする。
車検をした工場に連絡するが、原因がわからない。
亀さんマークは、車検の点検項目には該当しませんとの冷たい回答であった。
 
車検に出すのは、このような不測のトラブルが起きないためである。
毎回10万円以上の出費は、安心料なのである。
車検に出した後のこのトラブルは何だとストレスがかかる。
 
亀さんマークは、常時点灯しているわけではなかった。
亀さんマークは10分も走っていると消えてしまう。
いつなるか分からない点灯後、すぐ工場に持っていけるわけでもない。
用事を済ませて、工場に持っていた時には亀さんマークが消えている。
異常の状態が分からないので工場でも理由がわからない。
バッテリーの電力が少し落ちているので、交換されたらいかがでしょうかといわれる。
しかしバッテリーの交換には3万円ほどかかる。
車検の中で点検をやってくれればよかったのにと恨みたくなる気持ちになる。
メーカー系列の車検工場への不信感がわきはじめた。
 
そんな気持ちを抱いたまま、先日車前方の左側をポールにぶつけ凹ましてしまった。
試しに修理の見積もりを4社ほどに依頼してみた。
メーカー系列の修理工場では、車検と同じくらいの10万円の見積もりが提示された。グループ車検工場は、車体を外して丁寧に作業をしてくれるということであった
20年以上使っている車である。
そこまで高度な修理は求めていない。
 
次にポストに投函されるチラシの家から近くの修理工場に見積を依頼してみた。
ここでは半額の5万円の修理代であった。
なんでも中古パーツを活用するということである。
中古パーツであれば、車体を外す大掛かりな作業はいらない。
「こんなやり方もあるのだな」と思った。
 
さらに通りがかったガソリンスタンドでも見積もりを取ることにした。
驚いたことに一番安い4万円の見積もりであった。
車体を外さずに、内側から凹んだ箇所をたたき出すという。
幸い塗装は剥げてないので、そのくらいの修理で充分である。
ただ、メーカー系列でもないガソリンスタンドで品質は大丈夫なのかと疑問であった。
 
その時点で、車検が2か月後に控えている。
車検と一緒に出すとどうなるのか聞いてみると2万円ほど割引できるとの話であった。
2か月間、凹んだ箇所を誰かに見られてしまうことを我慢すればよい。
この割引額は大きい。
メーカー系列の工場には、前回の車検後の修理で、品質に疑いがあった。
よって名より実を取ることにした。
 
考えてみれば、私は時計の分解掃除もメーカーには出していない。
自動巻きの時計は3年に1度メンテナンスをしなければ動かなくなってしまう。
ただ、この分解掃除が1回5万円以上するのである。
5万円といえばちょっとした時計が買えてしまう。
高さに耐え切れず、分解掃除を、町の時計屋に変えることにした。
そこは老舗の時計店で、戦後からの歴史があるお店である。
日本の時計修理技術の大会で、いくどとなく受賞をされているようだ。
正確に動き、メーカーに出していた時より調子が良い。
 
これからもサービスを選択する時は、思考停止せず内容を吟味していくことにしよう。
 
 
 
 
***
 
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2020-08-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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