はい、ほぼ「アラビアンナイト」出身です
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:米村 彩加(ライティング・ゼミ夏期集中コース)
「あ~、砂漠のところだよね」
自己紹介で出身地を伝えると、今まで数えきれないほど言われてきた。
そのイメージのとおり、ニューヨークタイムス紙にはサハラ砂漠に例えられ、ナショナルジオグラフィック誌には「まるでアラビアンナイトの世界」と表現されるほど、豊かな自然の中、乾燥地帯でもないのに突然現れる不毛の大地というのはインパクトがある。
どこまでも広がるような砂の大地、その向こうに広がる豊かな海。
夜になると街の中心近くからでも天の川が見え、高確率で流れ星に出会える。
国立公園に指定され、人々の心をとらえる美しい山もあり、水がきれい。
たしかに、特徴を上げると「アラビアンナイトの世界」や「おとぎ話の国」のようだ。
もうひとつ、世代を問わずよく言われるセリフがある。
「その出身の人と初めて知り合いになった」
そう言われるのも無理はない。人口は、人気リゾート地のモルディブと大差ない55万人ほど、東京で例えると八王子市と同じくらいの人口しかいない。
私だって東京で、同郷の人と偶然、知り合いになったなんて奇跡は味わったことがない。
ここまで紹介してきたが、別に私は海外の小さな国の出身なのではない。
これらは、すべて日本国内のとある県のことなのだ。
もうおわかりの方もいると思うが、もう少しヒントにお付き合いいただきたい。
まず、「砂漠」とよく誤解されるが、実際は「砂丘」だ。
何が違うの? という感じだが、簡単に言えば「砂漠」は雨がほとんど降らず、植物も育たない荒地であるのに対し、「砂丘」は風に運ばれた砂が堆積した地形を指し、雨も降れば、植物も育つ。
「砂漠」と違い、昼と夜の気温差が40℃になったりすることもなく、危険なサソリだっていない。
過酷さを比較するならば、サバンナと動物園ぐらい違うだろう。
つまり、生きるのが困難なほど過酷な環境でもないので、すぐ近くには、民家もあるし、スイカやなし、らっきょうが育つ畑だってある。
ただ、私自身は一度だけその「砂丘」への入口を間違えたことで、プチ遭難してしまったことがある。
すぐ助けてもらえそうな環境だが、命の危険を感じるスリル、それはまるで動物園のライオンの檻に間違えて入った鹿、といったところだ。
炎天下の中、まわりは砂と海水しかない。
のどが渇いても飲み物もない。
携帯の電波も入らない。
そんな中、砂の上を歩くことの困難さといったらなかった。時間としては1時間程度だったと思うが、永遠にも思えるほどの絶望感だった。
中途半端に進んだことで、ひき返す勇気もない。そんな中でも、遠くに見える人々の方へ歩けば、砂漠の蜃気楼のように消えてしまったり、遠ざかっていくこともなく、歩いた分だけゴールが近づくのが唯一の救いだった。
もし、そんな遭難の疑似体験に興味がある! という酔狂な人がいたとしても、正規のルート以外から入ることは避け、必ず飲み物を持っていくことをお約束いただきたい。可能なら万が一に備え、Wi-Fiを持っておくと安心だろう。
「そんな準備したら楽しめないのではないか」と思うかもしれないが、正規ルートでも目の前に立ちはだかる砂の壁に向かって、さらさらの砂の上を歩く、それだけで遭難レベルの困難さは十分味わえるので、ご満足いただけるだろう。
話は逸れたが、アラビアンナイトの世界といわれるほどの雄大な自然は本物だ。
水質調査AAランクの綺麗な海があり、夏でも基本人が少ないので、場所によってはリゾートさながら、プライベートビーチ気分を満喫できる。
星空についても、環境省が実施する全国星空継続観察で唯一、県庁所在地なのに1位になったことがあるほど、流星群関係なく流れ星がきらめいている。
綺麗な水は、某有名メーカーでも採用され、私たちが生きていくには欠かせない地位を築いている。
信じられないかもしれないが、普通の家の蛇口から、塩素が少なくミネラルも多い、ペットボトルの水よりおいしい水がでてくる。
まさに山の恵みだ。
そのおいしい水で育った食べ物もおいしく、まさに食のみやこである。
食べ物の中でも注目すべきは、和牛だ。海鮮のイメージがある人の方が多いと思うが、実は知る人ぞ知る、和牛大国なのである。
五年に一度開催される和牛日本一を競う全国和牛能力共進会、いわば「和牛界のオリンピック」第一回大会で優勝し、現在の有名ブランド牛の始祖として歴史に不朽の名を残す優れた名牛も、かつてこの地で生まれ育った。
もし、あなたが肉好きと豪語するなら、食べて損はないだろう。
その他にも、きっと誰もが見たことがあるだろう、日本を代表する漫画家の出身地でもある。
クールジャパンの代名詞でもある漫画は今でこそ有名だが、そこまで漫画に馴染みがない人や、海外の人でも昔から有名なあの漫画たちは知っているのではないだろうか。
黄色いちゃんちゃんこでおなじみ、妖怪の先駆者「ゲゲゲの鬼太郎」や数々の事件を解決し、名探偵の地位を確立している、そう「名探偵コナン」である。
そのキャラクター達への県民の愛は、県内に2つもある空港にいずれもその漫画たちのキャラクターの名前が入っていることや、街のいたるところに現れるキャラクター達からも感じることができるだろう。
パスポートなしでも行ける「アラビアンナイトの世界」興味のある方はぜひ訪れてみてはいかがだろうか。
ただし、飲み物とWi-Fiは忘れずに。
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