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お盆に帰省出来なくても


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お盆に帰省出来なくても
記事:藤井佑香(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
今年のお盆は、皆さんはどこでどの様に過ごされただろうか。
例年通り過ごした、という方も居れば、帰省したかったがコロナウィルスの影響で帰れなかったという方もいるかもしれない。
 
私は、実家に帰りたくても帰れなかった組だ。家族は広島に住んでいるが、私は東京で暮らしている。家族へのウィルス感染のリスクを下げるため、今年はお盆の里帰りを自粛することにした。
 
仕方ないことではあるが、少し後ろめたい気持ちである。お盆の過ごし方は人それぞれだと思うが、私にとってお盆と言えば先祖の墓参りである。今年はそれも出来ず、亡くなった祖父母に挨拶に行けないことが申し訳ない気持ちである一方、東京からでも出来ることはある、とも思った。そう思うようになったのは、先日観た映画がきっかけだ。
 
『リメンバー・ミー』というディズニー&ピクサー映画をご存知だろうか。日本では2018年に公開され、”泣ける作品”として大ヒットした映画なので、観たことがある人も多いかもしれない。最近たまたま観る機会があったのだが、確かにとても感動的で、すぐ大好きな作品になった。物語は、ラテンアメリカ諸国の「死者の日」という伝統行事を中心に描かれる。この行事は日本でいうまさにお盆のようなもので、亡くなった人が存命の家族の家に帰ってくる日だそうだ。それもあって、映画で描かれるテーマの1つが「死」なのだが、この死に対する考え方が興味深い。主人公のミゲルという少年は、ひょんなことから死んだ人達が住む死者の国に迷い込んでしまう。そして、死というのは2つあることを教えられる。1つは私たちが普段考える肉体的な死。もう1つは生きている誰からも完全に忘れ去られ、死者の国からも存在を消されてしまう死。しかしこれは裏を返せば、存命の誰かがその人のことを覚えている、あるいは語り継いでいる限り、死者の国では永遠に生き続けられることを表している。この考え方を中心に、映画ではミゲルの冒険が繰り広げられる。そして、私はこの考え方がとても好きだなと思った。死んだ人のことを誰かが覚えていれば、完全に死んだとは言えないんじゃないかと解釈出来たからだ。自分の”肉体的”には死んだ祖父母も、もしかしたらまだ死者の国で生きているんじゃないか。そして、私たちが彼らのことを語り継げば、ずっとそこで生きていられるのだろうか、なんて思った。もちろん映画の中の話ではある。だけど、もしそう考えることが出来るのなら、故人に想いを馳せるというだけでも供養になり得るんじゃないだろうか、と思うようになったのだ。
 
そして迎えた今年のお盆である。8月14日。今ごろ広島の家族は墓参りに行っているだろうか……と思いながら家でゴロゴロしていると、父からLINEでビデオ通話がかかってきた。応答すると見覚えのある風景が映し出されていた。
 
「リモート墓参りどう?」
 
そこは祖父のお墓がある場所だった。丁度家族がお墓参りに来たタイミングに合わせて電話をかけてくれたのだ。リモート墓参り……ニュースでは見たことはあったが、まさか自分がいきなり当事者になるとは思わなかった。その後すぐに祖父の墓が画面に映し出された。
 
「はい、お参りどうぞ!」
 
えええ、いきなり?? 父の掛け声とともに突如始まった墓石とのLINE通話である。「南無阿弥陀仏」と大きく書かれたお墓と私の顔が同時に画面に映っているさまは、何とも言えないシュールさがあった。しかし同時に、お墓を目の前にすると「リメンバー・ミー」を観たことが思い出された。そうだ、お線香はあげられないしお供えも出来ないけど、今出来ることは祖父を思い出すことだ。そう思うと、画面越しではあるが自然に手を合わせることが出来たのだ。いつも墓参りでやっているように、(心の中で)祖父に近況報告をした。その後墓石とのLINE通話は切ってしまった。しかし、リモート墓参りを実際にやってみると、手を合わせて故人を想うということは、場所を問わないなと感じた。そこで、他の亡くなった家族についても同じようにやってみることにした。リモートで繋げる場合は繋いでもらい、画面越しに手を合わせた。それが難しい場合は故人に想いを馳せる、ということをしてみた。彼らを覚えていると確認することが、離れていても出来る供養なのだろうなと思い、私なりのお盆を過ごした。
 
もし、私と同じようにお盆にお墓参りが出来なかった……と後ろめたさを感じた方が居たとしたら、時間がある時に心の中でお参りしてみてはどうだろう? 実際にリモートで繋いで貰えるなら画面越しに。難しければ静かに故人を思い出す時間を作ってみる。死者の国は映画の中の話でしかない。だけど、亡くなった方々に思いを馳せれば、少なくともあなたの心の中ではずっと生き続けることが出来ると思う。
 
 
 
 
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2020-08-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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