メディアグランプリ

メンタル強くなりたいと切実に願っている私が始めたこと

thumbnail


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:小森 文(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「で、そんときさ、机をバーンって叩いて、”上等だよ、表出ろよ!”って言っちゃったわけ」
ランチタイムのいつものカフェ。窓際の席に座ったMは、タバコの煙をふーっと吐き出しながら言う。食後のコーヒーを待ちながら、彼女が前の職場を退職する直前に元上司と殴り合いの喧嘩になりそうになったというエピソードを聞いた。
 
(殴り合いのケンカ? 男性上司と?)
 
私の経験から言うと「男性上司と殴り合いになる」という状況がいまいちピンとこないのだけど、Kの口からきくとなぜか自然だ。「上等だよ」なんてドラマの中でしか聞かないセリフも彼女の口から聞くと違和感がない。
 
Mは営業部の女性マネジャーだ。チェシャ猫を思わせるずんぐりした体型に、ぱっちりしたつり目、太くてくっきりしたアイライン。昭和のサラリーマンみたいにいつも同じ格好、黒のパンツにカットソーのセットアップが彼女の制服だ。仕事のときは黒しか着ないという。腕も太い。日焼けした肌にいつも汗をかいている。元ヤンキーだし、専門学校時代にキャバクラでバイトしていたときの話とかワイルドな武勇伝に事欠かない。学生時代から現在に至るまで私のまわりにはいなかったタイプだ。
 
Mは結構イヤなやつでもある。いじわるだし、声もでかくて暑苦しいし、社内に敵も多い。しかし私は彼女に一目置いている。一緒に仕事をするようになって1年は、彼女のことが苦手だった。今もひとくせあって厄介な奴だと思っている。
 
でも、私が彼女を評価している点は、まず、売り物だったらマンホールの蓋でもティッシュでも売ってくるような「できる営業マン」である、ということ。そして何より「強いこと」。
 
私はといえば。一応女性管理職ってやつだけど、後輩の視線にひやひやしたり、同僚の一言で落ち込んだり。ちょっとしたミスでくよくよして死にたくなったり。こんなことで傷つかない鉄のメンタルがあれば、どんなに仕事って楽だろうと思う。強くなりたい、とずっと思ってきた。
 
メンタルが強いってどういうことだろう。弱虫で落ち込みやすくて、嫌だったら逃げたっていい、恐ければ逃げろと自分に言い聞かせながら生きてきた。実際にいろんなことから逃げて逃げて逃げまくった結果、今の自分があるということを理解しているので、どうも自分の人生に対して後ろめたさを感じている。
 
「あたしはさ、そもそも体が強いんだよね。体力が有り余ってんの。体力だけはいじょーにあるから、それでずっと男ばっかのなかで、ぜってー負けないと思ってやってきた。さらにその前の会社でさ、なんで私じゃだめなんですか? って上司に言ったときに、女だからやらせらんないって言われて、んで、ボクシング始めたんだよねー」
 
営業マンとして、頭ひとつでた存在になりたくて、男ばかりの営業会社で誰よりも優秀でいたかった彼女は強くなろう、と心に決めて、ボクシングジムに通い始めたのだそうだ。私はボクシングにも当然ボクシングジムにも詳しくない。彼女によるとそこは「かなり有名」なジム(かなり、の発音はいまどきなやつだ)で、「元チャンピオン的なかなりすげートレーナー」に直接指導を受けて、どんどん強くなって腹筋が割れて「そんときは、痩せられたのー♪」だそうだ。
 
「それで強くなれた?」と私が聞くと、「そだねー。いざとなったら、てめこのヤロやるか? ってマインドになれたし、てめ殺すぞ、って感じで、たいてーのヤツが怖くなくなった」と言う。
 
実際彼女は口も達者で会議のときにじっくり見ていると先制攻撃が上手いのがわかる。言い負かされない強さもある。ボクシングのエピソードを聞いたあとでその格闘シーンを見ると、なるほどですね、とうなずける感じ。
 
私はといえば、大柄な男性に言い返せなかったり、疲れているとつい落ち込みやすくなる傾向があるな、と分析していた。メンタルな強さとフィジカルな強さや体の丈夫さは関係があるんじゃないか、と思っていたところに、Mとのこの会話だった。
 
「フィジカルを強くすれば、メンタル強くなれるかも」
 
「強くなるってまさかそんな単純なこと?」と自分に問いかけつつも体力をつけようというこのシンプルなアイディアにワクワクしはじめていた。
 
私自身はハード文系だし、ボクシングはちょっと無理そう。でも走ろう。毎日走ろう、筋トレやろう。ヨガとか女子っぽいボディワークで体をメンテナンスしてきたけど(それはそれでマインドフルネス効果もあるしよしとして)プロテインと筋トレ、ランニングを日常に取り入れはじめた。
 
私のマッチョ化計画はまだ始まったばかりだ。体重が増えた。筋肉もちょっとついてきたと思う。ヨガだけをやっていたときとは、体のかたちが変わってきた。呼吸が深くなった。イヤなことを言われたとき、揚げ足をとられたときの、あのさーっと血の気が引く感じがなくなってきた。
 
フィジカルな強さがメンタルの強さをサポートするという考えは確信に変わりつつある。きっと私は強くなれる。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325


■天狼院書店「シアターカフェ天狼院」

〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目8-1 WACCA池袋 4F
営業時間:
平日 11:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
電話:03−6812−1984


2020-08-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事