広報は「文章クレーマー」でしょうか?
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:おおつかよ (ライティング・ゼミ日曜コース)
広報は「文章クレーマー」じゃないかと思うときがあります。
私が属する業界では、新聞以外の雑誌やウェブなどの文字媒体がブランドやブランドの製品を紹介してくれる記事を公開する前に、必ずと言っていいほど原稿内容について確認の依頼があります。
校正チェックと呼ばれるこの作業を担っている方も多いと思います。ここでは、事実関係の修正はもちろん、使われている表現がブランドイメージに合っているかどうかも精査します。事実と違う場合や表現が合わない場合は適切に赤ペンで修正して原稿をお戻しします。
長く広報をしていると、原稿を真っ赤にして戻したことも星の数ほどあります。ライターさんが頑張って書いてくれても、ブランドの意図がまっすぐ伝わっていなかったり、表現の切り口がイメージと合わなかったり。真っ赤な原稿を添付してメールを返信する時には「せっかく書いてくれたのに、ごめんね」と思いながらいつも送信ボタンを押しています。
修正だらけの原稿を受け取るライターさんの気持ち。うるさいブランドはたくさんあるだろうから慣れっこだろうか? スケジュールに追われてへこんでいる暇さえないでしょうか? とはいえ、嬉しい気持ちになることはないでしょう。
ときどき自分に問うてみます。「じゃあ自分は書けるの?」と。「できないよ!」即答です。誰かが書いた文章を細かくチェックして、いかにも正しいのはこちらですよと言わんばかりに指示するだけで、自ら生み出すことは苦手です。
確認を依頼される原稿は、自分の担当が100文字くらいのキャプションだったとしても企画内には何十もの商品紹介があり、1つ1つバリエーション豊かに書かれています。数千字の記事でも、資料や取材をもとにブランドが魅力的に感じるようにまとめられていることがほとんどです。ベテランのライターさんが書いた記事では、チェックしながら感動してしまうこともありました。
イチから文章を生み出し、多量の文字数をクリアし、いくつもの案件をこなしていくライターさん。文章を直すのは得意だけど、まったく書けない私からは尊敬の念しかありません。書くことに苦手意識がある私は、文章を創作できる人に憧れています。自分で書かずに修正ばかり。けれども、さまざまな文に触れてきたから、心を打つ文章を書けることに憧れがとても強いのかもしれません。
これまでの人生で莫大な量の文章を自分で書いたのは、大学の卒業論文だけでした。厳しくも愛情深い教授に恵まれ、日本語の正しい使い方も先生にこれでもかというほど叩き込まれました。校正チェックで自分なりのこだわりがあるのは、その影響が強くあるからだと思います。
卒業後はデザイン系のクリエーションへ進み、文をクリエイトすることはありませんでした。今の「広報」という職種についた時も、外国語の原文を訳して日本語らしく整える、という作業がほとんどで、新しく何かを書く、という機会は訪れないままでした。
広報として若手からベテランまで個性豊かで美しい文章に出会うたびに、「こんな風に書けたらな」と憧れるようになりました。憧れはどんどん強くなり、いつしか「こんな風に書けるようになる!」という目標になりました。
けれども、広報になる前もなってからも、モノやビジュアルで自らのクリエーションを表現するという、目で見るもので勝負してきたので、文に感性をどうやって含めていけばいいのか、方法がわかりません。何かを書こうと思ってパソコンに向かうと、子どもの頃に大の苦手だった夏休みの読書感想文のように、思考も手も動かなくなるのです。
それでも完成した時の満足感、そして誰かに褒められ、気に入ってもらえた時の喜びは、モノも文章もきっと同じなのだろうと思えました。それゆえに、ますます憧れが強くなっていったのです。
「文なんて自転車に乗るように覚えれば誰でも書けるようになるものだよ」とよく聞きます。今、その「自転車」に乗れるように練習を始めました。それが、天狼院書店のライティング・ゼミへの参加をスタートしたことです。
今まだ「まずはサドルに腰掛けてペダルに足を置くんだよ」というような、超初歩的なところにいます。この1回目の課題ですでに自転車を立てるところから大きくつまずき、なかなかサドルにまたぐこともできませんでした。ここまで書けたことで、ようやくヨロヨロと踏み出せたようです。
自転車をスイスイ乗れるようになったらどんなに気持ちがいいだろう。考えを文章に乗せて誰かに伝えることができたらどんなに素晴らしいだろう。夢と希望は大きく広がっていきます。
このゼミを無事に完走できて、自転車をうまくハンドリングできるように文章を書けるようになったら、ライターさんの原稿を真っ赤にして戻すことへの気持ちも変わるかもしれません。ブランドイメージに沿った表現にこだわらず、ライターさんの意図をもっと理解できるようになるかもしれません。
書けもしないのに原稿にケチつけるだけのクレーマーから卒業したいと思うのです。
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この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
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