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夫婦生活をよくしたければシャツを見習ったらいい


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:市原冴也香(ライティング・ゼミ5月開講通信限定コース)
 
 
妻がスプーンを忘れてカレーライスだけ出したら、夫が「ママ、スプーンがないよ。これ手で食べるタイプ?」と言ったという読み物が話題になっている。
 
気になったので読んでみたら、離婚に向かっている夫婦生活あるあるが描かれていた。
 
私は人間関係を変えるコーチングをしており、過去の相談全て含めると2000人以上の方の相談に乗ってきている。
 
そんな私が思うに、夫婦生活は一枚のシャツみたいなものだ。
 
ボタンのついたそのシャツを着ると、いつの間にかどこかのタイミングでボタンがかけ違っていたりする。それを最後まで留め切ったところでボタンのかけ違いがなくなることはない。
 
ではどうやったらかけ違いがなくなって、10年、20年、30年とお互いに尊重しあえる夫婦になるのだろうか。
 
冒頭の「カレーを手で食べろってこと?」という話しも、ボタンのかけ違いの一部にすぎない。
 
どちらかに非がある話ではないが、
「夫が黙って取りに行ったらいいじゃない!」
「妻が『そうよ手で食べるのよ』とユーモアで返したらよろしい」
という簡単なことでもない。
 
ボタンはかけ違いは、2つの要因によって起きるのだ。
 
1つは日常にある。
そしてこれはあるものを生み出していく。
 
新婚の頃、こんな会話をした覚えはないだろうか。
 
「今日のごはんも美味しいね!」
「うふふ、ありがとう。愛情込めて作ったのよ」
「こんなごはんを食べられて幸せだなあ!」
「私も幸せ。あ、ごはん足りない?もうちょっとよそってくる?」
「うん。よろしくね」
 
この会話には重要なかけ違い要因があるのだが、分かっただろうか。
 
あるのは妻の気配りだ。夫が要望してないことでも汲み取って、先回りをすること。夫にとっては幼い頃に母がしてくれたように心地良いだろう。
 
「この先もこうやって色々なことをやってくれるんだろうな」
と、夫が無意識に期待をしてしまう。
 
また、こんな会話にも心当たりがないだろうか。
 
「皿洗い、俺がやってあげるよ!」
「ありがとう。よろしくね」
「ふー、終わった。綺麗になったでしょ」
「う、うん。ありがとう……。(水回りビッチャビチャ!それを拭いてキッチンを綺麗にして洗い物が完了って言うんだけどな。もういいや。次から自分でやろう)」
「どういたしまして!(仕事で疲れていても洗い物やる俺、イケてる!)」
 
これにあることは、「もういいや」という諦めである。
 
妻としてやってくれることは嬉しいが、自分の期待値を踏み外されている。にも関わらず、やったと思っている夫がいるのだ。
 
そしてふたつの会話の中にある共通ワードがある。
 
それは「期待値」である。
 
この期待値を自分が踏み外し続けると、相手に不満が溜まっていく。だからこそ期待値を調整することは夫婦関係において大切なことだ。
 
妻は今後もずっとお母さん的役割を担いたくなければ、
「ごはん足りなかったら炊飯器にあるよ」
と、行動ではなく言葉で情報を伝えてみる。
 
夫は妻にニコニコして欲しかったら
「俺がやった家事で、雑なこととかやり残していることあったら言ってね」
と、妻が求めているレベルを知ること。
 
こうやってお互いに期待値を調整していれば、お互いの期待値を大きく踏み外すことはないのだ。
 
そしてもう1つの要因。
それは「反応スイッチ」だ。
 
反応スイッチとは、相手の何気ない言葉や行動にボタンを押されるように反応的になり、怒りが湧くというものだ。
 
これも日常に反応スイッチが押される会話が転がっている。
 
「今日のごはんは味が薄いね」
妻のスイッチオン!
 
「休みの日だからってゴロゴロしないで」
夫のスイッチオン!
 
何気ない会話だけれど、勝手に相手が反応的になるのだ。
 
ではその人はなぜ反応的になるのだろうか。
 
その理由は、「今日のごはんは味が薄いね」と言われたら妻は無意識に「ごはんくらいうまく作れよ」と責められているように感じ、スイッチが作動する。
 
「休みの日だからってゴロゴロしないで」と言われたら夫は無意識に「邪魔!」とないがしろにされているように感じ、スイッチが作動する。
 
無意識に◯◯と感じた時、反応スイッチが押されるのだ。
 
コーチングをしていて、何名かとこういった会話をした。
 
「子供を夫にお願いしようと思うと、夫が嫌そうにするから頼めなくて」
「嫌そうって、具体的にどんな感じなんですか?」
「うーん、嫌そうな顔をしている感じがするんです」
「何か言われたりしますか?」
「いえ、言われません。でも不機嫌になるとあの人顔に出るから……」
「じゃあ今回は思い切ってお願いしてみたらどうでしょうか」
「わかりました……」
 
後日、
「夫にお願いしたら、笑顔でいいよって言ってくれました! 嫌そうにしているのは、私の思い込みだったみたいです!
よく考えてみたら、母親なら子供は自分で面倒見るもんだって思ってました。今回やってみて、夫は頼ってくれると嬉しそうだって気が付きました!」
 
不機嫌だと思い込んで無意識のスイッチが押されていたが、行動して予想と現実が違うということはよくある。
 
私も結婚しているが、私たち夫婦も喧嘩をしたことがある。ただ、その度に「無意識に◯◯と感じる」ことを内省して相手に話すことをしている。
 
そうすると相手の無意識に感じていたことがわかり、そこから改めて会話するとたいてい誤解に気が付く。その結果、反応スイッチが押されにくくなっていく。
 
そしてこれを繰り返すと相手を深く理解をするので仲が深まっていくのだ。
 
夫婦生活をどうにかしたいと思ったら、ボタンのかけ違いのように元に戻すことができる。
 
ほんのちょっと意識を変えてみると、ボタンがひとつひとつ正しくはまるように、夫婦生活もピッタリしてくるのだ。
 
 
 
 
***
 
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2020-08-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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