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サウナの聖地は普通


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記事:窪 耕太郎(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
室内は100℃、頭にタオルを巻き、額からしたたり落ちる汗を拭いながら、壁にかかっている12分計を見つめながら、ただその時を待つ。
誰もが一回くらいは、サウナに入った事はある。ただ、その魅力に取り憑かれる人とそうでない人と二つに分かれる。
こんな前書きをして、相当のサウナマスターのように聞こえるが、私も実は、最初は
「ただ汗をかいて、ダイエットする場所」としか思っていなかった。
暑いのをただ我慢する。忍耐で得る健康? のような。
マンガのあしたのジョーで対戦者の力石徹が水分を取らずに過酷な減量をするイメージがとても強かった。
おそらく、サウナに入らない人たちは、そんな印象を持っていると思います。
私も「あのサウナ」に出会うまでは、そうでした。
そのサウナは、静岡県にある。詳細は、google先生に、聖地、サウナ、静岡、で一発でヒットするのであとで調べていただきたい。
最初に訪れたのは、出張の帰りの5月だった。
お取引先との雑談で、「静岡に聖地があるのを知ってるか?」と聞かれ
また、富士山つながりの滝とか、お寺が多い地域なのでそんな事を想像していた。
ところが、その人はサウナの聖地だと言う。
サウナの聖地? 暑けりゃどこでも一緒でそんな、聖地だなんてと思っていた。念の為、ホームページを見てみると、これまた、普通のよくある温浴施設のデザイン。いや、少し垢抜けていないくらい。
不安を感じながらも、そこまで言われて、「時間ないので行きませんでした」とも言えない状況なので、バスに乗って30分その施設へ。
到着すると、外観も普通。名前もそこの地名を使ったもので普通。
店内に入っても、普通に券売機がある。靴を脱いで下駄箱に普通。
ここまで、全てが普通だったので、もうこれはダメかと。
受付で、館内着とタオルを受けとる。
おや?館内着とタオルが透明のビニールでピタッと包まれている。
それは、お歳暮の高級なハムの真空パックのように、ツヤツヤのピカピカに。
だいたい、普通は棚に積んであるタオルを、むきだしでそのまま、渡される。
この洗濯したての館内着を開けるのはあなたです。と感じさせてくれる、心地よさ。
少し、期待しながら、さあ浴室へ。
洗い場が、20人分くらい、それほど中型のスペース、サウナが二つあり、薬草を浸けてある薬草湯とお風呂、水風呂とオーソドックスなスペック。
年季の入った施設だが、綺麗に清掃されている。
洗い場で体を清め。サウナへ。高温サウナと、薬草サウナと二つある。
まずは、高温サウナへ。暑い。100℃はゆうに超えている、ビリビリと肌にくるドライな暑さ、そして、体は暑さに耐えられなくなり、汗がジワジワ出てくる。発汗が心地よい。10分程入って。
汗をシャワーで流し、さあ、水風呂へ。
あまり、サウナが好きでない人は、この冷水がハードルになる。
心臓が止まってしまう。風邪ひいてしまう。なんて聞いたりする。ここは、程よい温度きっと16℃くらいだろう。
入った瞬間、一発でわかった。
いつもと違う、この肌にやさしく包み込むまろやかさ、心地よい。
だいたい、冷たさで体をシメるような感覚だが、ここは違う。
風呂上りに、化粧水を肌に馴染ませるようにスムーズな感覚。
壁面の説明書きを見ると、理由がわかった。
ここの冷水は、富士山の天然水を引き入れているそうだ。なんと贅沢。
言うなれば、ミネラルウォーターの中に飛び込んでいるようなもの。
ペットボトル、数百本分の冷水に浸かりながら、さらに天井から滝のようにその天然水は流れ落ちる。まともに当たると立ってられないくらいの水流で。
その後、お風呂ではお馴染みの、白いデッキチェアで休憩。
先ほどの、天然水の滝のサウンドを聞きながら、深呼吸。
温浴と冷浴で、体の酸素の循環が良くなり、大量の酸素が脳に送り込まれる。体が無重力になるような感覚になる。
そして、次は薬草サウナへ、こちらは、ブレンドされたハーブを蒸した香りが室内に広がる。よもぎのような香りに包まれる。そして、蒸気もしっかり暑い。
サウナ発祥の地フィンランドでは、ヴィヒィタと言って白樺の葉っぱを束にして、体を叩き、肌への刺激と香りでリラックスする方法がある。
ここは、ヴィヒィタは無いものの、ハーブのスチームはそのような効果が感じられる。そして、至高の水風呂へ。
その後も何度か、この極上のルーティンを繰り返した。
気づいた時には、体じゅうがほぐされ、肌もツルツル、薬草サウナの効果か心も穏やか。
その後も、見た目は普通だが、食事が絶品な休憩所で帰りのバスまでゆっくりして。施設を出る。
最初は普通だなと、思っていた自分がなんと愚かだったか。素晴らしい施設だった。
それからと言うものの、私はサウナの魅力に惹かれ、北は北海道の富良野、南は沖縄まで、様々なサウナを巡る旅をしている。
雪に飛び込むことできたり、山奥のログハウスから、湖に飛び込むことができたり、その土地の魅力が詰まった施設を巡る楽しさを満喫している。
是非、旅先にサウナがあったら、立ちよってみてはいかがでしょうか。
あなただけの聖地が発見できるかもしれません。
≪終わり≫
 
 
 
 
***
 
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2020-08-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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