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「思い込み」って怖いけど、巧みに使えることができたら心強い味方かも。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:白銀肇(ライティング・ゼミ7月開講通信限定コース)
 
 
人の「思い込み」って、思いのほか力があるかもしれない。
この「思い込み」を巧みに使うと、実は自分の思い通りになるのがかもしれない。
 
そんなことを強く感じたことがある。
それは自分の禁煙体験。
 
タバコを吸わない人からすると、ちょっとイメージがしにくい話題かもしれない。
なので、例えば自分が何かどうしてもやめられないこと、みたいなものをイメージして読みすすめていただき、共感ができることがあったら幸いだと思う。
 
喫煙している人にとって「禁煙」というは、それなりに高いハードルであると思っている方が多いのではないかと思う。
少なくとも私はそうだった。
 
私がタバコを吸い始めたのは、高校卒業後に通った予備校のときだった。
大きな声では言えないが20歳前の時で、今から34年前。
 
そして、タバコをやめたのは今から1年と10ヶ月前になる2018年10月1日から。
かれこれ、およそ32年間はタバコを吸っていた。
およそ1日1箱(20本)、多い時で1箱半ほど吸っていた。
体調を大きく崩さない限り、ほぼ毎日このペースだったので、いわゆるベビースモーカーの部類に入るほうだろうと思う、
 
それが、2018年10月1日を境にやめた。
この時、ちょうどタバコが値上げするタイミングであり、それをやめるきっかけにした。
思いのほか、すんなりとやめることができた。
いまとなっては、微塵も吸いたいとも思わないし、タバコのことを思い起こすこともなくなった。
 
タバコをやめて本当によかった、と思っている。
 
金銭的な浪費がなくなったのはもちろんのこと、ます体調が変わった。
疲れやだるさ、息切れというのが無くなった。
それと、匂い(これは家族が大喜びだった)。
そして、何より無駄な時間がなくなった。
 
吸っている人にはわからないと思うが、大体タバコ1本吸うのにかかる時間は大体2〜3分だが、分煙が当たり前となっている昨今では、これにタバコを吸う場所へ行き来する時間もかかるので、その行き来を含めると場所によりけりだが10〜15分ぐらいにはなることもある。
これが日に一度だけでなく数度と行われるわけだから、比較的馬鹿にはできない時間なのだ。
 
さて、禁煙のことに話を戻そう。
 
禁煙をするにあたって禁煙外来とか通院や禁煙グッズといった補助的なツールは一切使っていない。
毎日1箱以上を消費していた元ヘビースモーカーが、どうやって禁煙できたか。
その方法は、自分の「思い込み」に気がつき、そして「思い込み」を利用した、といってもいいかもしれない。
 
正直、本当にやめられるかどうかという思いは正直あった。
そんな思いのなかでやった方法は、「自問」と「イメージトレーニング」だった。
しかも、イメージトレーニングも誰かに教わったとかではなく我流。
 
まず、自分にタバコはどういう存在であって、本当はどう思っているのか、本当に必要なのかどうか、ということを自分に問いかけていって、タバコのへの思いを整理していった。
ここでタバコに対する「思い込み」が浮き彫りさせていったのだ。
 
タバコを吸い始めたのは、予備校の休憩時間に友人から「吸ってみる?」と1本もらったことがきっかけだった。
当時、周りの友人はほぼタバコを吸っており、そんな友人たちが大人びて見えおり好奇心はあったのだが、そうかといって自らタバコを買ってまで吸おう勇気まではなかった。
なんせ、こときは未成年。
そんな状況での友人の誘いの一言は、見事にハマり、そしてもらいタバコからやがて自ら買って吸い出すようになっていった。
これで、友人たちと共通会話のタネがひとつ増やすこともできたな、ということも思い出した。
 
やめる直前まで、タバコは、上司や同僚、後輩との必要なコミュニケーション・ツールであるとの思い込があった。
これをやめてしまうと、仕事上でのコミュニケーションや情報収集に支障が出るのではないか、という危惧がタバコをやめようとする気持ちに歯止めがかかった。
 
しかし、喫煙所で交わす会話を冷静になってつぶさに思い起こすと、そんなにしょっちゅう重要なコミュニケーションしているわけではない。
タバコを吸わない人とのコミュニケーションだって、必要に応じてできているわけだし、何もタバコがあるからコミュニケーションが際立って取れるものでもない、ということにも段々気がついていく。
 
こうした自問の繰り返しで、自分にとってのタバコの思いについて整理がついていった。
結局のところ一言でまとめれば「タバコがなければ人と繋がれない」という歪んだ解釈の「思い込み」があったということだ。
 
そうしたことに気がついていき、そして2018年10月1日からやめた。
 
やめてしばらくは、タバコが吸いたくなることは当然あった。
そんなときには「イメージトレーニング」をしていった。
 
タバコがなくても人とはしっかりと繋がることはできる。
もうそんな思い込みでタバコを吸う必要はない。
そもそも、タバコは自分とって最初から必要なかったものだ。
だから、もう欲しがるような気持ちにはならない。
 
タバコが吸いたい、と思ったときにはこれらのことばを心でつぶやき、「タバコはもう必要ない」ということを身体の細胞ひとつひとつ染み渡るようにイメージしていった。
つまり「思い込ませて」いったのだ。
 
不思議と思うかもしれないが、これで本当にやめることができた。
 
実を言うと、過去にも禁煙チャレンジして挫折を経験している。
そのときの禁煙は、このような自問やイメトレまではしなかった。
ただ、ひたすら我慢することから入った。
それでもそれに慣れ少しは継続できたのだが、仕事の忙しさをきっかけに喫煙が復活してしまった。
今回の禁煙は、哲らかにその時の感覚とはまったく違っていた。
軽い気持ちでできたのだ。
 
変な「思い込み」と、思い込んでしまっているからこそ、それを変えようともにしない心情。
じっくりと自分の内を探っていくことで、その思い込みに気づけることがわかった。
そして、自分の良いように「思い込こむ」ことで、自分の気持ちを思い通りさせることもできるようだ。
 
「できる」「できない」というのは、結局のところ自分の「思い込みひとつ」なのだ、ということを思わせてくれた経験だった。
 
 
 
 
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2020-09-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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