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もう中高年と呼ばないで。


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もう中高年と呼ばないで。
 
記事:しげG(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
今年55歳になったが、この年代はなんと呼ばれるのだろうか。中年? 中高年? まさか初老? 中年ならまだよいが、中高年や初老はもうちょっと先じゃないか。こう思われるご同輩の方々も多いはずだ。
 
40歳を過ぎると若者たちからは「もう中年ですね」などと、からかわれたりする。苦笑いで返すものの「むむっ。まだまだ若いんだぞ」と心の中でつぶやいてしまう。それでも50代に突入すると、耐用年数を過ぎた家電品のようにあちこち故障が出てくる。自ら中年であることを認めるしかないのだ。
 
さて、55歳は中年か? 中高年か? 初老か? という年代の定義の問題だが、気になったので3つの視点から検証してみた。
 
まずはことばの意味からだ。
「中年とは、青年と老年の間の年ごろ。ふつう40歳から50代にかけてをいう」
「中高年とは、中年と高年の年ごろ。ふつう45歳から65歳程度の人をいう」
これはどちらにもあてはまる。
「初老とは、中年を過ぎ、老年に入りかけた年ごろ」
初老については明確な年齢は定義されていないようだが、あてはまらなくもない。55歳はことばの意味としては、中年であり、中高年でもあり、初老でもあるらしい。これでは解決しない。
 
次に心理学者エリクソン(1902~1994)が提唱した「人生8段階説」をみてみたい。諸説あるが、年代の分け方や呼び名が明確に定義されている。
0歳~2歳(乳児期)
2歳~4歳(幼児前期)
4歳~5歳(幼児後期)
5歳~12歳(児童期)
13歳~19歳(青年期)
20歳~39歳(初期成人期)
40歳~64歳(壮年期)
65歳~(老年期)
心理学的には55歳は壮年ということらしい。ことばの響きがいいではないか。中高年や初老などと呼ばれると、旬を過ぎてしまった食材のような印象をもってしまう。しかし壮年は、熟成されたスコッチウィスキーのように価値が高そうな印象だ。念のためことばの意味も調べてみた。
「壮年とは、子どもを育てたり職場の後輩を育成したりなど、後の世代に貢献することで生きがいを感じる年代」
なるほど、長年積み重ねてきた知識や経験を、次の世代のために活かすということか。壮年ということばは、なにか大きな使命感をも感じさせてくれる。このまますっきり解決といきたいところだが、さらに客観的な視点でも検証してみた。
 
3つ目の視点は、厚生労働省「健康日本21」による年代の定義だ。健康増進法という法令に基づいて定められている。
0歳~4歳(幼年期)
5歳~14歳(少年期)
15歳~24歳(青年期)
25歳~44歳(壮年期)
45歳~64歳(中年期)
65歳~(高年期)
55歳はやはり中年ということらしい。さらにこの視点の壮年は、心理学的かつ筆者お気に入りのそれとは、定義が異なるようだ。
 
以上、3つの視点から検証してみたものの、結局解決にはいたらなかった。55歳の明確な年代の定義を絞ることはできなかったのである。
 
困り果てた筆者だが、さらに人生を揺るがすような大きな問題を発見してしまった。読者諸氏はお気付きだろうか。
 
65歳以上の年代の定義を振り返ってみよう。
「心理学的には、65歳以上は老年期」
「国の法令では、65歳以上は高年期」
ひとくくりにされてしまっていて、その先が分けられていないのだ。まるで賞味期限が切れてしまったかのような言い方だ。再びことばの意味を調べてみた。
「老年とは、仕事から退き余生を生きる世代」
これはどうだ? これではもう社会的に必要がないように聞こえるではないか。「人生8段階説」の心理学者エリクソンが生きた時代と現在とでは状況が違う。人生100年時代を迎えるともいわれているし、実際に平均寿命も伸び続けている。それなのに65歳を過ぎたら、何もせずひっそりと暮らしていけというのか。筆者の主観的な考えだが、80歳くらいまでは働けるし、それ以降も趣味や嗜好を楽しむことができる。
 
筆者がいる50代、続く65歳以降の年代をどう定義するか? この問題を気持ちよく解決したい。そこで筆者なりに理想の定義を考えてみた。ことばの意味とその年代の生き方も併記しておく。
 
50歳~65歳(円熟期)
「円熟とは、人格、知識などが充分に熟達し、豊かな中身をもっていること」
仕事でもプライベートでも、喜怒哀楽の最たるものを一通りは経験している年代。ときに優しく、ときに厳しく後進を育成することができる。父親や母親のような存在だ。
 
65歳~80歳(達観期)
「達観とは、目先のことや細かなことに迷わされず、大局から物事を判断することができること」
後進の指導は円熟期に任せているが、必要とあらば前に出て皆を導くことができる。集団の長老のような存在だ。
 
80歳~(成就期)
「成就とは、物事を成し遂げること」
そこにいるだけで周りの人たちに安心感を与えることができる存在。やり残したことをやり遂げる時期でもある。人生のエンディングを周囲の敬意に見守られて迎える年代だ。
 
以上、筆者の理想を定義してみたのだが、いかがであろうか。
 
 
 
 
***
 
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2020-09-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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