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コロナはリトマス試験紙である


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記事:中村真紀(ライティングゼミ・日曜コース)
 
 
コロナはリトマス試験紙だと思う。リトマス試験紙は、酸性とアルカリ性をみわけるのに役立つ試験紙である。コロナは、その人が、その人らしい生き方をしているかどうかを見分ける試験紙のようなものである、と私は思う。
 
連日テレビでは、「感染者数が××人(本当は感染者数ではなくPCR検査が陽性だった人の数なのだが)」「景気が悪くなっている」「飲食店の倒産が増えている」「不要不急の外出を避けるべき」などなど、人々の不安や恐れを煽るような、過剰ともいえる報道が続いている。
 
しかし、実は、私のまわりには「コロナのおかげでこんないいことが起きた」「大きな声では言えないけれど、コロナは自分にはプラスだ。」と言う人が多い。
 
このようなご時世に「私はコロナのおかげでこんないいことがあったのです」なんてことを、大声で言うのは憚れるので、そのような人々が、マスコミの報道にあらわれることはない。しかし、実は、知っている人は知っている、わかっている人はわかっている、ことなのではないか、とも思うのだ。
 
たとえば、昨日、友人のガラス作家に、久しぶりに会った。数か月は、コロナで、予定していた展示会がキャンセルされるなど、それなりに大変なこともあったようだ。しかし、少し状況が落ち着いてきた今、展示会は予定通り開かれ、さらに、新しいお誘いもあるようだ。そして、毎年やっている展示会では、なんと売り上げが倍になったという。
 
なんで、売上が倍になったのだろう、と2人で原因を推測してみた。コロナで旅行や外食が減っているので、可処分所得が増えた。出かける場所が少ないので、展示会に来られる人が増えた。在宅時間が増えたので、インテリア需要が高まった、などの複数の要因が絡んでいそうだ。
 
ポイントは、彼は、「自分の好きなことのために、苦労を覚悟で生きてきた」ということだと思う。50歳代の男性である彼が、大卒後に勤めた損保をやめて、ガラス作家として生きていくことを決心したとき、まわりは「そんなことで食べていけるのか」などと心配もしただろう。それでも、彼が、自分が好きなことをやり続けていく、と決心した時点で、どんな苦労も乗り越える覚悟はできていた。だからこそ、コロナがあろうが、なかろうが、彼は彼らしく、生きてきたし、仮にコロナが彼のビジネスにマイナスになったとしても、それで、自分の決心を後悔することもなかったと思う。そんな彼に、コロナは思わぬ贈り物を贈ったともいえるだろう。
 
これが、たとえば、「本当はガラス作家になりたかった」のだが、世間体や収入を気にして、好きでもない、サラリーマン生活を選び、その結果、その自分の会社がコロナのせいで、倒産してしまったとしたらどうだろうか?好きなことよりも収入を大事にして、好きでもないことを我慢しているのに、その収入がコロナのために失われてしまったとしたら、彼は、好きなことを選ばなかったことを後悔するのではないだろうか?
 
同じことは飲食店経営にもいえる。コロナで三密が避けられるようになった結果、狭い店内にできるだけ多くの席を作ることで売上を最大化するようなタイプの飲食は大きなダメージを受けている。私が目にした飲食関連の記事には「今まで、経営のためにいいといわれていたことが、すべて裏目に出る時代」という言葉があった。
 
一方、私が愛してやまない、応援してやまない飲食店群は、withコロナでも元気である。たいがい、カウンターだけゆったり8席とか、常連さんのみゆったりとか、会員制でゆったりとか、そんなタイプの店である。そういう人たちは、店をはじめるときには、「そんなやり方では儲かりませんよ」などといらぬお節介やアドバイスを受けたのだという。
 
彼らは決して「コロナがきて三密は避けられる」から、そのような形態でビジネスをしていたわけではない。誰がなんといおうと、「自分が納得してお客様に提供したい形態」をつきつめていったら、そうなったのだ。なので、そのことで、経済的な苦労や、最初からうまくいかないことは織り込み済。そういう中で試行錯誤を重ねる中で、自分の納得するスタイルと固定客をつかみ、結果、それがwithコロナの中でぴったりはまってうまくいっているのである。
 
これが、本当はそういうスタイルをやりたいのだが「売上が大事」だから、自分が納得しないやり方で、たとえば飲食コンサルのいうとおりに、席をつめつめにして営業していたとしたら、どうだろうか?それが三密ということで、業績ガタ落ちになったとしたら、自分の決断に納得できるだろうか?
 
要するにポイントは、人生、いつ、何が起こるかわからない。だから、環境与件や、他人の意見や世間体にまどわされて、生き方を決めるのではなく。何があっても自分が納得すること、好きなことを、やるほうがいい、ということなのだと思う。そして、なぜか、そのような生き方をしてきた人に、コロナは今回、コロナだから好調、コロナでも負けない、そんな贈り物を贈っているようにみえる。
だから、コロナは、その人がその人らしい生き方をしているかどうかを見分けるリトマス試験紙なのだ、と私は思うのである。
 
<<終わり>>
 
 
 
 
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2020-09-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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