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性別とは、生まれながらにして持つ自分の個性である

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性別とは、生まれながらにして持つ自分の個性である
 
書き手:にじの 青(ライティング・ゼミ5月開講通信限定講座)
 
 
子どもの頃、きっと皆さん、自分の親に訊いたことが有るはずです。
「何故、自分にはおっぱいが無いのか?」
「何故、自分には股間にぶら下がるものが無いのか?」と。
そして、皆さんの親御さんはこう答えたでしょう。
「あなたは男だから」
「あなたは女だから」と。
そこで、私たちは初めて性別と言う自分の個性に気付くのです。そう、性別は、私たちがこの世に生まれて最初に他人に教えられて知る自分なのです。私はセクシャルマイノリティなのですが、自己紹介する時に、時々、世間との認識の差に驚くことがあります。大概こう訊かれるのです。
「女が好きなの? 男が好きなの? どっち?」と
そのたびに、感じるのです。セクシャルマイノリティとは同性愛者だ、という微妙に違うイメージがついてしまっているのだな、と。
私が自分の性別に違和感を覚えたのは、6歳の事でした。ある日、父親が買った写真週刊誌を眺めていたところを、母親に見つかりました。直ぐさま、週刊誌を取り上げられました。その翌日。学校から帰った私に、母親が「ハイ、これ」と手渡してきたものが有りました。「りぼん」と「なかよし」。少女漫画の王道雑誌です。その瞬間、私は自分が「女性の裸を見ること」を母親にやんわりと否定されたと感じました。でも、何故それが駄目なのかは、解かりませんでした。普段から母親に連れて行かれている美術館に飾ってある裸婦像や女体の彫刻は許されて、写真や漫画に描かれる裸の女性が駄目な理由。どちらも、美しくて私の心を惹きつけるのに。両者の違いが良くわからないまま、歳を重ねていきました。
私が10歳の時、性同一性障害、という言葉が初めてTVのニュースで取り上げられました。「自分と似てるけど、違う」
そう感じました。クラスのみんながカッコいいという、男性アイドルには興味を持てないけれど、かといって女性芸能人が好きかというとそうでもない。勉強や読書が一番好き。女であることを強く押し付けられるのは嫌だけど、男の身体に生まれたかったわけじゃない。でも、みんなとは、ちょっと違う。その自覚は、年々強くなりました。
いっそのこと、同性愛者であれば、こんなにも悩まずに済んだだろうに。そう思ったこともありました。自分の「好き」と向き合うたびに、他人や世間との違いを突きつけられるようになっていきました。「私って一体何なんだろう?」という自問自答の底なし沼に陥りました。その沼から這い出ることが出来たのが、実はつい3年ほど前です。それまで、ずっと自分に自信が持てませんでした。皆と違うことは悪い事だと思い込んでいたからです。
私たちがよくいう「自分のキャラ」は、どこか、誰かと似ているものです。「親譲り」という言葉が有るように、喧嘩っ早かったり、のんびり屋だったり、「自分のキャラ」が肉親から受け継がれた一部分である人も多いと思います。でも、料理が苦手な親だったから料理が得意になった人もいますよね。反面教師というように、親とは真逆なタイプに育つ人もいます。洋服のセンスや、料理、会話の盛り上げ方。これらは、素質もありますが「お手本」を真似て磨いていくものです。そう考えていくと、私たちが普段、自分の個性やキャラと呼んでいるモノは、素質が有る無しに関わらず、「こうなりたいから、身に付けてきた」後付けのものとも言えます。個性がもともと、初めからその人の中に存在しているものを指すとすれば、私たちが生まれながらにして持っている個性とは、大きく2つです。
1つは、肉体の性別。もう1つは、好き嫌いと言う好みです。
好き嫌いには、食べ物から、遊び、仕事、人間関係、全て含まれます。
私は、女の肉体を持って生まれましたが、男性的な性質が多いです。甘いものは苦手だし、群れて行動よりは、独りで自由に動く方が楽。石橋は叩かずに勢いで渡ってしまう。女体特有の曲線美を眺めるもの好き。誰かに手を引かれて守られるより、自ら手を取り面倒を見る方が性にあっています。これを個性と言わずして、何と言うのでしょうか。
ジェンダーと言う言葉があります。「文化的社会的な性別」という意味だと表記されます。でもわかりにくいですよね。私なら、こう説明します。
ジェンダーとは、「ありのままの自分を表現できる性別」。
男だけど、誰かに守られたい。女だけど、バリバリ社会で活躍したい。
「男らしさ」「女らしさ」という今までの枠を超えて、「自分らしさ」を一言で表す性別。私にとってそれが、ジェンダーです。
私自身のありのままの個性は、ジェンダーXという、男女両方の好みや行動パターンを持ち合わせた性別であることです。だから、皆と違うよ、という意味を込めて、セクシャルマイノリティ、性的少数派だと名乗っているのです。
タイでは、性愛の多様性を認める文化があり、なんと18種類のジェンダーが使い分けられています。海外のSNSでは、30種類以上の細かいジェンダーや性的な好みの区分けがされています。男か、女か。この2択に、皆さんそれぞれの個性を押し込む時代はもう終わりです。「自分らしさ」と言う個性を表す根本にある、性別という大切なもの。是非、今一度、自分らしい性別とは何か? そう考えてみていただければ、より、自分について深く理解するきっかけになります。
自分の個性が、今までの「男らしさ」「女らしさ」に当てはまっても、私のようにそうではなくても、あなたと言う個性は、世界にただ一つしかない素晴らしいものなのですから。
 
 
 
 
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2020-09-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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