一年の計は誕生日にあり
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記事:晏藤滉子 (ライティング・ゼミ7月開講通信限定コース)
「誕生日って、大人になると憂鬱になる日だよね……」
同じ年頃の友人達と「もうじき誕生日」の話題になる度、お決まりのように出てくるため息混りの言葉だ。
子供の頃は、誕生日は年に一度の待ち遠しいスペシャルな日。
家族構成がどうであれ、主役を張れる日なのだ。
思春期の頃だって、年齢という視覚化された数字によって「大人の階段」を駆け上るような楽しみがあった。
でも、立派な大人と見なされる年頃になると、誕生日の個人的価値は下落を辿っていくことが多い。一番の要因は「誕生日はひとつ歳を取る憂鬱な日」だから。
女性は特に、ある程度の年齢を迎えると、自身の年齢や体重など個人情報が曖昧になる。実のところ、見て見ぬふりをしているのかもしれない。
書類の年齢記載欄で、ふとペンが止まり「あれ?幾つだっけ・・・・・・」となるのは、面白い事に大抵妙齢のご婦人だ。
友人の中には、我が子に対し5歳ほど年齢詐称し、ひょんなことから辻褄が合わなくなって困ったという笑い話さえ聞く。
その上、大人の誕生日は家族に忘れられる率も高い。
幸いなことに覚えていても「あ、おめでとう」の軽いひと言のみ。
子供の頃のように、ケーキやプレゼントを用意され「主役」を張れる人は多くはいないのかもしれない。
大人にとって誕生日は歓迎されざる日。避けたい鬼門なのかもしれない。
実は、私にとって誕生日は正に鬼門だった。
年齢云々の件ではなく、子供の頃から「最悪の日」であることが多かった。
両親に激しく怒られ、押し入れに幽閉
急な発熱で寝込んでしまう
学校でとても嫌な、凹むような出来事がおきる
失恋した……等々。
想定外のアクシデントが誕生日に起きる、不思議な偶然の一致。
そのジンクスは、大人になっても変わらなかった。
私にとって、誕生日は「とても運の悪い日」であり、
いつの間にか、「お家で大人しく過ごす日」になっていった。
5年くらい前だろうか、占星術の講座に参加した時のことだった。
「誕生日のジンクスの意味」が、「なるほどね……」と腑に落ちるタイミングが訪れた。
占星術の捉え方では、誕生日とは「生まれた時の太陽の位置」と「現在の太陽の位置」が合致するタイミング。ホロスコープと呼ばれる「星の地図」における星の配置だ。
太陽の入っている星座はわざわざホロスコープで調べなくても、
誕生日から簡単に判明するので、認知度は高いし、理解しやすい。
だからこそ雑誌やテレビの占いコーナーなど参考にする人も多いのだろう。
占星術で云う所の「太陽」は、「これからの自分」「自由意志」「目的」を意味する星。誕生日は「これからの1年」のスタート地点を意図する。
つまり誕生日とは、単に年齢をひとつ重ねるというだけでなく、一年間どのように生きていくのか、何を目指していくのか、その最初の一歩を踏み出す日なのだ。
どんなテーマで一年を過ごすのかは人それぞれの思惑があるだろう。
誕生日がそのスタートポイントという事は共通している。
そして、誰にとっても一年に一度必ず訪れる日なのだ。
誕生日を境に、今までのテーマを終了し、新しいテーマに取り組む。
豊かな収穫を望むなら、「私という畑」をキレイな更地に整えておく必要があるだろう。
私は自分の誕生日を「運の悪い日」と捉えていたけれど、
ある意味それは「一年通して走り切る通過儀礼の痛み」なのかもしれないと考えた。誕生日にアクシデントが続いていたのも、リセットを促すパターンなのかもしれない。
実際、私の誕生日の出来事は「その後の転機」に繋がっていることも多かった。
自分の意志を相手に伝える勇気
自信を持つこと
人との距離感を大事にすること……など。
「運の悪い出来事」をきっかけに、自分のメンタルに揺さぶりをかけて耐震チェックをかけていく。そして弱い部分があれば、そこを修繕、補強し盤石にしていく。そのメンタルへの揺さぶりが、私の誕生日に起こる恒例のアクシデントなのだろう。
そこに気づいた時、
「運の悪い日」が「一年の門出の日」に180度ひっくり返った。
その気づきによって、誕生日の価値が一気に上ったのは言うまでもない。
「門出の日」だったんだ……。
そんな特別の日だからこそ、充実した日々となるように。
スムーズにスタートをきれるように心掛けたいと思うようになった。
その気づきの後、私が意識して行動したことは、誕生日前の一ヶ月間の過ごし方だった。
家具の配置や、模様替えなど「家での快適さ」「気分転換」を意識する。
断捨離も最適なタイミング。不要なものはことごとく処分していく。
スペースを空け、新しい豊かなものがドンドン入ってくるように。
そして、思い切って髪を切ったり、イメージチェンジもこの時期に集中する。
自分の大事なベースとなるものを整えていく作業を一か月間で済ましてしまう。
ある意味、誕生日の前祝いのような30日間。「私という畑」のスタンバイをしておこう。
誕生日からの一年、どんなテーマと取り組むのかは、この時期には敢えて深堀しない。ただ、どんなテーマが降ってきても、ちゃんと受け止められるように。
想定外のことであっても、「私は大丈夫」ぐらいの心積もりで。
そして来月、私の誕生日がやってくる。
本日から来年度分の前祝いがスタートだ。
と同時に、掃除機とドライヤーが連続で派手に壊れた。
久しぶりのアクシデントに何故だか笑いが込み上げてくる。
以前だったら「また……運が悪い」となったけれど、今の私はアクシデントもウエルカムであり、ときめいてしまう。
どんな一年になるのだろう。
来月の誕生日は、「面白い人生のために」スタートをきりたい。
とっておきのシャンパンで乾杯しよう。
一年の計は誕生日にあるのだから。
***
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