メディアグランプリ

78枚の鏡に映るものとは


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:まりこラベンダージョーンズ(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
たとえば「モナリザ」。
 
微笑んでいるように思えたり、もの悲しげに見えたり、その日の心持ちによって同じ絵画でも、まったく違うニュアンスを感じることはありませんか?
 
感じ方は、その日の体調や、いま気掛りなことにより変わるものです。ひとつの絵やイメージでも、見る人によって解釈が変わることもあるでしょう。
 
絵や映像、色彩に向き合ったとき呼び起こされるのは、もともと自分の中に備わった感情や思考のように思います。人は、自分の内面にあるものを外部に投影し、すでに自分の中にあるものを、他人の中に見たりするのかもしれません。
 
昔から、占いにはまったく興味のない私ですが、自分でも不思議なほどハマっているのが、タロットカードです。
 
「え、タロット? 占いとかスピ系?」
と思われるのが怖くて、じつは最近まで隠れタロットファンでした。
 
それが、今では生活の一部となり、その楽しさや効果をご披露してもよい頃合いかもと思いこの記事を書きます。
 
一般的にはタロットと聞くと、ジプシー女がベールなど被ってるイメージ、または中世の魔女のような、いかがわしい雰囲気を想像するかと思います。
 
ところが最近では、アート作品としても美しいカードがたくさん創られるようになっているのをご存知ですか?
 
そういったモダンなタロットカードが、近年、どんどん世の中にデビューしていて、一部で熱狂的なコレクターもいるらしい。
 
何かのきっかけで私が目にしたタロットも、モダンな白黒を基調としたシンプルで美しいデザインでした。
 
その絵柄に惹かれて調べると、アーティストがクラウドファンディングで世に送り出したものだそう。しかも、これまでタロットに無関心な層に向けて大ヒットとなった作品らしい。
 
神秘的な印象のタロットカードと現代ビジネス的なクラウドファンディングの組み合わせに、意外な驚きを覚えたものです。
 
このタロットに、一目惚れしました。
 
タロットの「たの字」も知らないながらも、なぜか心惹かれたのです。何日か迷いつつ、画像検索でそのアーティストを調べるうちに、ついに意を決して、初タロットをネットで取り寄せてみたのでした。
 
さて、私は占いに頼るつもりもなく、他力本願のような考え方って、正直あまり好きじゃないなと感じる現実家です。さらに、占い師でもないので、霊もオーラも見えず、未来も予言できません。
 
ですから、人のためにタロットを使う事はほとんどなく、むしろ、内省の時間のツールとして自分のためにタロット・カードを活用しているのです。
 
未来を創り出すのはあくまで自分、という立ち位置です。
 
占いには興味のない私ですが、初めてタロットを手にしてから3年近く、毎日のようにカードを引くことを愉しんでいます。
 
なぜなら、私にとって、タロットは78枚の鏡なのです。
 
ふだん何となく感じていることについて、新ためて気づき、言語化するのにタロットを引き、78枚のカードを日常生活の一部としています。
 
もしや、こんな経験はありませんか。
 
頭では「これをしなくちゃ」と分かっているのに、なんとなく行動できない。
「あれをした方が良い」と理論的には説明できるけど、モヤモヤが残る。
 
それは頭とハートと肚が、あちこち別の方を向いている状態です。
 
逆に、この3つが一致すると急にすべてが動き出し、本当に自分がやりたいことにエネルギーや時間を投入できるようになります。
 
一例として、鏡としてのタロットの具体的な使い方をご紹介しましょう。
 
まず、心の中で決めたテーマについて自問してから、シャッフルしたタロットから1枚カードを引きます。
 
ポイントは、自分で作った疑問に答える形でカードを利用すること。主体的に問いを立てるのです。
 
「今日のプレゼンでは何に気をつけるべきか?」などど、質問を明確にすると、問題が定義できます。そのとき、「何」や「どのように」で始まる質問のほうが、より効果的な答えが湧いてきます。
 
それから、引いたカードの絵を見て「感じたこと・考えたこと」をノートに書き出すワークをします。このようなジャーナリングの効果は、色彩や形、イメージによって、心に浮かんできた言葉・考え・気持ちなどを言語化することにあります。
つまり、モヤモヤしていたことが、自問自答でより具体化するプロセスです。キーワードやイラストや文章として、想いや考えが紙の上に現れてくるのです。
朝ならばその日の意図、どんな一日にしたいかを明確にするために。夜ならば、日中にあったことの振り返りとして。週末に、1週間の見通しや振返りのワークとして行っても良いでしょう。
通常の自問自答と異なるのは、図柄やイメージの力を借りると、理屈や理詰めで「こうあるべき」という左脳的なアプローチから自由になり、クリエイティブな右脳的な取り組みができるところ。
 
ヨガとアーユルヴェーダを背景にヘルスコーチングの仕事をしている私ですが、スピ系や神秘的なことを人に押し付けるのは、望むところではありません。でも、目に見えないものを否定するつもりはなく、むしろ大切なことこそ、目に見えないと思います。
 
私にとってのタロットとは、内省の道具としての、自分の鏡。
その見えない何かを可視化するために、タロットというツールがあるのです。
思考や感情を言葉として「見える化」するために、今後はコーチングにもタロットを生かせたら。クライアントさんの言葉にならないモヤモヤを、引き出せたら……と新企画をワクワク妄想中です。実は、これもタロット・ワークのおかげで閃いたアイデアです。
 
小さなタロット・カードというアート作品とともに、心静かに、余白時間を創る。
ぜひ、お試しを。
 
色彩や絵やイメージから、浮かぶものを大切にしたい。何より、美しいカードを眺めることが愉しくて、奥の深い世界に78枚の鏡を頼りに進んでいく予感です。
 
 
 
 
***
 
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2020-10-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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