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具だくさん味噌汁のすすめ


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記事:Sakko(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「ごはん作ってる間にお風呂入っちゃおうか!」
ワーママの夕方は、分刻みだ。
会社帰り、保育園に子どもを迎えに行き、帰宅。
お風呂掃除をして、湯船にお湯を張っている間に、夕飯を準備する。
炊飯器やオーブン、無水鍋などの時短調理家電にお米や食材を放り込んで、スイッチを入れる。
そして、子どもとお風呂に入る。
お風呂から出たころには、おいしいご飯が出来上がっている。
そんな毎日が私の日常だ。
 
一見、スムーズに見える日常だが、試行錯誤の末に出来上がった日常だ。
 
子どもが1人の時も慌ただしかった気がするが、毎日何とか回っていた。
子どもが2人になっても、上の子はもう4歳だし、自分のことはある程度自分でできるから、たいして時間は変わらないだろうと思っていた。
でも、全然違った。
実際は、2倍近い時間がかかる。
何もできない0歳児のお世話と、自分でいろいろできるけど、かまってほしいし遊んでほしい4歳児のお相手。
 
そんな慌ただしい毎日だけど、食事だけはしっかり食べたかった。
子どもに栄養のあるものを食べさせたいという気持ちもあるけど、何より私がおいしいご飯で幸せな時間を過ごしたかった。
濃い味が苦手なこともあり、外食や総菜が続くと、心が乾いていくような感じがした。
 
産後、里帰りをして母の作ったご飯を食べているとき、産後ボロボロの体に染み渡っていくいく満足感。
「おいしいな」を思う時間が大切なのだと改めて感じていた。
 
そんな母が作る料理は、昔から一汁三菜かそれ以上で、いつも品数豊かでおいしい料理が並んでいた。
 
はじめは私もそれを目指して、週末作り置きをたくさん作ったこともあった。
しかし、1週間分のメニューを考え、週末の4~5時間キッチンに拘束される苦痛と、残さず食べきらないといけないという強迫観念が、私にはストレスで、結局作り置きは長続きしなかった。
そして、何より作り立てのほうがおいしいのだ。
 
そんなある日、有名な料理家の土井善晴さんが書いた本に出会った。
その本は、一汁一菜のすすめについて書かれていたのだが、そこで印象に残った2つのエピソードが私の行動を変えた。
 
1つは、ハレとケについて。
「ハレ」とはハレの日というようにお祝い事のような非日常のこと。
「ケ」はその反対の言葉で、日常を表すという。
毎日の日常があるから、「ハレ」の日がめでたく感じる。
そのために、「ケ」を意識することが大切だと書かれていた。
食事も、「ケ」である毎日は、シンプルに。
 
2つめは、お鍋はハレの日の食べ物で、お味噌汁はケの日の食べ物であるという話。
そして、お味噌汁を具だくさんにしてしまえば、一汁一菜でも十分栄養価の高い食事になると書かれていた。
 
私は毎日、ハレの日のご飯を作ろうとしていたのかもしれない。
ふと、そう思った。
そして、日常のご飯は、シンプルにしようと決めた。
 
土井先生は一汁一菜をおすすめされていたが、もう少し満足感が欲しいと思い、私は一汁二菜のメニューを基本としている。
 
平日のメニューはだいたいこの4品。
・白米
・主食(お肉やお魚)
・副菜(野菜、豆類)
・具だくさん味噌汁
 
白米は、無洗米を炊飯器で炊くだけ。
主食は、シンプルに肉や魚を焼くだけが多い。
副菜は、野菜炒めを作ることもあるし、豆腐や納豆で終わらせることもある。
そして、何より大事にしているのが、4品目の具だくさん味噌汁だ。
 
具材は、必ず3品以上入れることにしている。
豆腐、わかめ、油揚げ(冷凍)は常備しているし、そこに野菜やきのこを一口サイズに切って入れる。
ダシは煮干しが好きなので、朝、大きめの計量カップに水と煮干しを数匹丸ごと(頭も内臓も取らないで)入れて、冷蔵庫に入れておくと、夕方にはしっかりと水出ししたダシが出来上がっているので、それを使う。うっかり忘れたときは、粉状のだしの素でもOK。
だし汁と具材とみそ汁をホットクックに入れて、「具だくさん味噌汁」のメニューを選択し、スイッチオン。
 
これだけで、十分おいしい夕食が出来上がる。
具だくさん味噌汁があるおかげで、野菜をしっかり食べられる。
旬の野菜を取り入れたり、具材の組み合わせを変えるだけで味が変わるので、飽きることもない。
何より、手抜きの罪悪感がほとんどなくなった。
 
とっても忙しい日も、冷凍商品と冷ややっこに具だくさん味噌汁で、なんだか充実したご飯になる。
4歳の娘は、苦手な野菜でもみそ汁にいれると食べてくれることが多いので、それもうれしいポイントだ。
 
「今日は何のお味噌汁を作ろうかな。」
出来上がった時の味を想像しながら、野菜を準備している時間が、私の好きな時間になりつつある。
 
 
 
 
***
 
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2020-10-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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