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そして水星はアウトプットの沼にダイブした


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:晏藤滉子(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
私は子供の頃から、人見知りながらも「人間」というものに興味があった。
人が好きというよりも、「興味」「関心」が人に向かってしまう。
人間観察が大好物で、言動のその向こうにある「隠された本音」を覗きたくなってしまう。
 
私が「心理職」を生業としていることは、ごく自然な流れだったのかもしれない。
 
どんな職種であろうと、それを仕事レベルまで上げていくには、学びは不可欠だ。講座、セミナー、ワークショップ、読書・・・・・・知識を習得(インプット)するための情報は巷に溢れている。
 
私は、インプットの面白さに夢中になった。
興味をかき立てられる講座は、片っ端から申し込み、その学びを吸収していった。貪欲ともいえるインプット生活はとても充実し、まるでオアシスだった。
 
確かに、私はインプットオタクだったのだ。
 
数年前、心理占星術の講座に参加した時のこと。
心理学と占星術の融合……哲学的で壮大で非常に魅力的な世界だった。
 
占星術の世界では、生まれた時点の「空の星の配置」を読む事が「基礎のキ」となっている。
 
太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星
誰もが、10個の星をホロスコープ(星の地図)にしたためて生まれてくる。
星同志の関係性を読み解いて「個性」「傾向」を分析していく占術だ。
 
その中で、「水星」という星の特徴に私はとても魅かれた。
「水星」は能力、学び、知性などを担っている。
 
他の9個の星に関しては、何を目指すのか、どんな性質の傾向があるのか
先天的な個性が読み取れる。
 
水星も同様に「どんな能力を持っているのか」は示されている。
ただ、水星に関しては、どんな能力を潜在的に持っていたとしても
「意識的に鍛えなければ、絶対開花しない」という能動的な星なのだ。
 
素晴らしい能力を持っていたとしても、
鍛えなければ宝の持ち腐れになる……。
 
私の水星からは、「情報発信」「どんな物事であってもその裏側を知ろうとする」がメインテーマ。「心の裏側を覗いてみたい」という私の好みそのものだった。
 
問題は「情報発信」……アウトプットは一番の苦手分野であり、いつかは着手しようと先延ばしし続けていた。
 
ホロスコープからは、「アウトプット能力を鍛えなければその先はないよ」と
ガツンと宣告された気分になった。
 
私が、アウトプットを避けていた理由。
それは自己開示が大の苦手だからに尽きるかもしれない。
 
プロフィールや記事において自己開示することが
「自分を見せる」ではなく、「自分をさらし者にしている」と思い込んでいた。
 
心理職をしながらも、自己開示はあえてしない手法をとっていたので
矛盾といえば矛盾ではあるけれど、今まではそれが良い方向に出ていて問題はなかったのだ。
 
どうしたものか……。
結局、アウトプットに関しては1年以上悩み続けていた。
 
その風向きが変わったのは、2019年5月のこと。
何気にsnsを眺めていた時に、あるフレーズが偶然に飛び込んできた。
 
「目指せ! ブログ毎日更新100日」
何気にお気楽そうなフレーズだけど、100日連続なんてピンとこない。
 
「100日か……毎日更新出来たら、その先に何が見えるのかな」
久しぶりに水星が重い腰を上げた瞬間だった。
 
話は横道にそれるが、私の大きな転機はいつもこのパターンだ。
流行やインフルエンサーの影響よりも、「名前も知らない誰かのつぶやき」が私の心の琴線に何故だか触れる。根拠のない直感で動くタイプだ。
 
早速、何年も前に開設したページを手直し、誰にも告知せずブログをスタート。
とうとう水星が「アウトプット沼」にダイブしたのだ。
 
マイルールは二つ。
とにかく、毎日更新。
雑記ブログではなく「心のカラクリ」や「占星術」に関する、有益と感じられるような記事を書くこと。
 
一番の苦しみは、文章を書くことだった。
私は子供の頃から、書くことから逃れようとする。
 
読書感想文は、あらすじを書いて提出するし、手紙やメールは簡潔過ぎると言われたものだ。文章もある意味「思考の自己開示」だから、この苦手意識は頷ける。
 
幸い、長年のインプット生活のおかげで「ネタ」は何とかなった。
でも如何せん「文章力」が乏しいのだ。
 
毎日毎日、1500字前後書き続けた。
時として更新が23時59分30秒の綱渡りもあった。
そんな時は、交感神経が冴え渡り、興奮して眠れない。
 
水星を叱咤激励し、鍛えるあげる毎日。
目標の100日を過ぎても、……不思議な事に辞める気は全く起こらなかった。
 
悪戦苦闘しながらも、文章を書くことを手放したくないと思うようになったのかもしれない。文章を書く生活が当たり前になってきたのだろう。日数のカウントに固執したのは120日くらいまで。
その執着が外れた今では、とうに500日を越えているのは驚きだ。
いつの間にか、苦しみながらも、呼吸をするかのように「今日のブログ」を書き続けていた。
 
もっと文章の質を上げたい。
誰かの心に刺さるような文章を書けるようになりたい。
こんな欲が芽生えるなんて、「アウトプット沼」にドップリ嵌ってしまった証拠だろう。
 
運動習慣がついた水星に、ハードな筋トレを促す時がきたのかもしれない。
私の水星は「知的な細マッチョのイメージ」(個人的な脳内イメージ)
お腹をシックスパックに、上腕筋や背筋を大きくさせよう……
私好みの水星に鍛え上げたくなった。
 
そんな時、snsにてまたもや気になる記事と偶然出会う。
それは、天狼院書店のライティングゼミ受講者の投稿だった。
 
あ、いつもの閃き! このパターンが外さないことは確信している。
 
これだ! ここで私の水星を鍛え上げよう。
4か月間の「水星強化の熱い夏」が始まったのだ。
 
ブログ投稿と毎週の課題提出、両方とも自分で選んだことではあるが
正直キツイ。
 
そうは言いながらも「アウトプット沼」で、私は大きな収穫を得た。
それは、私のネックとも言える「自己開示」への嫌悪感。
これを克服できたことだ。
 
「自己開示」を反射的に避けようとする自分が存在していたが、
「さらし者になるイメージ」は次第に薄れてきたのだ。
無理に克服しようとしたのではなく、自然な形で自己開示するさじ加減を体得したようだ。慣れたといえるのかもしれない。
 
アウトプットにおける自己開示は「さらし者」になることではなく、
「文章にリアルを込める」役割があるのかもしれない。
 
インプットは、知識を吸収し、情報入手の入口となる。
アウトプットは、吸収した知識を自分の脳内で咀嚼し、自分の言葉に馴染ませて発信する。取り込んだ知識を熟成させ、自分の智慧に昇華させる過程こそ大事なのかもしれない。
 
インプットしたまんまの知識は、時が経てば脳内で色褪せ新鮮さを失う。
循環のない澱んだ水では、情報は朽ちてしまう。
お金、仕事、人間関係もエネルギーの循環があって豊かなものになる。
知識も同様に循環なのだ。
 
かつてアウトプットは私にとって高い壁でしかなかった。
でも鍛え上げられた水星に助けられ、私はアウトプットの面白さを随分と感じるようになった。
 
きっと、 これからも私は水星を鍛え続けるだろう。
いつか人の心に刺さるような発信が出来るように。
 
 
 
 
***
 

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2020-10-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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