痩せている人にしか分からないこと
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記事:星河昴(ライティング・ゼミ平日コース)
ダイエットしたいという人は多いだろう。あなた自身がそうかもしれないし、あなたの周りにいるかもしれない。そもそもダイエットという英語が広く浸透していることからも分かる。
しかし(比較的少数派だろうが)世の中には太りたいと思っている人もいる。かく言う私もその一人だ。こう言うとおそらく太っている人達には嫌味に聞こえるかもしれないが、実際太れないのだ。そんな我々が日々直面すること、感じることには以下のようなものがあるのではないか。
まず、無用な心配をされる。「しっかり食べてる?」と。普通に食べてます。寧ろ人並み以上に。私の場合、大学時代は学食という最強の味方があった。安くておいしいのでたくさん食べられる。レシートにカロリーが表示されるので、毎回確認して自分の性別と年齢で必要なカロリーを上回るように意識していた。たまに誰かと食事を取る時は食べる量の多さに驚かれる。やせている人に対して心配を抱く人は、試しに一度周りのやせている人の食事を見て欲しい。恐らくそこまで量が少ないということはないと思う。逆にこっちからすれば「何でそれしか食べないのに太れるんだよ」という感じだ。
ただ裏を返せば、太っている人も周りから食事について心配されたり、安易に「運動しなよ」などと言われたりして鬱陶しいと感じるものなのかな、とも思う。
次に、体型へのコンプレックスから行動が制限される。太っている人のことのように聞こえるかもしれないが逆も同じなのだ。具体的な場面を挙げよう。痩せている男性なら一度はマッチョに憧れることがあるのではないか。そこで筋トレを始めてみる。ジムに行くのだが、周りはゴツい奴らばかりで唖然とする。ロッカールームで肋骨が見えないように一瞬で着替え、場違いなのではないかという不安と闘い、隠れながらトレーニングをする。体型を変えるため(絞るためではなく所謂“ガタイ”を大きくするため)にトレーニングしに来ている人はいないのか、ジムは選ばれし者のための場所なのか、と思ってしまう。少し筋トレを続けられるようになると、栄養などにもこだわり始める。筋トレにはタンパク質摂取が不可欠だと知り、計算してみるが、予想以上に目標摂取量をクリアするのが難しいことだと気がつく。食事では足りない分をプロテインで補うが、これが冷めたミルクティーのようであまり飲む気になれない。このタンパク質の意識的な摂取が面倒になって続かなくなる人も多いのではないだろうか。そこまでしてやるのかと。
そして、着られる服が少ないこと。これも太っている人の問題ではないかと思うかもしれないが、やせている人にとっても問題になる。冒頭でも述べたように、太っていて困っている人の方が多いので、太っている人向けの服が多くなるのは当然イメージできるだろう。特にスーツ。おじさんになってお腹が出てくる人が多いせいか、大きめに作ってあるものが多いように思える。若い男性で細身の人にとっては合うスーツがなかなか見つからないが、正装であるためサイズは気にしなければならず、オーダーメイドを作る等の手間がかかる。
普段着でも、こんな服を着たいと思って試着してみると、「思ってたのと違う」という場面がある。有名人が着ているところを見ていいと思っても、体型が違うのでイメージとのずれが生じてしまうのだ。私はお洒落の知識などほとんどない人間だが、やはりどのような服装にするにしても標準の体型が一番映えるのではないかと思う。着たい服が合わず、服選びが嫌になることが多いのも厄介だ。
いかがだろうか。
結局のところ、太っている人はやせたがり、痩せている人は太りたくなる。ない物ねだり、隣の芝生は青いという人間の性である。それなのに世の中では太っている人が多いため、その人達の「細い方がいい」「痩せているのが羨ましい」という価値観が目立ちがちだ。でも実際には、痩せている人は太っている人にとっての問題に逆の立場から直面し、困っているわけだ。
とは言えそもそも、痩せている人も太っている人も、自分の体型の原因は、普段の生活よりも、遺伝的なものや体質の影響が大きいのではないかと考えることがあると思う。最近家族から聞いた話では、腸内細菌のバランスがその人の体型を決めているという研究があるらしい。だから、例えば痩せている人に太っている人の菌を移植すれば理論上太れるが、病気などのリスクがあるためできないという。このような、体質で「太りたくても太れない」人にとって「細いねー」などと言われることは褒め言葉でも何でもない。
理想の体型についての論争はまだまだ話の種であり続けるだろう。だからこそ太っている人に比べて日頃あまり注目されない、痩せている人にしか分からないことを知ってもらいたいと思う。
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