三日坊主は可能性への入り口
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:かとうかよ(ライティング・ゼミ平日コース)
「うちの子は、ほんまに三日坊主でね。何をやっても続かへん子なんですわ」
これは母がご近所づきあいの中で良く言ってた言葉だった。回覧板が届けられた時や担任の家庭訪問などで、玄関先でそう言ってるのを良く耳にした。でも、この言葉、今思い返せば、うちの母親だけじゃない。よそのお母さん達も良く言ってた言葉だと思う。何度聞いても、言われた方は良い気はしないし、自分でもだめな人間なんだなと自己嫌悪や自己否定するにはもってこいのフレーズなんだとも思う。
そもそも、三日坊主ってそんなに悪いことなんだろうか。
現代の日本において、ネットで検索してみても、三日坊主を克服する方法とか、三日坊主からの卒業とか、どうやったら三日坊主を手放して習慣化できるか、とか、三日坊主はどこまでも悪らしいし、続けられない自分を克服せねば、幸せも遠のいていくような風潮だ。
私は、今までいろんな業種で働いてきたし、三日坊主というわけではないが、いろんな事情で転職も多かった。海外から帰国し、久々に40歳過ぎて書いた市販の履歴書の職歴欄では罫線が足りなかった。それって日本では恥ずかしいことなんだなと逆カルチャーショックを感じたのを覚えている。
とは言え、私もそんな何をやっても続かない自分に劣等感を持ち、続けられる人を羨ましく思って生きてきた。そんな自分を変えたくて、数々の自己啓発本を読み、時間管理術や手帳術などにも参加してきた。やろうとしてみるものの、やっぱり無理なものは続かなかった。
「釣り名人は、短気が多い」という記事を読んだことがある。一見、釣りなんてじっと待つのが得意な人が向いてそうだが、待てない人、いわゆるイラチの人の方が、次から次へ移動して自分の成功できる場所を見つけるのだそうだ。きっとそのプロセス自体がたまらなく楽しいのだろう。
三日坊主だって、同じなんじゃないかなと思うのだ。
釣り人と同じように、そこじゃないと気づいてしまうから、止めて次に行くのだろう。三日坊主になってしまうってことは、ある意味、先見の目があるのかもしれない。人は無価値だと感じるとやる気が失せるものだ。だから止めてしまうのかもしれない。
一方、私の周りに、会社を辞めたいと言い続けながら、10年以上同じ職場で働き続ける友人がいる。
久々にみんなで集まった居酒屋で、ビールジョッキを片手に「今度こそは本気で辞めようと思うねん」というのだ。でも翌年に会っても、状況は変わらず同じ様子で語るのだ。
私は、続けられるなら続けたらいいし、辞めたいなら辞めたっていいと思う。
嫌な人がいたりパワハラがあるなら、逃げればいい。同じ会社で働き続けることが美徳なのは昭和カルチャーなのであって、今は、もっと軽くしなやかに生きればいいと思う。
だから今の私は、三日坊主バンザイであり、「行動力がある証拠」とも思っている。
とは言え、三日坊主とセットでついてくるあの言葉には、疑問を抱いている。
それは「三日坊主な人は意志が弱い」というもの。
私は、意志の強さと継続とはイコールでないと思えるのだ。
なぜなら、この三日坊主で継続苦手な私が、意志とは関係なく、珍しく続いていることがある。それは、コロナの自粛期間に始めた、夫とのyoutube見ながらの朝のトレーニング。
10分程度の簡単な筋トレををしたあとにマインドフルネス瞑想を15分やるだけ。この簡単な朝トレ、意外にも半年以上続いている。
今まで数々のダイエットやウォーキング、ジム通いなどなど、いろいろやって数ヶ月も続いたことがない私が、この半年以上、毎朝続いているのだ。
そこには意志とか、努力とか、そんなものはない。
むしろその逆で、強い意志力とかを外し、努力とかなしの、気負わないルールにしたからなのだ。
決めたことは、「朝、起きて、ご飯を食べる前に簡単な体操をやる。そのあと瞑想する」それだけ。チャンネルは決めずに気分で選ぶ。やりたくない日は、ゆるいものをやる。
相手がいるので、やらない選択はない。時間があまりとれない日は、ラジオ体操だけでもOK。旅行中には、朝おきて、旅館の布団の上でネタまんまのヨガをやったりもした。
そして、夫と2人というのも大きいだろう。一人だと止めてしまえるのだが、相手がいるからやるしかない。これは夫も同じ感想らしい。
続けていると筋力もついてくるので、始めのころに苦痛だったエクササイズも、楽々とこなせるようになる。不快より快になってしまう不思議。快感になると意志なんか必要ない。ここまで続くと止めるのがもったいないし、コロナ様のおかげで自信もついた。
意志について調べると、脳科学の世界では、三日坊主には、意志やモチベーションよりも、簡単にできる戦略や失敗できない目標や仕組みが重要らしいと書かれていた。まさに私達夫婦のゆるい朝トレはその成功体験なのだ。
とは言え、私は、三日坊主を克服したわけではない。
克服しようとする必要もないと思っている。
私は、たまたま続けられたものがあっただけで、未だに続かないものもある。
言えるのは、三日坊主な部分もあるけど、三日坊主な人ではないのだ。
それに、三日坊主は悪ではない。ましては、続かないからやらないという選択もしない。
どうやったら楽しめるかの仕組みを考えてみるだけ。うまくいかなかったら、またやり方を変えればいい。ただそれだけだ。
三日坊主で悩んでいる人は自信を持ってほしい。
次々とチャレンジできる行動力は何よりの強みであり、可能性への入り口なのだから。
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