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登山で見つけるベストパートナー

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:清水 あゆみ(ライティング・ゼミ集中コース)
 
 
私の話ですが、「結婚を前提にお付き合いしましょう」と言ってくださる方がいたので、お付き合いの前に一緒に登山に行きました。
 
その方は社会的地位やルックス申し分はなく、ややクールなイメージでしたがそこも素敵だと思えるひとでした。
しかし、登山前は結婚したかったけど、下山後は「一生独身でいい」と思いました。
 
優しく、とか気が利かない、とか単純な話ではなく、結婚後の苦労が鮮明にイメージできたのです。
 
思えば結婚って、余生50年くらいをともに過ごすひと。
人生半分くらいしか生きておらず、男性とお付き合いが最長でも数年という私にとって
50年この人と暮らせるか?という判断は無理に近い。
 
けれど、登山は人生の全貌をミニチュアバージョンで3時間ほどで体験できる、エッセンスクラスみたいなものなのです。
 
よく足裏マッサージの人は足裏に体のすべての臓器が集約されており、足裏=身体のミニバージョンだ。と言います。
 
登山もそんな感じ。
登山は人生だと思い、将来のパートナーかもしれない人と歩いた3時間の記録です。
 
わたしは登山はほぼ初めてでしたので、早い段階で息が切れます。
それでも彼はさっさと行ってしまいます。「手をひく」とか「優しい声かけをする」とか一切なし。
 
姿が見えなくなりました。が、しばらく行くと待っていてくれていました。
 
私の足が遅いと気が付いたのか、すこし行っては待つ。ということをくり返しました。
「おせーよ」とかいう言葉はなく、「ちょっと離れたら待つ」という学びを得てくれたので「モラハラ気質ではない」と判断できます。
 
きれいなお花が咲いていて、わたしはじっくり見たかったのですが、少し先に彼が待っていると思うとのんびりもしていられず、あせって登ります。
日常の喜びを共有したいのだけれどもなにせ彼ペースなので、「着いて行くのが必死な日常」が目に浮かびます。
 
しばらくするとなだらかな道になりました。景色はきれいです。
ここは彼がいなくてもひとりで歩けます。
人生ってたまにこういう時期があります。苦しみはほとんどなく、おだやかで幸せな日々。
これまでの苦労が報われて、ずっと続くと信じたなだらかで幸せな道のり。
 
でも、残念ながらその道はすぐに終わります。
 
目の前にあるのは崖です。
 
助けてと言いたいけど少し先にいるので言えません。こけて足をすりむき血が滲みました。
追いついてからでいい。「大丈夫?」と優しい言葉を求めます。
けれど、少し先にいる彼に追いつくために必死で登り、ようやく追いつくと足の血も痛みも引いています。
「なんかもう今さらいいや」と「なぐさめを求める自分」はいなくなり「完全自立モードに」に入ります。
 
「子育てで苦しくて」「ご近所さんに嫌味を言われて」「介護でとても悩んでいて」傷ついていて、なぐさめてほしいけど、聞いてくれる余裕がないので「なんかもういい。ひとりでできるもん」と言っている自分が目に浮かびます、
 
しかし、ようやく頂上に着きました。絶景です。
山々を照らす美しい夕日、さわやかな風。
8割が苦しい道のりだったけど、この景色を見るためにこれまでの苦労はあった。
登ってきた意味が分かった瞬間。
人生で言うなら、「生きている意味」がわかる瞬間。
結婚相手って、苦しい日々を乗り越えて、この頂上を共に見る人なんだろう。
 
だけど、彼はその絶景を見て、特に感動した様子もなく「着いたね、降りようか」と。
 
「一緒にいてもひとりだ」とこの瞬間学びます。
 
「私は体力がないから下山はロープウェイで」と約束していたのですが、それを忘れたのか自力で降ります。
 
「人生でも大事な約束も忘れるのだろうな」とオプション悟りを開きます。
 
下山は期待していないので悲しみもなく、強くなっている自分がいます。
自分は離婚後もたくましく生きていくパワーのある女性であると悟ります。
 
男性が隣にいることが重要なのでなく、一緒にいても孤独ならひとりでいたほうがよほど納得のいく人生である。ということも学びました。
 
しかし、彼は言いました。「文句ひとつ言わずについてきてくれる素晴らし女性だ」と。
弱音吐くタイミングすらなかったのですが、それが皮肉にも高評価でした。
 
余談ですが、そのあと友達グループで登山をしたときに、助っ人で一緒に山登りしてくれた男性は、私が息が切れているのに気が付くと、「ゆっくりでいいよ」と声をかけてくれ、崖では手を差し伸べてくれ、荷物が重いと気が付くと半分持ってくれました。
 
特にお金持ちでもイケメンでもないのですが、ああ、きっとこういう人と結婚出来たら、子育てで辛いとき、ご近所付き合いで落ち込んだ時、病気になったとき、ともに歩けるのだろうなあ。と思いました。
 
婚活中女子は、ぜひ山登りをしてみてください。きっと「港区女子」より幸せな女性像が明らかになりますよ。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2020-11-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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