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メディアグランプリ

「副業」そして「複業」の時代。外の世界で叱られる喜びを味わおう。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:てしがわらひろこ(ライティング・ゼミ集中コース)
 
 
会社員でありながら、別の仕事にも従事するという「副業」。
少し前から、「某大手企業で副業が認められた」というようなニュースを聞くことも増えてきた。このコロナ禍においては、給与が減るかわりに社員の副業を認める企業も出てきている。
 
私は副業が認められる傾向には大いに賛成している。
もともと、いろいろなことをやってみたいと思うタイプだったからだ。
高校生、大学生の時には部活をいくつかかけもちし、アルバイトもいろいろとやってみた。少しでも興味があることは、やってみないと気が済まなかった。
 
一つのことを突きつめていく楽しさももちろんあると思う。一方で、様々な体験をし、そこから少しでも学ぶことができるのであれば、それはそれで有意義なことだと思っている。
 
社会人になってからも、いろいろやってみたい熱は変わらなかったが、勤めていた会社は副業が禁止だったので、しばらくは習い事でごまかしていた。
それでもやはり仕事として携わってみたい気持ちが抑えきれず、「給料はもらわないアルバイト」として雇ってもらえるよう懇願し、ある花屋さんにて働かせてもらったことがある。個人で営む小ぢんまりした店舗で、アルバイトが3名ほどいた。センスの良さが評判で、地元で人気のおしゃれな花屋だった。
 
その頃の私は、社会人経験10年ほど。会社でも中堅としてわりとバリバリ活躍でき始めてきた年頃だった。ひととおりの仕事はこなせるようになっており、社外との折衝や会議も一人で切り盛りでき、後輩への指導も行う。まさに脂がのった頃だった。
 
しかし花屋ではまったくの新人である。花の知識もなければ、アレンジメントの技術もセンスもない。教室に通って趣味で楽しんでいただけの素人だった。
アルバイトとして通い始めて、先輩スタッフから仕事をいろいろと教えてもらうことになった。彼女は私より年下だが花屋のスタッフとしてはベテランで、商品となる花束なども作らせてもらっていた。
 
年下の先輩に、手取り足取り教えられる。これはとても新鮮な経験だった。
もうすっかり教えられる立場だった頃のことを忘れていた私は、「そういう言い方をされるとちょっと傷つくな」「先にそれを言って欲しかったな」などと、後輩の立場に立って自分の指導の仕方について見直す絶好の機会となったのだ。
先輩の説明がわかりにくいときは、「自分だったらこういう風に説明するな」と生意気に考えることもあった。
 
そして、新人なので失敗もした。茎の切り方を間違えたり、要領がわからずテキパキ動けなかったり。そんな時は「先生」と呼ばれるオーナーから注意を受ける。
注意されたことに落ち込む半面で、「やった! 久しぶりに叱られた!」という喜びを感じていた。
 
社会人10年目となると、会社でほとんど叱られることはなくなる。後輩は良い事しか言わないし、上司から細かく指導されるという機会ももうなくなっていた。
もちろん、いつまでも叱られているようでは危ういので、叱られなくなるというのは成長の証である。
でも叱られるということは、自分では気づいていない欠点を教えてもらえるということだ。自分の欠点を自分で気づくということは、案外難しい。本当は気づいていても、認めたくなかったりもするものだ。
 
久々に叱られる経験を通して、良い意味で鼻をへし折ってもらい、謙虚に物事を捉えることができるようになった。これはその後の私のキャリアにとってとても重要な転機となった。
 
これらの気づきの他に、本来の目的であった、花に関する知識や小売店を経営するということの多少のノウハウも得ることができた。
会社という一つの世界だけで固まっていた考え方をほぐすことができたし、別の世界を知ることで、改めて自分の業界のことが見えてくることもわかった。
そして「私は花屋の経営には向いていないな。今の仕事にもう一度情熱を注ごう」と意を固めることもできた。
 
副業なんて、体力も時間もない! と思う方もいるだろう。
しかし「時間は作るもの」だと言う。副業の時間を作ろうとすることで、本業の業務をもっと効率的にこなす工夫を見つけ出せるかもしれない。
副業を持つことは本業にも大きなメリットがあると、私は自分の体験を通して感じた。
 
ここ最近では、本業があっての「副業」だけでなく、「復業」というキーワードも出てきている。いくつかの職業をすべて本業として持つ働き方を「復業」と呼ぶそうだ。
日本独特の終身雇用の考え方も揺らぎつつあるなかで、いくつかの職業を自由に持つことができる未来を思うと、なんだか少しわくわくする。
 
暮らしていくためのお金を確保するための仕事、自分の好きなことを好きなようにできる仕事、社会の役に立つために自分の特技を生かす仕事。
いろいろな職業を持つことは、個人にとっても社会にとっても、決して悪いことではないように思う。
 
自由にいくつもの職業を持つことができるとしたら、自分は何がしたいだろうか。何ができるだろうか。そんな風に思いめぐらせているだけでもポジティブな思考になり、明日会社へ行くことも少し楽しくなってくる。
 
 
 
 
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2020-11-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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