fbpx
メディアグランプリ

意識高い系上等!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:渡辺真由(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
“意識高い系”という表現をご存じだろうか。
 
それは、「自分頑張ってます」という自己アピールが活発で、中身が伴っていないあるいは空回りしているように見える人のことを指して言う言葉だ。
若者がこれを使う時、たいていは冷やかしの感情で少し遠巻きにみている感じだ。
 
この“意識高い系”という表現が使われることに前から違和感があった。
一方で、この言葉をなんとなく理解して共感していて、自己アピールが活発な人を見かけた時、「ああ、意識高い系だな」と考えてしまう自分に、もやもやしていた。
 
 
そして先日。
そのもやもやが姿を現した。
 
それは中高生時代の男友達と久しぶりに会って飲んでいた時のこと。
当然、今あの人はどうしているのか、とかあの人は変わってないよね、とか、そんな話に花が咲く。
中には世界一周に出かけた人がいたり、留年何年目の人もいたり、YouTuberになっている人もいたり。目立って変わったことをしている人の話題で盛り上がっていた。
 
そして、彼が結構仲良くしている人の話題になった。
「あいつってださいよなー」
「えっ」
「意識高い系っぽくしてるけどなんかそこまで突き抜けてもいないし」
まだまだ続く。
「有名人ぶっててなんかなー」
 
仲良しでもそんな風に思うんだ、と男友達のシビアな関係性に驚きつつ、
でも私は何となく言いたいことがわかってしまって、気づいたら頷いていた。
 
確かに、彼のTwitterのプロフィールやインスタの投稿は、世間一般で言われる“意識高い系”ほどではないものの、少しだけその気が感じられた。
例えば、インターン先のメディアの紹介を頻繁にしたり、スタバで作業している様子をインスタのストーリーにあげていたり……。
 
なんだか、鼻につく、気がしていた。
「君、そんなだったっけ」と、昔の姿を知っているからこそ余計に感じるものもあったのかもしれない。
 
 
でもふと思った。
そこにあるのは「ダサい」とさげすむ感情だけなのだろうか?
なんだか違うんじゃないか、と。
 
とりあえずその場では「ちょっとわかる」とか「でも実際は変わってないんでしょ?」と言って話題は流れ、その会はお開きとなった。
 
 
 
飲み会からの帰り道、私は「ダサい」と言われた彼の投稿を見返した。
自分の考えを言ってみたり、ちょっと知らない世界の人と会話を交わしていたりする。
見て行くうちに、「そんなこと考えてるんだ、すごいな」とか「自分から行動してて偉いな」と感じていることに気づいた。
 
 
……うらやましい。
何かを目的をもって行動できているのかもしれない。
今自分がやっていることに自信があるのかもしれない。
だから、それをSNSで表現できているのかもしれない。
 
 
冷ややかな感情の裏に潜んでいたのは、羨望だった。
ああ、そうか。
自分にできないことをしているから、うらやましくて。
出来ない自分が少し悔しい、けど一歩を踏み出す、そんな勇気もないから、「恥ずかしげもなく」とか「私だったらできないわ」とかいった言葉でごまかしていた、ということか。
 
 
なんだかスッキリしたけど、自分が情けなくなった。
「ダサい」に同意したままなのが嫌になって、飲み会の御礼がてらメッセージを送った。
「今日はありがとう! ダサいかダサくないかの話、やっぱり彼はダサくないんじゃないかな! 彼なりにやりたいこととかが見つかってていいと思うわ」
 
これで嫌われてもいい。
何もしていない自分に、頑張っている人を貶す権利はない。
彼を肯定することで、自分の閉じ込めていた感情も肯定することができる。
少なくとも、自分の気持ちに正直になることから始めなきゃ。
 
その日から、同級生に限らず“意識高い系”の人のTwitterをよく見るようになった。
同世代で頑張っている人がこんなにもいて、自己発信していることに感動と刺激をもらった。(中には胡散臭いプロフィールの人も多少はいるけれど)
 
 
実際、“意識高い系”を揶揄するのは大学生が多い。
「あいつは意識高い系だからな」とかよく言うけれど、自分はやっていない焦りとか、うらやましさ、そういうのが含まれている。
 
みんな、隠しているんじゃないか。
そう思ったらなんだか“意識高い系”という言葉はなんだか滑稽で、
使われる側よりも使う側の方が、恥ずかしいものなのではないかと感じた。
 
 
もちろん、“意識高い系”ではなく本当に意識が高い人になるべきだとは思う。
その注意喚起も含めて“意識高い系”という言葉が使われるのもわかる。
「意識高い系の人は自己顕示欲が強い。それは自分に自身がないことの表れ」
なんて言われたりするのもうなずける。
 
 
でも、自分に自信がないから、武装する。それ自体はいい事だと思う。
だって、言っているうちに自信がつくことってあるじゃない。
“言霊”という言葉があるように、自分がしたいことやなりたい姿を口に出していれば実現するって言うし。
きっとそのうち「中身を伴わせないと」という思いに駆られて、前よりも努力するようになる。
最初は張りぼてだったとしても、言葉が自分を作ってくれる、こともある。
 
 
まずその一歩を踏み出せない人が多い。
自分を表現できない人が多い。
 
意識高い系上等! だ。
周りの評価を気にするより先に、自分の評価をあげてみよう。
なりたい姿を言葉に出すことから、始めてみよう。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325


■天狼院書店「シアターカフェ天狼院」

〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目8-1 WACCA池袋 4F
営業時間:
平日 11:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
電話:03−6812−1984


2020-11-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事