継続の枝
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:松並実洋(ライティング・ゼミ集中コース)
天狼院書店が企画するライティングゼミ(集中コース)はビリーズブートキャンプである。
多くの人々がビリー隊長の肉体に憧れた様に、私は天狼院書店の三浦店長のキャッチーな記事に胡散臭さを感じつつ惹かれた。
文章を書くことをコンプレックスに感じている私にとって『読まれる文章を書ける様になってしまう』という文言は未来への自分を想像させた。
だが、それが地獄の始まりだったのである。
天狼院書店。
全国で7書店1スタジオを運営しており、読書会や部活、ゼミなどのイベントの企画を通し、本の先にある体験までも提供する書店。
その書店が企画するライティングゼミ(集中コース)は9日間で「2000字の文章をコンテンツにする力を身につける」のを目的としている。
その9日間、受講者は天狼院書店のライター育成に使われているメソッドを教えてもらい、ライターからフィードバックも受けれると言う何ともありがたいゼミだ。
商品を買えば簡単に機能が手に入る。
例えば、ハサミを買ったら紙が手でちぎるよりずっと綺麗に切れる様になる、など。
全てが買うことで自分の望みが実現する。
だが、ビリー隊長や天狼院書店は違った。
ビリー隊長のDVDを買うだけで、誰もが羨む体になる、わけではない。
天狼院書店のゼミに申し込んだだけで、コンテンツになる様な文章が書ける様になる、わけではない。
きちんと自分が努力した結果、美しい体や文章力を得ることができるのである。
つまり、訓練しないとなにもならないのだ。
最初からわかっていたはずである。
だが、Beforeを見て憧れに染まった目はそこを映さない。
気づくはずの「体得するには訓練が必要」と言う情報を遮断しているのである。
「何を書きたいのかわかんなくなった……」
意識は朦朧とし、肩はバキバキ、視力は低下。
締め切りまでに書き上げるしかできない。
課題は自由提出だ。
にも関わらず、私はその9日間の提出に皆勤賞目指して書いている。
書くことに対してコンプレックスでどん底の私が、どうにかして這いつくばって書いてきた。
たった9日間のことだが、文章書くのが大っ嫌いな奴が毎日23:59までに2000文字書いた。
その裏で私が書くために自分がしていた動機を紹介する。
<やりたくない場合 動機付け>
・2分間とりあえずやる
生産性向上コンサルタントDavid Allenの著書「Getting Things Done」より、“2分の法則”を利用した。
今やらなければならないことを書き出し、タイマーをセットし2分間の間にやりきる。
例えば、テーブルの上を片付けて、テーブルを拭く。パソコンをテーブルにセットしてワードを立ち上げる。お茶を入れる。それくらいなら2分間でできる。
先延ばしにしていた細々な事が消え、ここまで自分はできるんだという自信がつく。
2分間でここまで準備できた、「とにかくやろう」と思えたらしめたもの。
<だがその2分間ですら気が乗らずにダメになった場合>
・30分を1単元とする。
精神科医であり作家でもある樺沢紫苑さんによると、人間の集中力には「15・45・90分の法則」があるそう。人が深い集中を持続させられるのは15分程度。子供が45分が限界、大人は90分が限界なのだそう。なので25分やって5分休むというやり方をしている。アラームを25分セットし、暗示をかけた自分でスタート。とりあえず25分は頑張る。そして5分休む。5分休憩にまだできそうだと思ったら続けても良い。だが、まだ続けたいと思わないかぎり無理に続けるのはお勧めしない。ただの我慢比べになってしまうからだ。
・やる気が落ちたときの5分間休憩を大事にする。
その5分間に自己暗示をする。例えば、お気に入りのお茶とお菓子を食べたら私は始められる、とか。瞑想するのも良いし、ストレッチしても良い。とにかくこれをしたら私はできる、と自分をきっちり5分間励ます。
<しんどくなってきた場合>
・「やるに越したことはない」を呟く
途中までやって飽きてしまった、疲れてしまった、邪魔が入った。いろんな理由で辞めるスイッチを押すことができる。真面目な人はそこで辞めてしまったら……と「やらなきゃ」スイッチに切り変わる。やらなきゃと思いながらも裏では辞める真っ当な理由を探す。それを続けるほど精神衛生上悪いものはない。なので私は「やるに越したことはない」と呟く。やった方が良い、しんどいのよくわかってるよ。と自分に言うのである。そうすると、とりあえずやってみる、になる。ちょっと優しい自分になれる。
そうやって励ましながらやってきた。
何とか9日間完走。
人は言う「必ず楽しくなる時が来る」と。
本当だろうか?
焚き火をする時、火種をつけた後は、小さな枝が必要だ。
新聞紙が燃え、小枝が燃え、少し大きな枝になり、最後薪になり安定した火となる。
焚き火をしたことがない人はいきなり大きな薪を入れる。
それは大きな間違いだ。
火力がなければ火は燃え移らない。
苦手を克服したいと言う火力が弱い火種。
それに私は最初から大きな薪をぶっ込もうとしていたのだ。
人には目標が必要だ。
「こうなりたい」は最初の火種としては良いがすぐ消えてしまう。
人が行動し、それをし続け、安定的にできるようになるには小枝から中位の枝が必要だったのだ。
その小枝は根性とかモチベーションとかだろう。
いかにその小枝を探し出し、集めておくか。
挫折しない為の方法。
その小枝に火がついているのが今だ。
少し中位の枝はそのやってることが好きになった瞬間だ。
そして薪はその好きから揺るがない習慣や体得した状態なのであろう。
火が燃え続けるには薪が必要だ。
継続という小枝や薪たち。
早く中位の枝に火がつかないか、夢見ながら、これからもどうにか火絶やさないように探し回る毎日である。
***
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